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9.いいえ、尋問です

 



「それで、俺たちに何か言うことはないのか?」


 …。



 何も思い浮かばない…


「よーく考えてよ」


 篤と明からの無言の圧が…

 しかし本当に全く思いつかない。


「よくよく考えたんだけど、やっぱり分からないかな〜

 なんて…はい。すみません。

 頑張って考えます」


 分からないって口にした途端部屋の温度が何度か下がった気がした。

 というか菫がいなくなってからどんどん冷え込む一方なんですけど!?



「はぁ…本当にわからないの?」



 うんうん。本当にわからないの!

 という気持ちを込めて大きく首を縦に振った。



「もういい。お前がわかると思った俺たちがバカだった。

 お前さ、俺たちのこと舐めてるだろ」



 どうやら私に答えを求めるのは諦めたようだ。

 しかしその直後に「舐めてんだろ」発言。意味がわからない。だいたい舐めてたら今までパシリなんてやってないんだけど!

 むしろ篤たちが私のことペロッペロに舐めまくってると思うんですけど!!



「僕たちが舞を呼んだのはさっきも話に出てた彼のことなんだ」


 ん?


「彼って悠真くんのこと?」


 それはさっき話したじゃん。なんでまた?


「そうだ。この前お前が彼氏だって連れてきた新藤さんのことだ」


「うん。で、それがどうかしたの?」


「どうかしたの?じゃないよね。

 彼、本当に舞の彼氏なの?どうなの?違うでしょ」



 …。



 …?



 …!



「え!?なんで!?」


 なんでバレたんだーーー!?

 いや、バレてない。というか今は彼氏(試運転)だし。彼氏じゃないだろうという問いに対する答えはイエスかノーで答えるならどちらかというとイエスではないだろうか。



 しかし、私が慌てた反応をしてしまったためか。



「ほら、やっぱり嘘だったんだな。

 そんなこったろうと思ったんだよ」


「だよね〜男っ気が1ミリすらもなかった舞にいきなり彼氏とかできるわけないと思ってたんだ。

 それなのに本当に男連れてきたからびっくりしたけど。やっぱり彼氏じゃなかったんだね」



 とかなんとか2人で話している。


 ちょっと待て2人とも。君達が私に対してかなり失礼なセリフを吐きまくってることは今更だし、勘弁してあげよう。


 しかーし!



「私、悠真くんと付き合ってるから!嘘じゃなくて彼氏だから!」


 残念だったな!今回は私の勝ちだ!


「さっきも話したけど、悠真くんはここんとこ毎日会社に迎えにきてくれたりもしてくれてるんだよ。

 そんなことするのは私達がお付き合いしているからに他ならないのです!」



 どうだ!参ったか!

 形成逆転!今回は私の勝利だ!!



「…。それなんだよね。

 その話を聞いてまさかとは思ったけど」


「それを差し引いてもお前に彼氏が出来たってことが信じられなかったんだよな」


 ほんと、こいつら失礼だな。でもさっきよりも冷気が遠のいた気がする。

 よし、もう一押しだな。



「何を疑っているのかわかんないけど、私達今週末もデートする予定だし。

 そりゃもうラブラブだからね」



 うん。実際のところまだ正式に付き合ってもないし、ラブラブって言い切れるほどラブラブじゃないし。ていうかラブラブってどんな感じのことを言うんだろうか?恋愛経験がなさすぎてそれすらわから無いんだけど…

 うわ、言ってて悲しくなってきたなー

 だけどここは事実を誇張してでも言った者勝ちだよね。



 そう言うとようやく納得したのか、



「ふーん。そっか。じゃあ僕たちの勘違いだったわけだ。

 変なこと聞いてごめんね」


「てっきり違うと思ってたんだけどな。

 悪いな」


 と謝ってきた。感情は全然こもってないけど。悪いとかちっとも思ってないよね!?そうだよね!?

 でも、随分素直だな。

 うん。まぁ、ちょっと気が晴れたし!圧からも解放されたし!良しとしよう。



「もういいよ。

 そういうことですので、私はもう失礼してもよろしいでしょうか?」



 急がねばご飯を食べる時間が無くなる!!私食べるのは早い方だから急げばまだ間に合うんだよね。




 その後、あっさり退室の許可が下りたので急いでデスクに戻りお弁当を食べ、なんとか午後の業務に遅れずに済んだ。








 だから知らなかったのだ、会議室に残った2人が



「舞の話、本当だと思う?」


「いや、俺はまだ信じてない」


「だよね。ちょっと調べる必要がありそうだね。ちょっと突けばボロ出すかと思ったんだけどな」



 などと話しているなんてこと…


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