26 運命に抗うモノ
ボオオオオオン
凄い音で爆走していく車景色が飛ぶように変わって行く
「アクアさん落ち着いて」
アクア
「私は冷静だよ、このくらいなんともない」
「……」
アクア
「それよりあとどれくらいので次のエリアなの」
サポート
「……この速度から推測するにあと180秒ほどで赤のエリアに差し掛かります」
アクア
「OK」
ガチャという音がしてギアを一段階上げると後ろのバーニアらしきものがシューーンという音を立てて回転数をあげていく
「絶対人とかモノに当てないでね」
アクア
「誰に言ってるんだ」
「すみません」
暫くすると目の前に関所のようなものがありその先が赤く色づいてるのがわかる
サポート
「この車体については関所等の手続は不要です、そのまま通ることが可能です」
「なら止まる必要は無いな」
目の前の関所には2体の雪だるまのような門番がいるがこちらに気づいてあわてて回避しようとノソノソと左右に逃げようとしている
「アクアさんあそこに門番の人が危ないよ」
アクア
「問題ない」
そういうと何やらハンドルについているボタンを押す
サポート
「レフトアンダーブースト着火、オートバランス作動」
左側の車体が持ち上がったような感覚がしたとおもったらそのまま車体の持ち上がり右タイヤだけで走る曲芸みたいな状態に!当然俺たちの場所も傾く
「ぬおおお!」
ウィズ
「ダインさんそのまま来たら!?イヤ」
ゴフ!!!
「そこまで嫌な……ぐは」
ウィズ
「いや、違うんですイヤとかじゃなくて恥ずかしいというかあのまま言ったらほら!ハグみたいになちゃって事故にっていうか、これも事故ですけど」
俺のみぞおちにウィズさんの足の裏がめり込む!HPが瀕死ゾーンまで下がったんじゃないかくらいの衝撃
その横でアネゴは顔にもピーを貼りつけて蠢く像に、ヨッジーはゲンゾウさんの尻にひかれていた。
アクア
「盛り上がってるね」
こやつ!日頃の恨みでも晴らしてるのかと思うくらい豪快に笑う
ドン
サポート
「正常姿勢に復帰」
アクア
「全体が赤い」
外を見ると夕焼けのような景色の中に真っ赤な紅葉と赤とんぼ?が飛んでいる
そして俺の口からも血がツーっと
ウィズ
「ごめんなさい!すぐ回復を」
「ふ……大丈夫、ウィズさんの気持ちはわかったグスン」
ウィズ
「いじめないでください~あのままハグしてもよかったんですか」
「どんとこい!」
ウィズ
「セクハラ行為で通報しますよ」
「すみません」
ヨッジー
「ふ、お前にラッキーラブコメはないな」
ウィズ
「パラライズ!」
ヨッジー
「ウィズさん体が動かないんですが」
ウィズ
「反省してください!」
そんなやり取りをしていると
サポート
「まもなく赤の村です、情報のアップデートを推奨します」
アクア
「了解、飛ばすぜ」