表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界喚ばれた俺のチートがエロ本召喚  作者: うただん
第一章・異世界喚ばれた。
9/37

9・「俺の傍から離れるなよ?」

次話投稿します。

試しに12時投稿してみます。

 ごん。


 ごん。


 ごん。


 定期的に金属を叩くような鈍い音が聞こえる。


俺はぼーっと中空を見つめたままこれからの事を考えていたし、マギーは起きてからもずっと沈んだままだ。

とりあえず、エリオースの言ったことをベースに考えてみよう。

まずは、自分の出来ることを確認したい。


出来ること。

まずは一つ、エロ本の召喚、これにはエロゲの召喚も含まれている。

これは可能性を幾つか検討中だ。

ちなみに先ほどトイレに行って女体になって初めての排泄(小)をしてみたが、紙がないと女の子って小さいほうでも大変なのね、とかどうでも良い実体験を得られた。

ああ、手段が無かったのでとりあえずそのまま、着ていた白スク水を着直したのだが、うん、まあ"元の位置"まで戻したのだが、その後にやばいと思って新しいものを喚びだして着直した。

同じものであろうと重複も気にせず召喚を出来ること、あと、実は一度その状態を認識してしまえば今回のように『着た状態として』召喚出来ることが分かった。

これはかなり便利だ。

いつでもクリーンな白スク水が着れるわけだ。

白スク水が汗やら、体液やらで汚れていくのは何か冒涜のような気がするからな!


二つ、人をおちょくること。

なんてことはない、意外と魔力の威圧に耐えられるのだ。

まあ教会の騎士どもは法力とか呼んでいたが、受ける威圧は一緒なので面倒だから魔力としとこう。

厳密には違うのかもしれないが、それを説明してくれそうな子は絶賛、落ち込み中だ。

さておき、恐らくは大抵のパンピーがあわあわとなる魔力の威圧をものともせずに、軽口が叩けるので相手を怒らせるのにはもってこいだ!

ま、それがなにか?と言われればそれまでなんだけどさ。


三つ、周囲の状況をつぶさに感じ取れること。

とは言ったものの実は少し自信が無い。

まだ、エルフのこの聴力、視力がどこまでのものなのかが掴みきれていないので過信は禁物か。


ふむ。

少ないな。

召喚についてもう少し考えたほうが良いのかもしれない。

エリオースの台詞から、実は気になっていることがある。

『英傑召喚』、その内、段階的に『英雄譚召喚』『技能召喚』『概念召喚』『英傑召喚』となることは分かった。

今はとりあえず言葉として覚えておいて、生きてここから逃げ出すことが出来たら、深く試すなり調べることも出来よう。

まずは英雄譚召喚を試せるだけ試しているのだが、エロ本、エロゲ、厳密に言えばエロゲはパッケージ、初回特典があればそれ付きで喚びだせている。

コミケのカタログが召喚出来たからと思い、思い浮かべたら薄い本も召喚できた。

で、まだきっかけすら掴めない技能召喚だが、ここまで上手く出来るようになればもう無双状態だろこれ。と思わなくも無い。

英雄の使用した技や奥義、魔法とか言ってたよな。

てことは世界を征服するための108程度は軽く技能を思い浮かべられるぞ、エロ本、エロゲから!

同人を入れていいなら、それこそメジャーな作品からも行けるだろ!

等とどんどん自分の中で盛り上がってきたのだがふと、思い出す。

ん?英雄??

ということは英雄的な業績を上げた……物語の主人公クラスのものじゃないと技能が召喚できな……い?

いやむしろ、召喚できるのが最初の段階から『所持している、或いはしていた』エロ本、エロゲに限られるということがネックか?

自分の心の中なので、はっきりと言おう。

『抜き』とか『陵辱』とか『らぶらぶエッチ』とかそういうコンテンツ偏重だったんだけど……

メジャーものは割りと避けていたし、少年誌的にも熱い展開のあるものってそういえばあんまり無かったなぁ……ということに気付く。


あれ、これ詰んでない?


思考が堂々巡りする。

ここはきっと俺の想像力が試されているに違いない!

うん、そうだ、きっと技能召喚まで出来るようになれば向かうところ敵無しになるに違いない。

条件だの、可否だの色々と課題が残るけれど、取りあえずは今、出来ている英雄譚召喚だ。


ごん。

ごんごごん。


お、エリオースが拘束されている鉄の棺おけが動いた。

とりあえずは生きているらしい。


「おい、エリオース。

 聞こえているか?

 答えはまだ必要ないぞ。

 最後に分かったら今みたいに動け?」


ごん。


こちらから音を鳴らしてやる。


「いいか、俺たちはまもなくガリオンの峠を越える。

 そうしたら断頭者の丘という所で、俺たち二人は処刑されるらしい。

 その時、方法は別として俺たちは逃げるぞ。

 お前のその棺おけもなんとかしてやるつもりだが、お前はお前で頑張って逃げろ。

 マギーを連れて行くだけで多分精一杯だ」


ごっごん。


了解なのか、否定なのか、あるいは懇願なのか、エリオースは確かに返答をした。


それを聞いて来るべき決行日に向けて俺は膝を抱えて少しでも、消耗した魔力を回復しようと目をつぶった。


□■□■□■□■


この世界に来て初めて夢を見た。


深い森を思わせる暗い緑に囲まれた静謐な空間で俺は一人の少女を見下ろしていた。


銀の髪、腰に届くかどうかの長さのそれは銀の糸を思わせる。


透き通るような白い肌、すらっとした四肢、それを包む生成りの貫頭衣。


身体は少女から女になろうとする頃、程よく肉も付きそれでいて引っ込むところは引っ込んでいる。


顔はまさに妖精、天使、或いは、なんだなんと言い表せば良い?

長い睫毛、アイラインからでも分かるきりっとした目、しっとりとした湿度を保つ桜色の唇。

物語で想像する、理想の。


理想のエルフがそこに居た。


ひょっとしたらという期待を込めて、呼びかける。


「ケイ」と。


彼女は目を閉じたまま、しかし俺の伸ばした手をその頬に受け入れた。




「ケイさん!」


マギーの声がした。

それと同時に自分が夢から覚めたのだと感じる。

先ほどまでの夢がなんだったか、覚醒するにつれ忘れていくこの感覚。

ああ、現実に戻ってきたと。

身体にめぐりだす血と体温と深く肺腑に入れた呼吸で、俺は顔を上げた。


「マギー、おはよう」


「ケイさん、おはようございます」


マギーは寝れたのだろうか。

目の下のクマが痛々しい。


だが、そうも言っていられないらしい。


「ケイさん、もうまもなく断頭者の丘です……」


そう言ってそっと目を伏せるマーガレット、まじ天使。

さておき。


「こほん。

 マギー。

 一度しか言わない。

 俺を信じろ。

 俺の傍から離れるなよ?」


どうする?とか、どうやる?とか色々と説明すべきかも知れないが、きっとマギーでも分かるのだろう、この馬車が今どういう場所に辿りついたのか、魔力を感じられなくても容易に分かる。

神の名を告げる者、きっと神なのかその使徒の言葉なのだろうか、何かの詩篇らしき句をつぶやく者、或いはもっと肉感的に今回の獲物に対する下卑た言葉を吐く者。

そういったざわめきに我々は囲まれていた。


「出ろ!」


檻から引き出され、俺とマギーの二人、別の馬車からだろうか?

背の低い……そのわりには少女ではなく逞しい肉体を晒したお姉さんが一人、断頭者の丘で一番広く見渡せるところに連行されてきた。

タカさん、と心の中で仮の名前をつけたお姉さんは俺の姿を見ると少し驚いた。

しかし、すぐに目の前に展開される丘一面に展開された軍勢を睨みつける。

そう、断頭者の丘にはどこかしこで魔女狩りをしてきたのであろう、騎士どもが集結しており、その丘の向こうには立派な壁門と古ぼけた砦が見えたのだ。

砦の門は開いており、続々と騎士たちの行列が入っていくところを見るに、この丘に集結している軍勢は全てでは無いと理解すると共に、この世界で俺に仇なす者の規模に少しだけげんなりとする。


「よう、エルフ。

 最後通牒に来たぜ?

 お前、俺の玩具にならないか?」


丘に拵えられた火あぶり用の梁だろうか、向こうの世界で言う十字架の前に、カレンドロが不敵な笑みを浮かべながら、そう言った。

俺はこれから試そうとすることを思い少しだけ可笑しくて声を立てずに喉の奥で笑った。

明日も(間に合えば)12時に投稿してみようと思います。

※すみません。予約投稿失敗しておりました。

 家に戻ってからの更新になります。

 戻り次第、アップいたします。(20時前後?になります……)

感想、誤字誤用ご指摘お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ