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ヤキモチ
センセの家に行ったら、入れ違いで女性が出てきた。
「今の人誰?」
って聞いたらセンセは編集だよ、と答える。あんな美人な女性が編集さんなんだ。となんだかヤキモキする。
「センセのタイプでしょ?」
ふざけて言うと、女に興味はない、とホントに関心なさそうな素振りを見せる。ちょっと安心。
「じゃあわたしも興味ないの?」
わたしには少しは興味持ってもらわないと困る。
「物語以外には興味はない」
「それって、物語には興味があるってことだよね? やった!」
「……そういうところ本当にポジティブだな。書かないなら家に帰らせるぞ」
センセは呆れ顔で言う。
「はい、書きます!」
わたしは机に向かいノートパソコンを開く。文章を打ち込んでいるとセンセも小説を書き始め、わたしのタイピング音と重なってまるでハモっているように聞こえた。