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ヴァルハラロード   作者: 山星 仁
3/4

2話

すいません。前回の投稿から大分経ってしまいました。


しかし、一応執筆しているので、応援よろしくお願いします。



それでは、本編スタートです。

マイマスター、ご命令を」


 突如、光と共に現れた白髪の少女がそういうが、命令しろと言われてもどうすればいいのか、突飛過ぎて分からない。

 ―― 一体どうすれば、と思った瞬間、


「ぐははは!ただの一般人かと思っていたら、未覚醒の魔術師だったか!しかも魔力量はかなり高い!後々邪魔にならないよう、殺してやる!」


 そう言うと同時に、アジ・ダハーカはさっきとは違い、無数の魔方陣を出現させ、そこから炎や雷、氷などさまざまな攻撃を放ってきた。

 今度は違う意味でどうすればと悩んだその瞬間、大量の情報が頭の中に流れ込み、気付いた時にはすでに詠唱(・・)していた。


第十権能(コード・アドナイメレク)、《王国のマルクト》!」


「《王国の剣》、発動(アウェイクン)


 そして白髪の少女が俺に対応するようにそう言った。

 次の瞬間、少女はの手元に魔方陣が現れたかと思うと、一振りの大剣を手にしていた。

 そして少女の姿がぶれたかと思うと、アジ・ダハーカの放った攻撃は全て切り裂かれていた。

 そのまま少女はアジ・ダハーカに斬りかかり、アジ・ダハーカはその斬撃を籠手で受け止める。


「その大剣、魔法破壊スペルブレイカーの類か?」


「いいえ。この大剣の能力は概念破壊ワールドブレイカーです」


「概念破壊だと?!ちっ!厄介なものを……ッ!」


 アジ・ダハーカがいきなり後ろに飛び退いたと思ったら、さっきまでいたところに黒い砲撃が飛んできた。砲撃が飛んできた方向を振り向いて見るとそこには、さっきまで倒れていた黒髪の少女が立っていた。



「貴方の相手は此方にもいるんだよ?」



「概念破壊に滅びの闇か。流石に両方を相手にするのは骨が折れるか。ちっ!運が良かったな、貴様ら!今回は退いてやる!」



「なっ!待て!………ッ!」



 去っていくアジ・ダハーカを追いかけようとした瞬間、急に体から力が抜けて地面に倒れ込んでしまった。


 意識が遠のいてく中で最後に見たのは、心配した様子で何かを言いながら此方に歩みよってくる、黒髪の少女の光景だった。






  ― ― ―





『ねぇ、嫌だよ……。置いてかないでよ。』



 あぁ、これは夢だ。

 八年前、大切な人を失った日の夢だ。



『泣いて……る……の…?』



『当たり前だろ!何で俺なんかを助けたの?!お願いだから死なないで!』



 あの日、俺はいつも通り友達と、黒髪の少女と遊んでいた。

 俺はあの頃、人見知りだったからあまり友達がいなかった。

 だから、黒髪の少女は俺にとって、唯一無二の大切な人で、そんな少女と遊んでいた時間はかけがえのないものだった。

 だけど、俺はあの日調子にのって前も見ず走っていたせいで、此方に走ってくる自動車に気付くことが出来なかった。

 気付いた時には既に手遅れで、どうしようもなく目をつぶった瞬間、誰かに背中を押されたかと思ったら、目にしたのは、俺の代わりに車に跳ねられた黒髪の少女の姿だった。

 そぅ。俺は、他の誰でもない俺のせいで、大切な人を失ったのだ。



『くそぅ!俺のせいで、俺のせいで!』



『強く……なり……たい?』



『あぁ、強くなりたい!いや、絶対に強くなるから!だから、だから死なないで!』



『なら、一つだけ……、アドバイス。生きたいと、願いなさい。貴方のその思いは、力になって、くれる、から』



『分かったから、だから、だから死なないで!嫌だ、嫌あああああああ!』







  ー ー ー








「はっ……………」



 最近見ていなかったのに、何で今になってあの日の夢を見ることになったのか。

 それに魔力ルーンって一体……。

 あぁもう、分からないことだらけだ。

 俺はイライラを紛らわせるために寝返りをうとうとして顔を右に向けた瞬間、


「は?」


 思わず、間の抜けた声を発してしまった。

 だが、それも仕方のないことだろう。むしろ、大声をあげなかった自分を誉めてやりたいくらいだ。

 なぜなら、


「すぅ……すぅ……すぅ……。」




 昨日の黒髪の少女が隣で寝ていたのだから。



 あれっ?何で?何がどうなってんの?!何でこの子が……。ていうか、昨日は遠目からだったから分からなかったけど、結構胸が大きい。現在進行形で俺の右腕にとても柔らかい感覚が…………ゲフン、ゲフン。

 とりあえず、何でこの子がここに居るかはおいといて、このままだと俺の理性が大変なことになってしまう。逆の左側を向いて少し落ち着こう。うん、そうしよう。決して、決してこれは現実逃避ではない、ただの戦略的撤退だ!

 そう思いながら左側を向いた俺は、


「すぅ……すぅ……すぅ……」


「……なんでやねん」


 思わず、関西弁でつっこんでいた。

 いや、でもしかたないたろ?



 左側でには、昨日の白髪の少女が寝ていたのだから。



 普通ありえないだろ?一人暮らしの男子高校生の部屋の布団に、ある日目を覚ましたら、美少女二人が隣で寝ているんだぜ?

 正直、どこのラブコメだよ!とか、大声でつっこみたいのを、ここまで我慢してるんだから誉めて欲しいくらいだ。

 まぁ、誰が誉めるんだって話なんだけど。


 でも、黒髪の少女はともかく、なぜ白髪の少女には きがつかなかったんだろうか?

 あの時は、既に意識が覚醒していたのに。

 そう思いながらも無意識に目線を下に向けると、すぐに答えが出た。

 黒髪の少女に比べ、白髪の少女は胸が残念というか、なんというか、恐らくそれが原因で気付かなかったのだろう。


 というか、そんなこと考えてる場合ではなかった。

 はやくこの状況をなんとかしないと、大変なことになってしまう。


 どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう


 ……ヤバイ、何もいい考えが浮かばない。

 このままでは俺は、


「う~ん、……ふあぁ。ぅん?ここは……?」


 あ、終わった。

 黒髪の少女がついに目を覚ましてしまった。

 まぁ、まだ白髪の少女が寝ていることが唯一の救いだろう。

 

「……~~っ!」


 あ、今の状況を把握して、一瞬で顔が赤くなった。

 しかも、驚きのあまり、口をパクパクさせてる。

 ヤバイ、どうしよう。

 このままでは本当に取り返しのつかないことになってしまう。(主に俺の肉体的なダメージの意味で)

 どうにかして、相手の気をそらさないと。

 でも、どうやって気をそらす?ってあぁ、ヤバイ!

 もう腕を振り上げてる!本来の意味的にマジでヤバイ!

 くそっ、こうなったらやるしかない!







「続ぎゅはwebで!」






 おいぃぃ!なぜこんなこと言ったし!もうちょっとましなこと言えよ、俺!しかも、変なとこで噛んでるし!


「ば」


「ば?」


「ばかあぁぁーー!」


「ですよねー!」


 結局、黒髪の少女に殴り飛ばされました。

 まぁ、一発だけで済んだから、良かったと言えばよかったんだが……


「すぅ……すぅ……すぅ……」


 おい、白髪の。この状況でまだ寝てるとか、お前どんだけマイペースなんだよ。いい加減、起きろや。







  ― ― ―







「うぅ、すいませんでした」



「いや、あれはこっちも悪かったというか、仕方無かったというかなんというか」



 むしろ美少女の寝顔を見れたのだからお礼を言いたいくらいだ。



「いえ、でも」



「いいったら、いいの。」



「……ありがとう」



 一体あれからどうなったのか。結論を言うと、あの後すぐに正気に帰った少女に謝罪された。

 どうやら、昨日俺が意識を失ったあと、黒髪の少女と白髪の少女が俺を家まで運んでくれたらしい。

 しかし、家に運んだのはいいが、その時安堵して緊張の糸が解けたのか、黒髪の少女は倒れこむように寝てしまったらしい。





 

  俺が寝ている布団のすぐ傍で。






 俺が起きたときに、掛け布団が掛かっていたのは、恐らく白髪の少女が風邪を牽かないようにと気を使ったのだろう。

 ついでに白髪の少女は、自分から布団に入ったとのこと。理由はなんとなくらしい。

 その後、俺が目覚めて今に至る。

 そして、さっきから一言も喋っていない白髪の少女だが、



「……すぅ……すぅ……」



「寝るな!」



「いたっ」



 まだまだ寝たりないというように、隙を見つけては寝ようとしている。

 本当、どんだけマイペースなんだか。



「なぁ、そういえばさ」



「なに?」



「二人の名前、教えてくれない?あと、昨日のことも」



「そういえば、言っていませんでした。私の名前はセフィロトです。よろしくお願いします」



 白髪の少女、は自分の名前を言いながら、軽く頭を下げる。



「私は、玖音凪沙くおんなぎさです。えっと、貴方は?」



 そういえば俺の名前もまだ言っていなかったと、黒髪の少女に言われて気付いた。



「あぁ、俺は新城湊だ。宜しく。」



 そして、お互いの名前が分かったところで、俺は本題に移ることにした。



「それで、昨日の事なんだが……」



 そう言った瞬間、玖音さんはビクッと震えた。



「ええと、玖音さん?」



「あ、私のことは凪沙でいいよ。そ、それよりも昨日のことって?」



「いや、昨日のことって、あの変な鎧の男のこととか、魔法みたいな変な力とか、いろいろあるだろ」



「ええと…………、あ、あれは実は手品でしたー!最新技術を使ってるだけあってすごかったでしょー!」



「……」



「えーと……」



「……」



「あの~……」



「……」



「はい、嘘です。ごめんなさい。だから無言は止めてください」



 それはそうだろう。流石に、昨日のあの現象が手品ではないことくらい、誰でも分かることだろう。



「それで、本当はなんなんだ」



「……はぁ、分かった。本当のことを話すよ。ただし、このことを知ってしまったら、もう二度と昨日までのような平穏な生活を過ごせない。それでも聞く覚悟はある。」



 凪沙の問いに、俺は無言で首肯する。

 それを確認した凪沙は、一度目を瞑り、意を決したように口を開いた。



「私は魔術師ウィザードなの」



 ……は?



「正確的には、新城君も昨日魔術師になったの」



「おいおい冗談は――」



 思わず、否定の言葉を発しようとしたところで、凪沙は無言で顔を横に振った。

 それはつまり――


「マジかよ」



「うん。そして、湊も昨日魔術師になってしまったの」



 え?俺もかよ。

 だが、確かにそう言われると、昨日の不思議な現象についても納得出来る。

 あれが魔法、いや、魔術師だから魔術か?そういう類いのものであれば不思議ではない。



「私達、魔術師と呼ばれる存在は、一人一つ、巨大な思念がこもったもの、聖遺物レリックと呼ばれているものと契約を交わしているの。例えば、私の聖遺物はこれ」



 そう言って、凪沙は自分の右手を出した。

 その人差し指に、黒い六角形の宝石が着いている指輪が嵌められていた。



「これは色欲ルクスリア・指輪リング。ソロモン72柱や、大罪の悪魔で有名なアスモデウスの力を宿した聖遺物なの。聖遺物は主に、神話に出てくる神や英雄、悪魔などが使っている道具が多くて、実はそういった存在は、大昔の魔術師だったんじゃないか、って言われてもいるんだ」



 なるほど、だから昨日、あの鎧の男にアスモデウスとよばれていたのか。



「あれ?魔術師には必ず一つ、聖遺物があるんだろ?」



「うん、そうだよ」



「じゃあ、俺の聖遺物は、一体どんなものなんだ?」



「えーと、それは……その、さっきからそこに……」



 凪沙は、言いにくそうにしながらも、指を指して答える。それにつられて、その方向に顔を向けても、何もそれらしいものはなく、さっきから無言を貫いているセフィロトしかいない。

 俺は不思議に思い、凪沙の方に顔を向ける。しかし、凪沙は苦笑しながら同じところに指を指し続けるばかりでなにも言わない。

 一体どういうことだ?こっちにはセフィロト以外なにも……って、まさか、



「改めて自己紹介します。私の名前は生命のセフィロトマイマスター、新城湊の聖遺物です。」



 やっぱりかー!



「まぁ、普通は驚くよね。私も昨日聞いた時は驚いたし」



「でも俺、こんなやつ拾うどころか会ったことすらないぞ」



「こんなやつとは何ですか。こんなやつとは」



「多分この子、独立機動型の聖遺物であると同時に、寄生型の聖遺物でもあると思うの」



「あれ、スルーですか?」



「独立機動型に寄生型?」



「うん、どちらとも読んで字のごとくでね。独立機動型は、聖遺物として覚醒したあと自分の意思を持ち、自分で行動する聖遺物のことなの。そして寄生型は、先天的、後天的どちらも含め、聖遺物として覚醒するまで持ち主に寄生している聖遺物のことなの。そして寄生型の聖遺物は強力だけど、持ち主と魂で繋がっているから、聖遺物が壊れると持ち主も死んでしまうの」



「つまり、私と主は一心同体ならぬ、二心同体ということですね」



「へぇー。やっぱりそういうのって、珍しいのか?」



「うん。独立機動型と寄生型のどちらかだけでも珍しいのに、どっちも兼ね備えてるなんて、今まで聞いたことなかったよ」



 マジかよ。セフィロトって結構すごいんだな。



「えっと、話を戻すね。聖遺物と契約している私達魔術師は、とある力を使うことができるの」



「とある力?」



「そう。それこそが魔術と呼ばれているものなの。魔術は、魔術師が持っている魔力ルーンを強い想いで引き出して、聖遺物に籠めることで発動させることができるの」



「じゃあ、昨日のあの魔法みたいなのって……」



「うん。あれが私達魔術師が、魔術と呼んでいるものなの」



 なるほど、説明されていた時から薄々感づいていたが、あれが魔術だったのか。

 疑問が一つ解決したところで、俺は残っていたもう一つの質問をする。



「それで話は少し変わるんだが、昨日凪沙はあの鎧の男に追われてる感じだったけど、何でだったんだ?」



 俺がそう言った後、凪沙は顔を下に俯かせるが、やがて観念したように顔を上げ、口を開いた。



「うん、そうだね。やっぱり、言わなきゃいけないよね。少し話が長くなるけど、聞いてほしい。さっきも言ったと思うけど、私はアスモデウスの力を宿した聖遺物と契約しているの。だから、私の使う力、魔術はアスモデウスのものなの。」



「それだと、なにか問題でもあるのか?」



「うん。上位の悪魔は儀式の媒体にするのにうってつけなの」



「えっ、なんでなんだよ」



「儀式って、神様とかよりも悪魔や魔女みたいな、魔に属する者がするイメージがあるでしょ?それと同じで、魔術師の行う儀式も神性よりも魔性の力が強ければ強いほど、いい結果になりやすいの。」




「あとは、儀式は呼び寄せたいものと関わりが深いものを媒体にすると成功率が格段に上がります。そして、上位の悪魔はいろんな神話の神様に関わりがあり、特に大罪の悪魔は典型的なその例です。」



 凪沙とセフィロトが説明をしてくれるが、その表情は暗い。まぁ、セフィロトは変わらず無表情のままだが。



「じゃあ、昨日の鎧の男も」



「うん。私を儀式に利用するために狙って。何の儀式かまではわからないけど」



「一応聞くけど、儀式の媒体にされたら……、」



「死にますね」



 どうなる。と聞こうとしたら、セフィロトに即答され、その内容に俺は暗くなる。



「えっと、だ、大丈夫だよ!今までもこんなことは日常茶飯事だったし、これくらい何でもないよ!」



 いや、それは色々と不味いだろ。と心の中でツッコミをいれながら、更に表情を暗くする。



「あ、あれ?」



「見事に追い討ちをかけましたね。玖音凪沙。それれで、少し話が変わるのですが」



「なに?」



「今後の行動はどうするつもりですか?」



「どうって。取り敢えず、ここから離れるよ。もう貴方たちこれ以上迷惑はかけられないから」



「それは、個人的に悪手だと思います。暫くこの家を拠点に、体勢を整えてみては?」



 うぉい?!ちょっと待て!家主に無視してなに言っちゃてるの?!



「流石にそれは不味いよ。これ以上新城君をこっちの世界に巻き込む訳にはいかないから。なにより、新城君のご両親が帰ってきたら、それこそ取り返しがつかないことになっちゃうよ」



 おぉ。流石凪沙、真面目なことを言ってくれる。

 まぁ、でもうちの両親は二人とも、



「問題ありません。我が主の両親は海外に長期主張中でしばらく戻ってきません。」



 うおぉい?!なんでお前がそれを知ってるんだよ?!



「先程も話したように、私の様な寄生型の聖遺物は覚醒するまで、所持者に寄生しています。そして寄生している時、意識自体は覚醒しているので、所持者が五感を通して得られた情報を記憶することができます。」



 へぇー。それはすごいな。その人に関することなら、全部分かるってこと……ん?ちょっと待て?



「もしかして……お前、まさか……?」



 俺は嫌な予感がしつつもセフィロトに問いかける。がしかし、あまりの恐ろしさにまともに質問することができない。

 そして、セフィロトは最初は何が言いたいのか分からず首をかしげていたが、俺が何を言いたいのか察したのか口を開いた。



「はい。勿論我が主の性癖から、大事なところの大きさまで全部知っていますが?」



「うわあぁぁぁ!」



 畜生!やっぱりかー!嫌な予感はしてたけど、やっぱりかー!ていうか、もう少し言葉を濁そうよ!凪沙なんて顔を真っ赤にして口をパクパクしながら、停止してるんだけと?!



「話を戻しますが、私の意見は今は戦力を分散んすべきではありません。昨日の鎧の男の狙いは玖音凪沙で間違いないでしょうが、不確定要素である我が主を襲撃する可能性もあります。それに誰かしらの協力者がいるかもしれません。そせてなにより、我が主は、昨日魔術師として覚醒したばかりでまともに戦闘はできませんし、玖音凪沙は怪我が完治していません。この状況で我が主と玖音凪沙が別行動をすれば、各個撃破され最悪の結果になる恐れがあります」



 確かに、言われてみるとセフィロトの言う通りだ。

 俺達は敵の戦力も、これからの行動も分からない。

 そして、こちらは誰一人としてまともに戦えない。

 もしこんな状況で敵が全力を出してきたらと思うとぞっとする。むしろ、昨日鎧の男を退けられたことが奇跡に近い。



「……」



 そして、凪沙も同じことを考えているのか、表情が暗い。



「そういうわけで、玖音凪沙。よろしければこの状況がどうにかなるまで、この家に住みませんか?我が主のことなら心配せずともヘタレですので問題ありません。」



 おい、さりげなく俺を貶すなよ。



「それに、いつまでも我が主が戦えないのは、問題です。私は聖遺物ですので、魔術に関する知識はありますが、戦闘技術はありませんので、教えて欲しいのです」



「……分かった。新城君達が良いって言うんならそうさせてもらうよ」



「はい。我が主も別にいいですよね?」



「あぁ。理由を聞くとそうするしかないって思うからな。後、二人とも。俺のことは新城君とか、我が主とかじゃなくて湊って呼んでくれ。これからお世話になるんだし」



「分かった。これからよろしくね、湊君。」



「分かりました。湊」



「それでさ、一つ気になってたことがあるんだが」



「何?」



「儀式をするってことはさ、何かしらの力を求めているってことだろ?それもとても強力な。なんでそんなもの求めるんだ?聖遺物と契約している魔術師って、既に普通じゃありえないくらい強いのに、なんで今さら」



「それはね、唯一神ヴァルハラになるためだよ」



「唯一神?」



「そう。どのような条件で至るのか?どのようなそんざいなのか?その一切が不明。ただ唯一判明しているのが、唯一神になったものは、新世界を創造できると言われているの」



「し、新世界の創造って……」



「そして、唯一神に至るために、百年前から現在まで行われてきた魔術師同士の戦争。それを――」



「唯一神へと至る道標ヴァルハラ・ロードと言うの」




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