運命に抗うモノ41
するとゲンゾウさんが懐から風車を出すとスキルを使い強烈な風をふき当てる
すると徐々に帆立が開き始める
ゲンゾウ
「他のもんも風魔法が使えたらふき当ててくれ」
ウィズ
「私が!エターナルウィンド!」
ウィズさんも風魔法を展開すると帆立が耐えきれずパァカと口を開けた
すると一冊の本が出てきた
アクア
「なんか真っ黒な本ですけど触っても大丈夫なんでしょうか?」
「ウィズさん念のために回復魔法と解呪魔法を準備してください、ちょっと触ってみます」
ウィズ
「わかったわ」
恐る恐る本に触れるが特にギミックがあるわけでなく普通の本だったので読んでみると
そこには
氷の大地に生まれた妖精が隣人の町の人々と交流し育んできた楽しい日々と祀り上げられその過程で進化してその力を使い恩恵を与えて来た
だが、遠き地から来たという人々により町は変わってしまい人々は私の事を忘れて行った
そして、私はどんどん孤独になり力を失って行った
そんなときある男が現れた、そして彼は創造主だと言いこの世界に抗う力を授けると言われた……その時その言葉の真意はわからないが誰でも良かった自分に寄り添ってくれる人が、私を必要としてくれる人が居ればこの孤独から解放させてくれるなら……
それ以降は引きちぎれていて読むことは出来なかった。
ただ最後のページに
私は悪くない
そんな文字が掠れて見えていた
ゲンゾウ
「隠れ里の連中が伝えきれなかった習わしが生んだ悲しき災いといったところか」
そう言いながら釣りをするゲンゾウさん
アクア
「可愛そうです……」
ウィズ
「これじゃどっちが悪者か」
ゲンゾウ
「そうとも言い切れん、隠れ里の連中も生きる為にあの道を選んだ強いていうなら利己主義と儒家思想の違いかの」
「難しいことはよくわからないですけど……」
ゲンゾウ
「まあ、過酷なとこで生きるということはそういう選択が必要とされる場合がある、だが遺恨は争いを生むからお前たちは義理を忘れる出ないぞ」
しばらく沈黙が続いた……
ヨッジー
「俺には難しいことはわからないが、今できることはその本の書き手のあの精霊かなんだかわからないけどそいつに逢って話すしかないだろ」
ヨッジーは海を見たまま黙々と釣りをしている
アクア
「そうですね、それにしても創造主というのは多分……」
「ああ、間違いなくアイツだろう」
アネゴ
「休憩は終わりだ、海に出てとっとクジラを釣り上げようぜ」
「そうですね」
ともかく現状どんなに考えたとこで何かかが好転するわけでもない、俺たちはやるべきことをやってそして直に対面して結論を出そうということになった。