35運命に抗うモノ
宇佐吉
「じゃあ、誰が運転するんだ?」
アクア
「それはもちろん」
一同
「だめ!」
アクア
「ええ~」
「一番安全なのわ~」
アネゴ
「海と言えば私ね!!」
そういって意気揚々とハンドルに触れる
「いや!いくらなんで魚が運転するなんてシュールだし手が届かないでしょ」
するとアネゴが操舵に飛びつくと
サポート
「適正化……潜在適正チェック…」
アネゴの身体が*レディーコマンダー改を使用した時の人型形態へと変わっていく、
衣装はいつもとちがい荒々しい感じで頭に手ぬぐい白い黒い作業着を上半身は着ずに腕の部分を腰に巻き上半身は白いTシャツといった仕様
*自身の感情を最大限に爆発させることにより数段先の進化し、その姿は敵味方問わず魅了するスキル
アネゴ
「野郎ども何ボサッとしてるんだい出向だよ!乗りな」
女海賊船長ばりの迫力そして威勢のいい声が響く
ヨッジー
「またこれか……」
宇佐吉
「頑張れよ~魚と気持ちを合わせて釣れよ」
アネゴ
「野郎ども帆を上げろ!出向だ」
サポート
「いえエンジンでの対応となります」
アネゴ
「しらけさせんじゃないよ!」
いや照れ隠しにキレてんじゃないよとツッコみたいが怖いので黙っておく……
サポート
「漁開始……システム起動…魚群探知機、熱源探査展開」
アネゴ
「あっちの方が怪しい気がする、魚の気持ちになれってさっき言ってたからな……私ならこの方角だ」
いや、あんたもともと魚だろう?
サポート
「魚群探知……ベストエリアです」
アネゴ
「ここだ!私の勘がそう言ってる」
「いや、今サポートがここだっていったでしょ」
アネゴ
「なんだい!文句あるのかい?海のモクズになるかい?」
「いやです!」
ヨッジー
「よっしゃ!じゃさっそく釣るぜ」
ヨッジーが釣竿を握り海に向かって針を投げ入れる
アネゴ
「他のみんなはヤシの木を探しな!サポート望遠鏡を出しな」
そういうとアネゴの横に双眼鏡が数個、船の先端や左右に望遠鏡がいくつか出現した、
そこからは猛烈に地味な作業だったひたすら海を眺めて浮いてるヤシの木を探すというおよそ最新のVRMMOとは思えない退屈なゲーム……
ヨッジー
「くっそ!」
そして思ったように魚が釣れない、
ヨッジー
「引く力がよくないのか?」
すると
ゲンゾウ
「どれ貸して見なさい」
ゲンゾウさんがゆらりと巨匠の雰囲気を出しながら釣竿を握る
ゲンゾウ
「キタ!」
ゲンゾウさんが竿を引く!
何も無い……
ゲンゾウ
「ぐぬぬぬ!クリス」
クリスさんが絵から出てくると
ゲンゾウ
「儂にバフを!さらに!道具潜在能力解放!」
ヨッジー
「あ!ずるい!」
ゲンゾウ
「つりゃあいいんじゃ!!
大人気ない……だが釣れた…