7 運命に抗うモノ
その後、アクアさんからの会社側への要請は……
・ゲームで暮らす人々の人権
・意識操作の禁止
・NPCの横暴などへの厳罰化
・世界へ意図的な災害などの介入不可
・そして世界の永久維持
・ここがゲームの世界だということを世界に公表しないこと
暮らす人からすれば当然の権利ではある、しかし世界への介入についてはゲームのアップデートやイベントを行う上でどうしても避けられない、ゲームが盛り上がらなければゲームを維持することができず、最後の要請の永久維持は出来ない。
イワミー
「言いたいことはわかるわ……」
さすがにイワミーさんも歯切れが悪い、これを飲むとなるとなにも変化のないただの世界になってしまう。
そんなゲームが維持できるのか、会社としての売り上げ維持が出来るのか、
ビジネスとして成り立たなければ企業としては存続できない。
これだけ高度なAIならば他に転用もできないかと考えたがそこは最後の世界がゲームの上に成り立っていることを認めた上での行為になるので不可であると伴にAIとして処理出来ず暴走しかねない……さらにこのシステム自体がまだ自分たちが解明できてない面も多く前任者があのマスターのようなトラップをどのような形で仕掛けているのかなど様々なことがあり頭を抱えてしまう。
アクア
「決断頂けませんか」
張りつめた空気が辺りを支配していく中で
ゲンゾウ
「難しい問題じゃな」
「ええ」
ウィズ
「みんな生きてるのだからそれを弄ばれるのは……」
ゲンゾウ
「たしかにそうじゃが、例えばレベル上げで戦ってるモンスターはまだあれだが野党やイベントで戦う人型の敵などにもそれが当てはまるなら…いや、違うかそもそも命とはなにかゲームだから許されていたことだがそれ自体が犯罪的なことなのかまで踏み込んだ話じゃ」
ウィズ
「……」
ヨッジー
「難しいな~敵とかイベントとかもなくてただ同じ世界なら他のゲームにみんな移るしな~」
「このゲームはリアルさが売りだからすぐには過疎化はないと思うが永遠となると」
みんな頭を抱えてしまう。
仮想世界が世界へと変わるそれが何を意味するのか……
イワミー
「……私一人で結論は出せない、少し時間をもらえないかしら」
アクア
「わかりました」
答えは出なかった、というより出せなかった……それほど重い問題なのだから
イワミーさんは後日改めて話の場を設けるということでログアウトした……
そしてその後、彼女がインすることは無かった……