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婚約破棄もの

婚約破棄されたので、侵略しちゃいました

なんとなく思い付いたので数百字程度を想定して書きましたが、思ったより多くなっちゃった!

つたない文面ですが、楽しんでくれれば幸いです。

「チスジーナ=レキシーダ伯爵令嬢!そなたとの婚約を破棄することをここに宣言する!」

「やめてください殿下!」

「大丈夫だ、わたしに任せておけばよい。

そしてこのカレイーナ=ナリアガリーノ侯爵令嬢と婚約を結ぶ!」


この催しはグリード帝国にあるメイヨーダ学院の卒業記念パーティーです。

ただいま宣言されたのは隣国のフケバフキトーブ王国の王太子のカオダーケ=フケバフキトーブ殿下です。あ、一応私の婚約者ですよ。いえ、「元」かしら?


殿下と私は王国のワカイーノ学院の学生なのですが、10年前に王国と帝国がとある事情により同盟を結びましたので、その翌年から両学院も交互に卒業パーティーを開催されるようになりましたなの。


学院のイベントとはいえ、メイヨーダ学院は皇帝陛下をはじめ、各国(元を含みます)の重鎮達の母校でもありますので、国王陛下と王妃殿下も招待されておりますの。


もっとも件の陛下は泡を吹いて気絶しておられますが、王子は気づいていないようですわね。


「殿下、正気ですの?」

「五月蝿い!貴様のような元平民の女などを次期王妃にしては王族の格が落ちる!」


そうです、私の生まれは平民でして、10年前に当時7歳の私はレキシーダ伯爵の養女になりましたの。王子と婚約したのもその直後です。

両親ですか?息災ですわよ。


「わかりました、婚約破棄の件、了解いたします。

ですが殿下、なぜ『元平民を養女にした直後に王子と婚約を結べた』のかはお考えになられなかったのでしょうか?」

「へっ?」

「あぁ…」


さすがは侯爵令嬢、しっかり『考えて』おられるようですわね。


「私の祖父母をご存知ですか?」

「なにを言うか!平民の家系など知りたくもないわ!」


やれやれ…小国とはいえこれで次期国王だというのだから…

陛下、教育を間違えましたわね。


「父とその両親である祖父母は確かに平民でございますが、

母はグリード帝国の元第1皇女ですのよ。

つまり現皇帝陛下は私のお爺様ですの。」

「なっ!」

「当時父に一目惚れした母は皇族の身分を捨てて平民に下りましたの。

隠しているわけでもございませんので、少し調べれば解ることですわよ。」


むしろ、帝国民であれば存じない方を探すほうが難しいですわね。王国でも、伯爵位以上であればほとんど周知ですのに。


「10年前に皇帝陛下は、フケバフキトーブ王国を挟んで反対側にあるユタカーナ王国への侵略を目論んでおりましたの。」

「馬鹿にするな!その時に属国へ下る代わりに自治を認める嘆願のため、父上と母上に同行していたのは他でもない私だ!」


そこまでわかっていてなぜ想像もできないのでしょう?


「えぇ、しかし皇帝陛下は王族を排除し、貴族からも廃爵させるおつもりでしたわ。

ですが王国は属国にくだることなく、未だに独立を保っておりますわね。」

「そういわれてみればなぜだ?」


「当時偶々王宮にきていた私が陛下にお願いしましたの。そして皇帝陛下は


私を王国の伯爵家の養女に迎えさせること


私と王子に婚約を結ばさせること


帝国側に不備がない限り、婚約解消しないこと


を条件に同盟を成立させましたの。」

「なん…だと?」

「本当のことです、カオダーケ。あなたは婚約者という名の人質でしたのよ。そちらのナリアガリーノ侯爵令嬢は理解されているようですね。」

王妃殿下が カレイーナ様が顔面蒼白されていることを指摘してますね。


「な、ならば婚約破棄のはなかっ「それは無理ですわ。」なっ!」

「皇帝陛下と皇太子様が先程の私の破棄の確認をしかと耳に入れてますからね。」

いい笑顔ですわね、お爺様と叔父様。この距離でもこめかみの青筋がはっきり見えますわ。


「な、ならばもう一度婚約をむ「それも無理ですわ。」なぜだ!そなたから望んだ婚約なのだろう!?」

「2年前ならまだしも、今の王子には微塵も魅力を感じませんので。」


仮にも生徒会長でありながら、カレイーナ様が入学してから一切の業務を放棄されてますからね。副会長が見限っておりましたよ。

当のカレイーナ様からも度々ご忠告されてましたのにねぇ。


ジ・エンドですわ♪


「さようなら、私の初恋の人」






そして…


カオダーケ元王子は王籍剥奪の上、準男爵へと臣下されました。学院は子爵以上でなければ入れないので、卒業は認められず、退学扱いとなりました。どうも学力も足りなかったようで、どの道卒業でませんでしたわね。


カレイーナ様は皇太子様の次男、すなわち私の従弟殿に見初められたようで、お爺様も侵略は一度白紙に戻すとのことです。どうもカオダーケ元王子のせいで学業が遅れ、転校した従弟殿に教えてもらってるようです。

「とりあえず友達からで」とはカレイーナ様。

絶対に射止めてみせると息巻いてる従弟殿に皇帝陛下は押しきられたようで、婚約の話はいまのところ無いようですわね。


私は、宰相の嫡男である副会長と婚約しましたの。そんなわけで伯爵家の養女の立場はそのままです。

両親ですか?時々会いに行ってますわよ、お爺様と一緒に。

従弟殿は嫡男なので、カレイーナ嬢は未来の皇妃候補ですね。

長男は政治は苦手で、騎士団のほうで頑張ってます。


皇帝陛下の子・孫は合わせて半数以上がフケバフキトーブ王国の貴族に婿・嫁入りするので、ある意味侵略しちゃってるんですねw

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― 新着の感想 ―
[良い点] 名前が最高wwww
[一言] 王子だけは何も知らなかった、忘れていたのですね。それと侯爵令嬢はまともで王子を諌めていたのに王子が自己完結して暴走してしまったのですね。
[気になる点] 侵略な部分がないので、プロローグみてたら終わっていたようなCM感
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