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お題シリーズ3

初代勇者の誕生

作者: リィズ・ブランディシュカ



 願い事を叶えようとするとき、人は何をする?


 流れ星にお祈りする?

 神様にお祈りする?

 それとも、それが自分にできない事だったら、他の人の力を借りる?


 ううん、私は自分で何とかしようと思う。


 だって、だって。


 何かに祈ったり、人に頼ったりするのは不確実だもの。


 自分で確実性を上げられないもの。


 私は、何か願う事があったら、絶対に、百パーセント叶えたい。


 だから、自分で何とかしようとするの。


 それが、どんなに荒唐無稽な事でもね。


 たくさんの墓。


 最後の一つの手入れを終えて、傍にいた同業者の友人へ話しかける。


「世界中の人を救いたい? 本気で言っているの?」

「本気だよ。私は自分の手で皆を救いたい」

「魔王に立ち向かえた人なんて今までいないよ」

「今までいなかったからって、これからもいないわけじゃないよ」


 誰もした事がなくても、道しるべがなくても、歩くべき道が整えられていなくても。


 自分の力で叶えたい。


「だから止めないで、今度ここに帰ってくるときは、魔王を倒した時だから」


 私達はお墓の管理人だから、どれだけの人間が魔王のせいで死んでいるかわかる。


 もうこれ以上、不幸な理由でつくられる墓を増やしたくないんだ。




 その数日ご、魔物の群れを薙ぎ払う女性の姿が前線で確認された。


 それが初代勇者の始まりの話となる。




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