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8.これは何かの面接ですか?

ブクマ、評価ありがとうございます。

励みになっております^ ^

 


  午前の仕事を終え、お昼ご飯を食べるべくコンビニにおにぎりを買いに行こうと席を立つと後ろには篤が立っていた。


「え!?いつからいたの!?

 びっくりした〜驚かせないでよね。

 忍者もびっくりの気配のなさだったんだけど」


  あんたいつから忍者に転職してたわけ?

  これが夜だったら完全なるホラーだったからね…

 後ろを向いたらそこには…

 キャーー!でたーー!!

  みたいな感じになってたからね。


「んなことどうでもいいんだよ。

 それより仕事終わったんならさっさと来い」


  そういうと私の腕をむんずと掴んで歩き出してしまった篤。


「ちょ、待ってよ!

 腕離して!あと歩くの早い!」


  足の長さの違いかな?足が追いつかないんだけど…完全にズルズル引きずられてる感じになってるんだけど…

  え、これどういう状況なの!?

  他の社員もこっち観てるんだけど…

  犬の散歩みたいになってる私を見ないで!

 と思ったけどみんなが見てるのは私というより篤だ。

  ほら、そこの新入社員。「安藤さんカッコいい」って言ってるのバッチリ聞こえてんぞ。

  そんなことしてる暇があるなら私を助けてくれ!!





  そうして連れてこられた先は会議室だった。

 扉を開けると明と菫もいた。


  え、何々?なんか招集かかってたっけ?

  お昼ご飯買って来いとか?そういう感じ?


  訳が分からず立ち尽くしていると


「ほら、そこの席座って。早く」


  明に言われた席に急いで座った。

  私と3人が向かい合って座っている構図だ。


  え、何?面接の練習か何かですか?


「あの、なぜ私はここにいるのでしょうか?」


  とりあえず聞くしかないよね。いくら考えてもなんも思い浮かばないもんね。


「心当たりがあるんじゃないの?」


  そう言ってこちらを微笑を浮かべて見てくる明。

  めちゃくちゃ怖い。

  ベビに睨まれたカエルになった気分だよ。もう、冷や汗ダラッダラですよ。


「無いです!何にも無いです!」


  本当に無いんだけど!怖いよ!


「無いわけないよね。じゃないと僕たちわざわざこんなことしないよ」


  まだまだ明には微笑みが浮かんでいる。

  こんなことしないとか言いつつ、どこそこの弁当買って来いとか言われたこと何度もあるんですけど!?

  まぁ、でもわざわざ会議室にまで呼ばれたことは無かったな…


「あの、もしかして私は何かやらかしてしまったのでしょうか?

 全然わからないので宜しければ教えてください。お願いします」


  初級勇者 舞は下手に出る作戦にでた!

  だって明から漂う雰囲気がラスボスそのものだからね…

  ほんと、怖いよーーー

  しかも菫と篤も神妙な面持ちだし…

  何やったんだ自分!


「はぁ、しょうがないな。

 教えてあげよう。

 今日僕たちが舞を読んだのはね…「舞ちゃんがホストにはまっているらしいって噂になってるんだよ!」


  明の言葉を菫が遮った。

  やばいね。菫めっちゃ勇気あるね。

  私ならラスボスモードの明の言葉を遮るなんてこと絶対出来ないんだけど…確実にヤられる未来しか見えないよね…


  てゆうか待って、


「ホスト…?」


  なんのことだ?今週に入ってからやけに人に見られるな〜とは思ってたけどまさかその噂のせいとか?

  てっきり3人関係で見られてるんだと思ってたんだけどな。

  私、ホストの方に知り合いはいないんだけど…?そもそもホストクラブに行ったこと無いけど。


「そうそう!会社終わりにすごくカッコいい、若くて私服姿の男の人が会社の前にいて、舞ちゃんと一緒にどっかに行くって噂だよ!」


  え、まてまてまて!

  それってさ


「ホストじゃ無いよ!悠真くんだよ!」


  週明け月曜から昨日の水曜まで毎日迎えに来てくれているのだ。

  悠真くんも忙しいだろうし、わざわざ迎えに来なくてもいいよって言ったけど「大丈夫だよ!俺が舞さんと一緒にいたいんだ…だめ?」としょんぼり言われてごらんよ。うなだれた耳と尻尾の幻覚が見えて来そうだったんだよ。

  それ断れないじゃん!


「あ〜!悠真くんか!

 そっか!そうだよね!安心した〜」


  菫は分かってくれたようだ。


「ちょっと待て、悠真ってあれだろ?お前が彼氏だって連れて来たやつだよな?」


「そのはずだよ。どう考えてもホストに間違えられるタイプには思えないんだけど?」


  しかし、2人は納得していない様子。


  それもそうだ。菫はイケメンに変身した悠真くんに映画の時に会っているが、2人はもっさりした悠真くんしか知らないもんね…

  あのもっさりがホストとは考えられないのも無理はない。


「違うんだよ〜悠真くんはね、実はとってもかっこよかったんだよ!2人と同じくらいかっこよかったよ!

 日曜に舞ちゃんと3人で映画見た時は別人みたいだったよ」


  菫がそういうと、2人ともどうなんだ?と私に視線をよこして来たのでコクコクと縦に首を振って


「そう!そうなんだよ!

 日曜にあった時にはもっさりさんから美丈夫に変わってたんだよ!」


  と全力肯定した。


「ふーん。そうなんだ」


  とりあえず信じてくれたようだ。

  良かった良かった!




  そろそろ午後の仕事に戻る頃になって、菫が「またね〜」といって部屋を出ていったので私もそれに便乗しようと思ったけれど、


「舞はもうちょっとここに居てくれる?」


  と引きとめられてしまった。

  私お腹空いてるんだけど!!


「え、でも仕事あるし、ここも誰か使うかも…「大丈夫だ、課長には話を通してあるしうちの親父の許可もとってある」


  篤にそう言われてしまっては反論する余地も残されて居なかった。実はこの会社は篤の家が経営している。言っておくけどコネ入社はしてない。ちゃんと就活したからね!

  篤父は社長をしている。よって篤父の許可が出ているのであれば、今までの経験上ここは2人の言うことを聞いておいた方が身のためである。



  立ちかけた椅子にもう一度座り直し、今度は2人と向かい合う。

  しかもなんかすごい目力で見られてるんですけど…

  なんだかさっきよりも部屋の温度が低くなってる気がするし…

  何?ここは魔王城かなにかなの?



「僕たち舞に聞きたいことがあるんだよね。

 ちゃんと正直に答えてね」


  とびきりの微笑みでそう言う明。しかしその目は1ミリも笑っていない。


「そうだ。俺たちに誤魔化しは効かないからな」


  篤も明と同じ表情をしている。

  怖い。怖い。怖いよーー!!

  ちょ、菫戻ってきて!そして私を助けてくれ〜!!


  圧がすごいんだけど!押しつぶされそうなんだが。

  魔王様2人を相手に、無事この部屋から出られる気がしない…

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