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7.ようはタイミングの問題

タイトルが全く思いつかないです。

ま、思いついたら変えればいいか〜

 


「よし、それじゃあ舞さんはゆっくりしててね!

 俺、今からお昼ご飯の作るからキッチン借りるよ」


「え、私本当に具合良くなってし動けるよ。

 私が作るからゆっくりしてて」


  キッチンに向かう悠真くんを追いかけようと立ち上がるが


「だめだよ。もしかしたらまた熱出ちゃうかもしれないし…

 今日は俺に任せて!舞さんの手料理は次の機会の楽しみにしてるから!

 ほら、布団ちゃんと着て寝てて!」


  そのままベッドに寝かされてしまった。


  しかし、昨日の昼過ぎから寝ていたせいでまったく眠くはなく起きることにした。

  スマホを見てみると菫からメッセージが来ていた。



 舞ちゃん!

 今日一緒に映画見に行こうよ〜



  どうやら菫が好きな漫画原作の恋愛物映画が上映されるらしい。

  あらすじを検索してみたけど、正直私はあまり興味がないからどう返信しようかと迷ってしまう。これ断ったら菫拗ねそうだしなぁ。

 それはそれで面倒だな…

  どうしようかと思っていると悠真くんがドアをノックして部屋に入ってきた。


「あれ?起きてたの?

 寝てないとダメでしょ〜」


 と、また布団に押し戻されそうになったので


「いや、本当に大丈夫!

 さっきも寝ようと思ったけど目もバッチリ覚めてるし!

 それより悠真くんはこの映画知ってる?菫が見たいって言ってきたんだよね」


「あー。それか、知ってるよ。

 テレビとかでも結構話題になってるよね。

 舞さんはそれ見たいの?」


「うーん。正直そんなに見たくないかなぁ」


「そっか。じゃあ断っちゃいなよ。

 無理する必要は無いよ」


  ごもっともである。

  そうだよね!ここはお断りしましょうかね!

 無理して見てもいいことないもんね…

  でもでも菫がみたいならきっとそれなりには面白いんだろうし、断るのは良心の呵責に苛まれそうなんだよね…


「それに、出かけるなら俺と一緒に出かけて欲しいな」


  !?

  ちょ、いきなり顔を近づけてられてそんなこと言われたら心臓に悪いのですが!?


「ちょっと顔が近すぎるかな〜はい、離れて離れて〜

 悠真くんもどっか行きたいの?

 ごめんね、せっかくの休みにわざわざうちに来てもらっちゃって…」


  ほんと、申し訳ないとしか言いようがないっす。


「んー。俺は舞さんがいればどこにいても良いんだけどね。

 今日だって俺が来たくて来てるだけだし!」


 悠真くん。なんか言葉の一つ一つが甘いよ。

 私の許容範囲はとうの昔に過ぎておるのだよ。


「じゃあこれからどっか行こうか!

 お昼過ぎちゃうし、あんまり遠くには行けないけど、どう?」






  あの後悠真くんが作ってくれた美味しいお昼を食べて、結局映画館に向かった。


「舞ちゃーん!こっちこっち!」


  待ち合わせ場所にはもう菫が着いていたようだ。


「ごめん!電車乗り間違えて遅れちゃった」


  待ち合わせ時間に間に合わないかも、と焦って反対のホームに飛び乗ってしまった…面目無いよ。


「もー。しょうがないなぁ〜

 舞ちゃんおっちょこちょいだなぁ」


  頬をぷくっとと膨らませてそういう菫はso cute!

  私がおんなじことしても篤に「お?どうした?おたふく風邪にでもなったか?」とか言ってきそう。

  うわ〜想像しただけでイラッとくるイラッとくる。あいつは私をイラつかせる才能があるようだね。


「菫さん、お待たせしてすみません」


  そう言って悠真くんも一緒に謝ってくれた。

 いや、悠真くんは謝る必要ないからね…だって完璧私のせいだから!

  電車乗る時、悠真くんは正しいホームに行こうとしてたのに無理矢理悠真くんの服の袖引っ張ってしまったからね…


「大丈夫だよ!

 早速映画館に行こうか!」


  好きな映画を観れるのがよほど楽しみなのかさっさと歩き出してしまった。菫のテンションは高い。

  …。いや、いつも割と高いな。



「私たちも行こうか。結局菫と3人で映画見ることになってごめんね…」


  どう考えてもおかしいよね?普通カップル(まぁ、私たちはお試し中だけど)のデートに幼馴染が付いてくるか?

  しかも一応初デートですよ?悠真くんはイケメンだしどうか知らないけど、私は人生における初だからね!?


「ううん。大丈夫だよ。

 俺は舞さんがいればどこでも何しても楽しいから!

 それに友達思いの舞さんは素敵だよ。

 だからそんなに気にしないで」


  そう言って笑ってくれる悠真くんの心の広さは太平洋並みだと思う。

  めっちゃ広いと思う。






 _____時は遡り数時間前。私の家。


「悠真くんはどこに行きたいとかある?」


「うーん。俺は舞さんと一緒ならどこに行っても良いからなぁ…

 ちょっと待って!今考える!」


  そういうと、あーでもないこうでもないと考え出した悠真くん。

  うん。そんなに真剣に考えてもらえてなんだか新鮮だな。あいつらなら菫の意見しか聞かないからなぁ…


 するとまた菫からメッセージが来ていた。



 舞ちゃん!今日来れるよね?今私△×ショッピングモールにいるよ!

 2時に〇〇駅前で待ち合わせだよ〜



 とのことである。

  あぁ、まだ断りの返事してなかったのに…

 これ完璧に行かなきゃいけない流れになってるよね…?

  ここで断り入れると、この事が菫から篤とか明の耳に入ってめんどくさい事になる気がする。今までの経験上そうなるよね。


 はぁ…


「あれ?舞さん、ため息ついてどうしたの?

 もしかして行きたいところ決めるの遅くて呆れちゃったとか!?

 待って、俺すぐ考えるから!」


  なにやら盛大に誤解しているらしい悠真くん。


「違う違う。悠真くんはなにも悪くないよ!

 むしろ私の方が悪いんだけど、今日やっぱり菫んとこ行かないといけなさそう…

 行けないって返事する前に連絡きてて、待ち合わせ場所と時間まで指定されちゃったんだよね…」


「え、、、あ、そうなんだ…」


  さっきまでの生き生きとした表情と打って変わり、しょんぼりしてしまった悠真くん。


「ごめんね…私がもうちょっと早く連絡してれば良かったんだけど…」


  一足遅かった…無念…


「ううん。大丈夫だよ!

 それなら俺も行く!!」


「え!?悠真くんも来るの?

 見る映画、さっき話した恋愛物だけど…」


  悠真くんあんまり興味無さげだったよね…


「んー。でも舞さんと見れるならなんだって楽しめると思う!」



  無理する必要ないよと言ってみたものの、絶対行くと言うので結局悠真くんも行くこととなったのだ。




 __________________________________________________________



「面白かった〜!」


  映画館を出るとあたりも少し暗くなり始めていた。


  菫はお目当ての映画を見ることができて満足したようだ。


  私的にも思っていたよりも楽しめた。ヒーロー役の俳優の演技が上手くてただの恋愛物にしては見応えがあったと思う。


「そうですね。俺も最後のシーンは感動しました」


  悠真くんもそれなりに楽しめたようで安心した。




「それじゃあ、今日は2人ともありがとう!またね〜」


「うん。また会社でね」


  そう言って菫と別れた後、悠真くんは私を家まで送って行ってくれた。



「悠真くん今日は付き合ってもらっちゃってごめんね…

 この埋め合わせは必ずするから!」


  重ね重ね申し訳なさと感謝しかないから!


「ほんと?

 そっか〜じゃあ来週末は俺とデートしてね!」


「え、そんなことでいいの?」


  なんかもっと他のことでも良いんだけどなぁ。


「うん!

 でも今度は2人でだよ!

 今日のは3人だったからノーカンね!

 初デートのプラン、俺頑張って考えて来るからね!」


  ほう、今日のはノーカンにしてくれるのか!

 じゃあ私の中でもノーカンということにしよう。

  だって人生初のデートが幼馴染同伴は流石にやだなぁって思うしね。


「わかった。楽しみにしてるね!」


「うん!任せて!

 それじゃあまたね!」



  そう言って悠真くんは帰っていった。



電車の乗り間違え、反対方向に列車が走り出した瞬間のやっちまった感はハンパないし慣れない路線だと冷や汗ダラダラになります。

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