獣の筒鈍支援魔術〜本能のまま戦いたくない〜
ノリに乗った奴は止められない
獣人の族長であるアフログラサンした父の口癖である。
突き立てた親指は小刻み震える。
派手な服から想像のつかない情けなく小さな背中を見て、苦笑いで頼りない顔をしている事がわかる。
ワイルドに決めたであろう立ち姿は恐怖を隠しきれず、魔王討伐のため勇者パーティについて行くことを決めた。
彼の戦闘はバフ、デバフによる支援魔法と身体強化による体術、獣人の特性を活かした実にシンプルな戦闘スタイルだ。
おちゃらけた性格の父だが、常に戦闘前は手足が震え、鼓舞しながら出ないと戦えない、情けなく頼りなさそうな事で有名だ。
だが、それでも獣人の族長たらしめる何かを彼は持っていた。強いわけでもなく、弱いわけでもない。統率力、威厳、尊厳もへっぴり腰の前では無に変える。
そんな背中を最後に見た5歳の俺は、いつも通り帰ってくると心では思っていた。
この世界は人の国、エルフの国、獣人の国の三大陸だが、人の国から突如、魔王が現れた。
10年前、突如として城ができ各国を侵略、各国の大陸の3割まで侵攻され、暮らす生き物にとって脅威を感じた。
当時の勇者パーティによる早期討伐のおかげで脅威は去ったが、残党は消えることはない。
勇者パーティによる三カ国による共同討伐による同盟および
平和条約により各国の新たなる文明、戦闘技術のおかげで平和は保たれた。
魔王の戦闘で生き残された勇者、賢者、戦士は人の王、エルフの女王、脳筋教の神父に。彼らの伝説は絵本として語られ老若男女にも浸透している。
臆病な立ち姿をし、クネクネしながらマラカスを握った獣人は、どのページにも同じ立ち姿で残されていた。
人々は彼がマスコットキャラか、勇者の引き立て役として認識しているが、パーティメンバーと獣の部族だけは違う。
チッチキブー、チッチキブー、チッチキブー。
頭から離れない。戦闘時は隣に並ぶ奴からリズム音が聞こえる。声は発する時もあれば、なぜかマラカスから音楽が聞こえてくる。幻聴で基本の型が舞に変わる始末だ。助けてくれ。by戦士
魔術の原理はわからないが、奴がいなければ魔王討伐は不可能だった。ドヤ顔などウザいが強い。腹立たしが実力を認めたら負けだと思うほどクソうざい。こっちを見ながら野糞を踏ん張るな。byエルフ
腹抱えて笑える面白い人がいた。気に入って2人を説得するのに苦労したぜ。このパーティでいつまでも、旅が続けられたらと今でも思う。あの時の誘った時の瞬間が夢でもでてくる。今でも後悔だらけだ。
最後の戦い前に死んだら息子を見守ってくれと、カッコつけるのはいいが、片足あげてマーキングしながら話す事じゃない。by勇者




