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13/15

弟達と氷塊

あけましておめでとうございます。


今年もまったり更新におつきあいいただけている皆様に大感謝

「お、お嬢様」


「はっ!…こ、れは…ようこそいらっしゃいませ。フィニアス様。本日は、いかがされたのですか?先触れもなく男爵家にこられるなど…」


執事の声に我にかえったサフィーナは、びくっと体を少し揺らした後、フィニアスに嫌味も込めて挨拶をした。


「先触れもなく、来てしまい申し訳ない。貴女にあいたかったんだ」


歯の浮くような台詞を、フィニアスが言うと、真っ青だったアビーの顔色が頬をほんのり赤く染めた。


「さ…ようですか…。(そんな訳ないでしょ?)…」


言葉を続けられないサフィーナがドレスの裾をつんつんとひっぱられる感覚に気がつき、ひっぱられた感覚があった方を見ると、セフィーロが期待の眼差しでサフィーナを見上げた。


セフィーロの言いたい事は、聞かずとも一瞬のうちに理解したサフィーナは、セフィーロを自身の隣に並ばせ、フィニアスにセフィーロを紹介した。


「フィニアス様。私の弟、セフィーロです。セフィーロと一緒にいるのが、執事と侍女長の息子であり、セフィーロの友人でもあるダンです。セフィーロ達が、ごあいさつさせていただいてもよろしいでしょうか?」


「ああ」


「はっ!はじめましてっ!フィニアス様!セフィーロです!フィニアス様は、サフィーナ姉上の婚約者になったと聞きました!僕の義理兄上あにうえに、なられるのですね!とてもうれしく想います!宜しくお願いします!…ダン!」


「は、はじめましてっ!ダンです!英雄にお会いできて光栄です!」


ぺこりと小さな体が二つおりにお辞儀をする。セフィーロが、フィニアスを義理とはいえ兄と表現したことが気に入らないサフィーナではあったが、自身の教えを身につけてフィニアスにしっかり挨拶出来たことのほうは、ことのほか、満足していた。


「ああ。はじめまして。二人とも。よろしく」


フィニアスが尊敬の眼差しで自身をみあげている子供達に微笑みで答えた。

だが、サフィーナは、フィニアスのその微笑みに薄暗いものを感じていた。

今のセフィーロとダンの年齢には、すでに騎士団に在籍し、騎士として、訓練を毎日おこない、それと供に、勉学にも勤しみ、離宮に追いやられた第一王子と侮られないようひたすら精力をつくし、生きていくために必至だったフィニアス。


「あの!フィニアス様!よかったら僕達と供に7ならべをしませんか?」


セフィーロが嬉々としてフィニアスを誘う。それを聞いたサフィーナは、少し焦った。


「セフィ、フィニアス様はお忙しいのよ。それに、フィニアス様は、7ならべをご存知ないわ」


フィニアスが憩いの空間にまざるなど、サフィーナには耐えられると思えなかった。多少言い訳じみているが、普通のカードゲームができるフィニアスにとって、7ならべは、子供じみているし、この男爵領で7ならべは、ポピュラーなゲームになっていたが、数字を並べるという単純なゲームのため、女性や子供ぐらいにしか、はやってはいない。そもそも、流行らせようなどと、サフィーナは思っていないし、数字を覚える上で、覚えやすくなるという利点があるため、前世の記憶にある7ならべをやることに至ったのだ。もちろん、セフィーロ達がカードゲームを出来るようになったら、7ならべなど、やらなくなるだろうなとは、思っている。


「でも…簡単だし、すぐ覚えられるよ!三人より四人でやった方が面白いよ!」


セフィーロの懇願に何を思ったか、フィニアスが7ならべを教えてほしいとセフィーロ達に話しかけた。フィニアスとダンは、大興奮だ。セフィーロがフィニアスの腕を引き、ダンも早足でゲストルームへと、足を運ぶ。


「…なるほど。…」


セフィーロとダンに挟まれるように椅子に座ったフィニアスは、テーブルの上に並んだカードをみて呟いた。先程までやっていたゲームをやめ、サフィーナがカードを切って、それぞれに配り終え、7を四種類並べ、セフィーロに説明をされながら、フィニアスは、ゲームをしていった。フィニアスは、大人ではあるが7ならべが初めてということもあり、パスは1回という取り決めも行ったが、一番最後まで、カードが残ったのは、フィニアスだった。


サフィーナは、セフィーロとダンを勝たせてあげたくて、カードの出し具合をみて考えながら自身のカードを出したのだ。


「楽しいでしょう?もう一度やりませんか?」


無邪気なセフィーロとダンの笑顔にいつも気難しげな冷たい眼差しのフィニアスが冷笑でも、高圧的な笑みでもなく、一瞬、毒気をぬかれたかのような微笑みで、セフィーロとダンに是の返事をしていた。それを見たサフィーナは、フィニアスの本来の姿は、こちらなのだろうと、思ったのだった。


もう一度ゲームをしたのだが、サフィーナは、セフィーロとダンを勝たせてあげることが出来なかった。コツを覚えたフィニアスをおさえることがやっとだったのだ。辛くもサフィーナのほうが1枚早くカードを置き終えたので、フィニアスには勝つことが出来たのだが…。


ゲームを終えたフィニアスは、いつもの高圧的な笑みに戻っていた。







年末年始の仕事が一段落し、おやすみをいただいております。金曜から仕事だけどっ


ほんとに、毎日更新、定期更新をされていらっしゃる皆様、尊敬します。

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