夜襲4 改
「アネ…!ゴホ」
顔に水の膜を張られて声がでない
アネゴ
「静かにしなさい、見つかりたいの?」
俺は首を横に振ると水の膜が消えた。
アネゴ
「とりあえずココは危険よ、離れましょう」
俺達はアネゴの後をついて少し離れた空き部屋へ移動した。
「アネゴさっきの二人の会話は一体?」
アネゴ
「聞いてしまったのね…」
なぜか元気のない声のアネゴ…
「ええ…正義側のトップ妹さんがボスと関わりあるとか…契約だとか」
アネゴ
「そこまで聞いてしまっているのなら、全て話した方が良さそうね」
そういうとアネゴは俺達の前に来て…
アネゴ
「あれは私がこの町に食材として運ばれたとき助けてくれたのが、正義側のトップの妹 ヴェリテだったの」
「そうだったんですか」
最初食材だったのね、アネゴ…
アネゴ
「ええ、私が活け作りにされそうになっているとき」
刺身ですか!この世界刺身あるんですか!
「そ、そんなことが」
アネゴ
「彼女が可哀そうといって助けてくれてお水の中に入れてくれたのはよかったのだけど…真水で…」
なんと!
アネゴ
「苦しかったけど、彼女の優しさに答える為に一生懸命生きようとしたら進化できて今の状態になったの」
根性だけで超えられるレベルなのだろうか…
アネゴ
「それからいろんなとこに行ったりしたの、あの子正義感が強いけどドジでね~彼女を守らなきゃとおもっていろいろ訓練したのよ、言葉もその時覚えたわ」
それであの強さですか…
アネゴ
「でも、そんな幸せは長く続かなかったの…彼の兄が己の野心の為に悪魔の契約をした為に…」
「悪魔の契約?」
アネゴ
「ええ、あるダンジョンで発掘された鎧がギルドに運ばれてきたところか問題が起こったの、彼女の兄はそのころは1つの街の正義官だったの」
「正義官?」
なんだろうダジャレ?
アネゴ
「正義官はその町のポイントの管理、統治を行うの」
「ふむ」
警察みたいなものかな?
アネゴ
「そして発掘された鎧を調べるうちにその鎧がカオスシリーズだということに気づいた」
「カオスシリーズ?」
アネゴ
「それぞれによって対価は違うけど、その対価を払うことにより強力な力、富などを与えるアイテム、装備のことよ」
「じゃ、あの鎧は…」
アネゴ
「ええ、あの鎧の対価は彼の妹よ…」
「…」
アネゴ
「彼はそんなことをする人ではなかった…正義に溢れた人だったのに」
「彼もまた操られている?」
アネゴ
「可能性は否定出来ないけど…」
「…」
アネゴ
「それから彼女は悪の依代になってしまい自分を失った…その後鎧は現体制に疑問を持つ者や、元々悪人だったものを率いて兄率いる正義達が戦うことを繰り返した」
「それで功績を上げ出世したのか」
アネゴ
「ええ、そして体制をより厳しくしてこの有様よ、街はギスギスしていくし人々は正義の意味すら考えずただポイント稼ぎを続けているの」
「…」
アネゴ
「あの娘も消えてしまった…」
あれ?
「あのー、中にいる娘ならこの前会いましたよ?」
アネゴ
「え?ちょっと詳しく聞かせて!」