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生理現象はしょうがないよね

ブックマークありがとうございます!予約をしてみました。うまく出来たらいいな。

ありさと優香は、定食屋近くのカフェに入り、先ほどの騒動を振り返っていた。


「宮沢くん、カッコ良かったねぇー。何気に強いし!あの姿みたら、ちょっと気になっちゃうよねー。」


「あの店員さんのこと、『絢香』って言ってたね。」

 

「そうだねー。あれが秋野絢香、間違いないね!」


(宮沢くんが呼び捨てにしていた女の子…気になる。)


「見た感じ、宮沢くんが秋野さんの定食屋でアルバイトしてるっぽいね。」

 

「うん。うちの高校、アルバイト禁止だよね?」

 

「あ!そうだったね!?うちらにバレたのは結構まずいことだよね。」

 

「だと思う。宮沢くんはなんでアルバイトしてるんだろう。」

 

考えれば考えるほど深みにはまりそうだ。佑都のことを知らない限り、真実にたどり着けそうにない。

 

「今度、宮沢くんに直接聞いてみたらいいと…あ、ダメだね。絶対話してくれないわ。」

 

優香は、自分の言葉を即否定した。

 

女子にいつも冷たい対応の佑都である。素直に教えてくれるはずがない。矛先は2人に向けられる。

絢香と幸人だ。

 

「学校に行ったら幸人くんに聞いてみるよ。」


ありさはターゲットを幸人に定めた。

そんな様子のありさに優香は微笑んでいた。

 

(あーちゃんは、宮沢くんが気になっているんだなぁ。本人は自覚してないっぽいけど。…ちょっとイタズラしちゃおう!)

 

「……ねぇ、あーちゃん。」

 

「どうしたの?」

 

「どうして宮沢くんにこだわっているの?」


「……なんでだろう?」

 

ありさは本気でわからない様子だ。自分が宮沢佑都にこだわる理由を自分に問いかける。


(あらあら、初々しい反応。気づくかなー。気づかないかなー。どっち!?)

 

ワクワクしながらありさの回答をまつ。

 

出てきた答えは

 

「……宮沢くんを言い負かす材料が欲しかったのかも。」

 

「はい?」

 

「宮沢くんっていつも飄々としてるわ。何ごとも無関心だし。いままでのやりとりで勝ったと自信を持って言えることはなかったわ。」


「それで、宮沢くんの弱味をついて、宮沢くんとの口論に勝ちたいと。そうゆうこと?」

 

「そうね!そうとしか考えられないわ!」


「あ、そうなんだ。」

(残念だよー。あーちゃん!不正解!)

 

「すっきりしたわ!ありがとう優香。」

 

うっとり見惚れてしまう笑顔を優香に向ける。その笑顔を見てしまった店内の男達は、釘付けになる。

 

(その笑顔を宮沢くんに見せたら、少しは反応違うと思うんだけどなー。あーちゃん、残念だよ。)


余談ではあるが、釘付けになった男達に同伴している彼女達は、彼らの目を潰していた。

 

「「「目がぁ!?目がぁーー!ああぁー!!」」」

 

どこかの大佐と同じセリフが、店内に響いていた。

 


店はすでに閉められていた。本来ならば、夕方の開店に向け仕込みをしないといけない時間だ。


シャワーを終えた佑都は、厨房で休んでいた。

 

すると、絢香は2人分のまかないを持ってきた。

 

対面式に座り、佑都と絢香は手を合わせ「いただきます。」をした。

 

「ゆーとぉ~!さっきはありがとぉ~!本当に助かったよぉ!」

 

絢香は、さきほどの騒動に対する感謝を述べた。


「……あの格好はもうやめてな。タコ頭みたいな奴が増えそうだから。」 


絢香は首をかしげ、頭の上に疑問マークが出す。

 

「いいかい絢香。お前は可愛い。店の為に服装を工夫して、リピーターを増やそうとしていることはわかっている。だけど、今日のはやり過ぎ。ピンクのブラが透けて見えてたよ。」


絢香は顔が赤くなっていくのを感じる。

 

(えぇ!?ゆーとぉに『可愛い』って言われたぁ!『可愛い』って!『可愛い』?わたしは可愛いぃ~!!ゆーとぉから見てわたしは可愛いぃ~!!ぐふふふ。やったぁ~!!)

 

(この反応はなんだろう?顔が赤くなったと思ったらにやけているんだけど…。伝わってるのか微妙だな。)

 

絢香が服装に気をつかう理由は2つ。

 

1.看板娘として、リピーターを増やしたいから

 

2.佑都に『絢香』という女子を意識してもらうため


佑都にとって絢香は、素をだせる存在。言い方を変えれば、楽な存在なのだ。そこには『友情』も『愛情』もなく、惰性の関係としか思っていない。


佑都はこの厄介な身体と付き合える女子はいないと思っているし、付き合わせる気もなかった。


「とりあえず、僕は今日もうあがるから。お疲れ様。」

 

トリップしている絢香に置いて荷物を持ち、厨房を抜けて、裏口までの廊下途中にあるドアの前で佑都はとまる。

 

「……店長、今度は厨房に入る前にトイレに行っておいてください。お疲れ様です。」

 

「……すまん。」

 

またトイレに引きこもっている雄三氏に別れを告げて、佑都は帰路につくのだった。

 


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