プロローグ・とある港街の
吸血鬼軍が人間に敗北し、吸血鬼達は次々と処刑されていった
なかなか簡単に死ねず泣き叫ぶ吸血鬼
当たり前の用にそこかしこに転がってる人の死体
人間と吸血鬼の狭間に揺蕩う男はその情景になにを思う
時は流れとある港街
「犯罪以外は何でもやります」
そんな謳い文句が書かれたボロボロの看板と古いながらもかなり大きい住居が目印の何でも屋
それが汚れ仕事屋である。
面倒くさがり屋で謎多き所長、港
不憫な家事係イメケン従業員、リア
元気こして破天荒系女子高生、玲奈
今日もこの三人がこの街の汚れを解決する
……真面目に、とは言えない形で
吸血鬼
八十年前に現れた恐ろしい存在。
強力な力と数々の特殊能力、攻撃的で血気盛んなその性分、力の源は人の血。
あまりにも荒々しく攻撃的で危険で人とは相容れない種族。人間と戦争に落ち込むまでそう時間は掛かりませんでした
異種族同士の戦争、長く長く続いた混沌の冷たい戦争。これは人間と吸血鬼の冷戦と呼ばれています。
二十年前、本格的に人間と吸血鬼の戦争に入りました結果はとある一人の人間が吸血鬼軍のトップにとどめを刺し人間の辛勝でした。
残った吸血鬼達は人間に友好的な者も好戦的な者もまとめて処刑されていきました。
静かな事務所の中で暇を潰すために手に取った歴史の参考書にのった数行分の文章を見つめる。
その文章には色濃く赤色の蛍光ペンで線が引かれており、ページの右端には付箋で「吸血鬼の特徴!よく出る!」と抽象的な書き殴りが貼ってあった。
三十年前というかなり直近の戦争……そりゃ、テストにも出るわな…
タバコを口に咥えながらそのページ欄の内容に目を通していく。
「そんなに面白いですか?それ?」
いつの間にか目の前にいた男の声がふと、耳の中に入る。
ページの文字列から声がした方にを目を移したらそこには、俗に言う美少年と言うほどの整った男の顔があった。
「……まぁ?そこそこには?」
「ハハ……仕事してくださいよ港さん……」
適当にした返事に対し苦笑しながら文句を言う男。
この男の名前は冴凪梨杏。通称リア。うちの事務所の従業員だ。
「お、コーヒー?さんきゅーリア〜」
「もぉ〜……」
リアは溜息をつきながらも俺の机に淹れたコーヒーを2つ置いた
……色々言いながらも俺の分も淹れてくれてんだよな〜
持っていたタバコを消しながら素直じゃない男の優しさに思わず温かい視線を送ってしまう。
「……なんですか、ニヤニヤして…気持ち悪い…」
「別に〜〜?」
からかい混じりにリアが淹れてくれたコーヒーを口に含む。
リアは「ほんとに読めない人………」などと言いながら俺の前にある依頼者用の椅子に座り依頼に使う資料や税関係の報告書の整理を始めた。
そして事務所にはリアが資料をめくる音しか響かなくなる。
また暇になってしまった俺はコーヒーの苦さを口に含んだまま参考書に目を落とした。
ー吸血鬼
八十年前に現れた恐ろしい存在。ー
…………恐ろしい、ねぇ……
赤い蛍光ペンの線を指でなぞってみた。
強くなぞるとインクが少し滲んで、
そのインクがどこか血痕に見えてしまって、
そこで思わず本を閉じた。
「……なぁ、リア」
「はい、何ですか?」
資料から目を離さず淡々と返事をするリア。
冷たいなぁ…などと思いながらも話を続ける
「この参考書にさぁ」
「僕今真面目に仕事してるんですけど…」
「俺も真面目だって。珍しくな。」
そう言うとリアはようやく資料から顔をあげ不服そうにこちらの顔を見た。
「……この参考書に「恐ろしい存在」としてな、吸血鬼が紹介されてんの。」
参考書のページを指さす。
リアは俺の意図が分からないように首を傾げながら反応した。
「……はぁ…」
「……吸血鬼ってほんとに恐ろしい存在だと思う?」
一瞬の沈黙が生まれる。
リアは俺の顔をじっと見て答えづらそうな顔をした。
「………あぁ……いや……」
行き場をなくした答え。
俺から目線を逸らしコーヒーに手を伸ばした。
その湯気の向こうでどうゆう顔をしてるかはもう見えない。
「……さぁ……わかりません……」
静かな事務所一言の短い返事が響き渡る。
「そうか…」
「でも」
と、リアは言葉を続けた。
「教科書に書けないことも、沢山あったんだと思います…」
リアらしい嘘偽りない素直な回答。
そんな回答に思わず笑みがこぼれたと同時に胸がチクリと痛んだ。
「そうか……」
「港さん……仕事に戻りましょう?」
「……あぁ、」
窓の外の海辺では綺麗な海が波をうっていた。
そう、この街にはまだ息を潜んでる奴らがいる。
吸血鬼軍のトップにして、吸血鬼達の真祖であった男が生まれたこの地に。
表向きは平和で……
でも裏には血の匂いはまだ残ってる。
その時だった。
事務所の玄関のドアが豪快に開いた音が響いた。
「うわ!?!?アッツ!!!!!」
「うわ?!?!!?な、なに!!?!?」
急な音で驚きリアは持っていた熱々のコーヒーをこぼしてやけどを負う。
俺はその音を出した正体を確認しようと玄関に向かった。
「失礼します!!!港さん!!!」
玄関にいた音の正体は平凡なごく一般的で元気な女子高生………と言うにはあまりに破天荒すぎて嵐のような性分の女の子がいた。
「お前……もうちょっと丁寧にドア空けろよ……玲奈。」
「え?あぁ、すいません!!つい急いでた勢いが止まらずにそのままドア空けちゃいました!」
「何言ってんだ……」
そう言いながらイタズラに笑う花の髪飾りが特徴的な女の子。
この女の子は最近入ったうちの第二の従業員、百合川玲奈である。
「あ!!!今日来る途中にツクツクボウシがいたんですよ!!!ツクツクボウシが!!」
「ツクツクボウシ?あの……虫のやつ?」
玲奈はそう言うと嬉しそうに空間を作った手を差し出した。
「はい!!!珍しかったんで捕まえてきました!!ほらこれ……」
「戻してこい!!!!!」
その手の中にある開こうとした玲奈を急いで制裁する。
「え〜〜」と肩を落とし仕方なしに玄関外にツクツクボウシらしきものを解放する。
しかも出てきたそれは一体ではなく群れをなしていた
「うわぁ………」
全く……いくら事務所外の庭が荒れてるからってたまったもんじゃない………とゆうかどうりで最近セミでもない奇妙な虫の音が聞こえると思ったら……
「港さーん!!今日もお手伝い兼!色んなこと話に来ました!」
「……はいはい。分かったから入れよ。」
……玲奈は破天荒でちょっと変わった奴だがそんなのリアを従業員として入れてる時点で慣れっこなのでさほど問題ではない……と思いたい。
「あ!!!そう言えば!!!私の参考書見ませんでしたか!?!」
「あ、あるぞ。お前が忘れてったやつがな。」
「マジですか!!」
事務所の中を指さすと亜音速で玲奈は俺の横を横切り俺の机の上にあった参考書を手に取り回収する。
「いやーごめんなさいねー!つい忘れちゃってて!」
「……お前、参考書にちゃんと線引くタイプなんだな。」
今の玲奈のお転婆(ちょーマイルド表現)な姿を見てとても真面目に勉強するタイプとは思えず口に出してしまう。
「むっ!失礼ですね!!私、こう見えて歴史はめっちゃ得意なんですよ!!」
「意外だな。クラスのすごっい陽キャな女子が仮○ライダー作品のオタクだったくらい意外。」
「た、例えが分かりにくいですよ!!!てか!!だ、誰か!氷とタオル持って来てくれませんか!!!??」
「あ、忘れてた。大丈夫か?」
玲奈とバカバカしい会話の途中、リアが火傷を負っていたことを思い出す。
リアはズボンに思いっきりコーヒーをぶちまけたせいでズボンがびしょ濡れになっていて動けない様だった。
「え!?リアさんどうしたんですか…?ご乱心ですか?!興奮しちゃったんですか!?」
「君のせいなんだよ……玲奈ちゃん……とゆうか興奮ってなに!?!?!?僕のことなんだと思ってる!?!?!」
「あー、はいはい…今氷持って来てやるから…落ち着けや。」
玲奈の無意識な喧嘩腰の仲裁もそこそこに俺は腰をあげて向かい冷蔵庫から氷を出し雑巾を持ち出す。
ほんとうちの事務所は変な奴しかいないな………
………類は友を呼ぶってやつか………?
だが、それだと俺も変人になるな………
棚に手をかけ雑巾を出し事務所の部屋に戻る。
すると丁度西日が窓から入ってきてた。
「もー……ほんとに破天荒な子だね…玲奈ちゃんは…」
「えへへ〜そんな褒められたって何もでませんよ〜!」
「褒めてない。嫌味。」
そこには仲良さげ喋る二人の姿があった。
数ヶ月前まではあんなぎこちなさそうだったのにな……
「………あ…」
そこであることに気付いた
「「…?港さん?」」
西日のおかげて綺麗な二人のツヤのある髪が光に当たり輝いて見えてとても眩しかった。
まるで太陽のように……
「………」
「どうしたんですか?港さん?」
「港さーん!生きてますか?」
………あぁ、俺はあっち側の光にはいけないのか……
昔の鉄格子が今更フラッシュバックし、次のカットには大量の血飛沫が写った。
俺はグラサン越しに写ったその景色を後ろめたい気分で見てめることしかできずにいた。
気付いたら玲奈が俺の前で手を振っていた。
「港さーん!!!」
「………あ、な、何でもない…」
「どうしたんですか?急に。」
玲奈の声に、我に返る。
全部幻覚だったことに気づき無意識に握っていた手の力を抜き溜息をつく。
「いや……ちょっと考え事してただけ。」
「でも、すっごい難しい顔してましたよ〜考えすぎはハゲますよ〜!」
「失礼だな……まだ三十代だぞ。」
「まぁ精神年齢は……ね……?。」
「はたくぞ。」
軽口を叩き合う二人を横目にリアが不満そうに声をあげる。
「あの!!早く氷と雑巾ください!!」
「あ、はいはい。わかりましたよ。」
雑巾と氷を入れたビニール袋をリアに投げる。
リアは「うわっ!?」とか言いながら慌てて受け取った。
「重い氷を投げないでください!!あぶないでしょ!!!」
「港さんって……本当に適当で雑ですよねー」
「……ハハ………そうかもなー」
二人の非難と受け流し淡々と所長席…つまり、俺の机に向かう。
そして堂々とそこの席に腰を下ろした。
「ほら、お前ら。そろそろ夕方…仕事の時間だぞ。」
椅子を回し二人の方を向く。
二人は呆気に駆られながらも直ぐに口角を上げて仕事の準備を始めた。
「僕はずっと仕事の時間ですよ…全く。」
「今日はどんな依頼が来ますかねー!!」
ワクワクが止まらずにそのままのテンションで玄関にある看板を立てに行く玲奈と、やれやれと頭を抱えながらも散らかった事務所の掃除をするリア。
その二人を見て思った。
俺もそっち側で光を浴びてみたい。と
「港さーん!!看板「営業中」に変えてきました!」
「片付けも終わりましたよ」
「じゃあ、今日もやるか………」
あくびと伸びもそこそこに今日も俺は汚れ仕事を引き受ける。
罪だらけの俺を少しでも正統化するために。
攻撃性を現すこの長い牙も、太陽に焼かれるこの身体も、闇夜に光る赤い目も。
全部を正統化するために汚れを掃除する。
「………お、早速かな。」
扉がコンコンコンとなった。
さぁ、依頼の時間だ。
見てくださりありがとう御座います!!
趣味で書きたいものをばばー!!って書いて投稿してみました!!
次は依頼解決編をかきます!!
楽しく見てくれたら嬉しいです!!




