3 商店街
よろしくお願いいたします
「ここはどう?」
ブチ助達がやってきたのは商店街でした。
魚屋さんのお兄さんの客寄せの声。
八百屋さんのおじさんとお客さんの声。
立ち話に花を咲かせるお母さん達の声。
商店街はとても賑やかでした。
その中の一角に小さな宝石店がありました。
店前のガラスの向こうにはキラキラと光る宝石が見えます。
「ここにいると買い物帰りの人達が撫でてくれたり、ご飯をくれたりするんだ」
ブチ助はまた自慢げに言いました。
茶々ばあさんはしばらくガラス越しに宝石を見ながらにゃあと鳴きました。
「ここは嫌だね」
茶々ばあさんが言いました。
「宝石なんてめんどくさい」
茶々ばあさんはまた飼い主一家を思い浮かべました。
「人間はなんでまた、あんな石ころが好きなんだろうね。あたしの飼い主のパパさんはね、ママさんとお揃いの指輪を失くしたせいで大ゲンカしたのさ。結局、カバンの中に入ってたんだけどね。大声でケンカするもんだからカエデちゃんがまた泣いちゃったのさ」
しっぽがゆらゆら揺れました。
「だからあたしが二人の間に入ってにゃあと鳴いてやったのさ。そうしてやっと仲直りさ。あたしは仲直りさせる天才だったのさ」
ブチ助はへぇと鳴きました。
「人間ってのはめんどくさい生き物だね。あんな石ころがないとお互いが大切されてるって安心できないのさ。あんなものがなくたって言葉にすればいいのに。人間同士、言葉が通じるくせに言葉にしないんだ。結局あんなものを失くしたせいでケンカをしたんじゃ、バカみたいだね」
茶々ばあさんのしっぽがパタパタ揺れました。
「とにかく、ここはダメだね」
「分かった。じゃあ違うところにしよう」
そうして二匹はまた坂道を登っていきました。
ありがとうございました!
明日の0時に3話更新と思っていましたが4話更新になりました。
でも明日で完結します。




