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12/15

氷塊騎士、襲来

2018年もおわります。平成も終わります。


今年も1年お世話になりました。

「お姉さま、今日は、王城にいかなくてもいいのですか?」


どこか不安そうにサフィーナに尋ねたのは、弟であるセフィーロだ。


あの日、夜遅くに帰ったサフィーナ達を起きて待っていることが出来なかったセフィーロは、早朝、下男がやっとのことで目覚める時間にとび起きて、サフィーナの部屋に突撃したのは、つい先日の話だ。


『お姉さまっ!王城は!フィニアス様は、どうでしたかっ!?』


サフィーナのベッドの上にダイブするように上半身をのせたセフィーロの重さに圧迫され、ぐふっと、乙女が他人に聞かせてはならないであろう声が漏れたサフィーナ。


姉とはいえ、いくらなんでもそれはダメだと両親に説教されたセフィーロを慰めたのも、サフィーナである。


「まぁっ!セフィーロ!もうダンスのレッスンは終わったの?」


不安げなセフィーロを包むようにぎゅっと優しくサフィーナが抱きしめると、幸せそうに満面の笑みでセフィーロがサフィーナに抱きつく。


「はいっ!終わりましたっ!お姉さまと遊びたくて…」


元気よく答えていたセフィーロは、姉と遊びたいという時に照れていた。素直でかわいいセフィーロに、サフィーナは、めろめろだ。これが、前世のブラコンというものだと本人は、思っている。


「いいわよ。今日は、いかないわっ!」


「本当ですか?じゃあ、ダンも一緒に遊んでいいですか?」


「もちろんよ。何して遊ぶ?」


「7ならべっ!」


「いいわ。じゃあ、ダンの所に行きましょう」


セフィーロが言った『7ならべ』というゲームは、サフィーナの前世でのゲームだった。この世界には、カードゲームは存在していたが、前世にあったトランプとは、少し違った。前世のUNOと、トランプを混ぜ合わせたようなカードだったので、数字の1から13まで抜き出し、7ならべをセフィーロに教えたのだ。感謝祭で、男爵がカードゲームをしていたのをみたセフィーロが自分もゲームに混ざりたがったが、この世界のカードゲームは、まだ数字を覚えたてのセフィーロには難しく、混ざることが出来なかったセフィーロを見かねたサフィーナが、7ならべを思いついたのだ。幸いカードは、男爵家になん組かあり、普段、カードゲームをしない女性陣も、サフィーナの説明に簡単そうだと一緒に7ならべをしたのは、いい思い出だ。


「ダーン!あーそぼーっ!」


「セフィ!サフィーナ様もっ!」


「ダン!お前は何度言えば、おぼっちゃまを愛称で呼ぶのをやめるのだ!」


「いいんだよ。ポール。僕がそう呼んでほしいって、お願いしたの。だって、ダンと僕は、友達だよ?」


「そうよ。ポール、セフィーロがお願いした事なの。外ではちゃんとするわ。ダンも、セフィーロもちゃんとわかっているもの。屋敷の中だけでも、許してあげて?」


ダンは、執事であるポールの息子だ。セフィーロと同じ10才だ。セフィーロにとってダンは、生まれたときからの大親友なのだ。それはダンにとっても同じだ。ダンは、遅くにできた子供で、兄弟がいない。ダンがセフィーロより半年ほど早く生まれていたので、今では少しお兄さん気分を味わっている。サフィーナに対しては、弟気分でいる。屋敷にいるときは、そうしてもいいと、サフィーナに言われたからだ。教会に勉強をしに行くときは、ちゃんと自身の立場をわきまえている。ダンは、ほとんどをセフィーロと屋敷で一緒に勉強するが、ダンスのレッスンはダンに必要ないので、その時間は、父である宰相の手伝いをしたり、母のアビーの手伝いをしたり、教会に行き、学校の手伝いをしたりしていた。


「お嬢様…」


「「ね?」」


主の子供達に、にこりと笑って言われてしまったら、ダメとも言えない執事である。主からも、サフィーナとセフィーロを自分の子供と同じように思ってほしいとは、いわれている。


「わかりました。屋敷の中だけと、言うことでしたら、私も多目に見ます」


「「ありがとう!ポール!」」


おもしろいぐらいにハモるサフィーナとセフィーロだった。


男爵家のゲストルームに場所を移動し、3人で7ならべを開始した。サフィーナは、年長者なので、パスはない。ダンとセフィーロは、2回だけパスする事が出来るルールにしてある。一巡目は、カードを必ずおくというルールも付け加えた。それでも、やはり前世の記憶をもっているサフィーナにとっては有利なゲームであった。


3人で楽しくゲームをしていたとき、玄関のほうで、侍女長の役割を担っているアビーの悲鳴が聞こえた。驚いたサフィーナ達は、カードを置き、3人で玄関に向かった。


そこには、青い顔色で執事に抱えられているアビーの姿があった。執事は、しきりに玄関先にたっている人物に謝罪していた。二人の向こう側には、少し機嫌の悪そうなフィニアスが、綺麗な花束を抱えてたっていた。


綺麗な花束に惹けをとるどころか、まさに王子様というにふさわしい貴公子が、そこにいた。セフィーロとダンは、英雄の登場に興奮を隠せないようであったが、サフィーナは、それと反比例するように、驚愕していた。


何故、ここに…?などと、サフィーナが思うのは、自身がフィニアスと婚約したのは、あくまでも仮初めでありフィニアスがこんな所まで単身乗り込んで来るとは思っても見なかったからだ。







他の作者の方の作品を読むと、感化されて書きたいって思う気持ちがかきたたされるけど…


のんびり更新におつきあいいただけている皆様に感謝です。


今年も31日まで仕事です。(-_-;)

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