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運勢最悪なのは蠍座のあなた!!もしかしたら今日はとても良くないことが連続で起こってしまう日になるでしょう!!

作者: 黒豆100%パン


「蠍座のあなたは、今日の運勢は最悪!外に出ないことをお勧めしまーす!!」



テレビの中のアナウンサーはその後に「今日も一日頑張りましょー」と告げ、画面は今日の天気に変わった。その情報を見て俺は不満そうな声を出した。



「うげげ、今日は最悪なのかよ!仕事があるのになあー」



俺はそう呟いた。無断で欠席するわけにも行かなく、しょうがなく行くことにした。こういうテレビの不運というのは基本的に当たることはほとんどない。実際運勢が最下位でも何かひどいことが起こった記憶がないではないのだが、こう言う事を言われればやる気がダウンしてしまうだろう。

時計を見ると7時30。やばい!!と急ぎながら鞄を持って外に出た。気が滅入るが仕事は行かなければならないのだ。雨が降るらしいので傘を持って行くとしよう。傘を持ち外に出た。



「うわっ!」



階段を降りて日差しの強い道を進んでいると上から何かが降ってきた。それは鳥のフンだった。最悪だ、鳥のフンがピンポイントで俺の頭に降ってくるなんて...。

だが戻る暇などないしそのまま行くことにした。仕事の前に俺は、いつも行っている店にに向かう。

いつもここで、昼飯のを買うのが日課になっているのだ。ここでしか買えないものがあるのだ。



「おめでとうございます!!あなたは1000人目のお客様です!!」



「え?本当ですか!?」



俺が入ろうとすると、前にも同じコンビニに入ろうとしている人がいて、その客がそんなことを言われていた。その客でちょうど1000人なのか。

だが正直、俺の中には、こいつがいなければ俺が1000人目だったのにという感情はあったが、そこまで運が悪いとは思わなかった。別にそこまで重要ではないのだ。まあちょと運が悪かった程度で済む。俺は気にせず傘を傘立てにさして中に入る。俺は真っ先にパンの並んだコーナーに行きいつものパンを探す。



「まあいいや。パン...パンっと、えーっとえーっと、あった!」



俺はパンコーナーにある目的のパンを見つけた。それはあんぱんなのだが、あんぱんといってもその辺にあるものとは違う。とても食感も味も何もかもが違うプレミアムなのだ。まあ実際はプレミアムではない、俺が勝手にそう仕立て上げてるだけのものなのだが。その棚を見るとあと1個。やった!ラッキー!



「あっ!」



ついそのような声を出してしまった。なぜなら横から現れた人がそのパンをかっさらって行ってしまったからだ。先程も言ったが他のところでは売っていないため、これを逃すと手に入らないだろう。まあしょうがないか。

パンを諦めて外に出る。なんかいきなり不運にあったような気がする。そして歩き出そうとした。パンは諦めてコンビニを出ようと自動ドアを出る。その時だった。



ジャラーン!



その時、小銭が複数床に落ちる音がした。その瞬間に俺の財布から小銭がバラバラと溢れていくのが見えた。バラバラと落ちる小銭をしゃがんで俺は拾い上げる。先程から運が悪い事ばかり起きる気がする...いやそんなわけない!気のせいだ気のせい!!と首を横に振った。しゃがんだ状態から立ち上がり歩きだそうとすると、後ろから肩を叩かれた。



「あの、拾い忘れてますよ」



「ありがとうございます」



後ろを向くと20代ぐらいの女性が100円玉を手のひらに乗せてこちらにニコニコと笑顔を見せている。それを笑顔で受け取ってお辞儀をして少し恥ずかしそうに足早に去った。



「今日はいい事無いなあ...あの占いの大宇かな」



そうも考えたがすぐに考えるのを止めた。そういうのを考える質ではないのだ。きっと偶然に違いない!そうだ!きっとそうに違いない!!そう考えてまた歩き出す。



「あ!傘!」



傘を忘れて慌てて戻る。まだ時間はある。戻るぐらいなら大丈夫だろう。そう思いコンビニに戻ったのだが、そこに俺の傘はなかった。赤い傘に持つ部分に黄色いテープを目印に貼っているのだからあればすぐにわかるのだが、そこに赤い傘はなかった。盗まれたのか...?それとも勝手に取って使ったのか?どちらにしろついてない。



「もう..!」



少し腹が立つがまあ時間もないし行くとしよう。そのまま俺は足を緩める事なく進める。

向こう側に見えてきたバス停にはバスがもうすでに来ていた。俺は「やばい!」という声とともに走り出す。だがそのバスはすぐに出発してしまい、俺がバス停についた時には走り去っていた。ああ、なんてついていないんだろう...。最悪の日だ。先程から最悪のことしか起きない。あの占いは本当だったのだろうかと信用したくなる。



「はあー、最悪の1日だ」










「次のニュースです。8時10分頃、××市で運行中のバスに、落石が落ちるという事故が起きました。警察の調べによりますと、バスに乗っていた佐藤博美さんを含む3人が死亡したと見られます...」



これ、俺が使ってたバスじゃないか?」



その夜、ニュースではその落石事故を見てそう呟いた。しかも時間的に俺が乗ろうとしてた時刻とほぼ一致しているではないか。もしかしたら...とも思ったが、流石に偶然だろうとそれ以上は考えない事にした。

もう一つの



「運勢最高なのは蟹座のあなた!!もしかしたら今日はとても良いことが連続で起こってしまう日になるでしょう!! 」と合わせると楽しんでいただけると思います。

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