330 終わりの始まり
右!
いや左です!!
次来てるわ!正面から
「こっちで次があっちで!」
船内はもう指示と魔法でごった返している、なにせ一発でも当たればマグマの海の中しかも進めば進むほど俺たちを拒絶するかの如く川を流れて来るバラの数が増えて行く。
アネゴ
「というか闇雲に川を遡っているけどこっちであってるの?」
「わかりません!だけど今更引き返せないです」
ヨッジー
「まあ、そんなこと考えてる余裕もなかったしな」
ゲンゾウ
「とは言え、一体どこまで続くじゃ……この船を維持できるのもあと数分じゃぞ?」
一同
「え?」
ゲンゾウ
「じゃから、スキルの効果時間があと数分って」
ウィズ
「ゲンゾウさん!そういう重要なことは先に言ってください」
ヨッジー
「どうすんだこれ!」
「とりあえず、落ち着け!なにか手が!」
アネゴ
「なにか!飛び移れそうなとこはないかしら」
辺りを見回すしてもマグマの川があるだけ……ん?
川の上流に洞窟のようなものが見えた。
「あそこに洞窟がある!」
ヨッジー
「え!?どこ……あああああ!アレか」
ウィズ
「急いであそこに!向かいましょう」
ゲンゾウ
「よし!フルパワーでいくから飛び移れ」
残っていた風魔法のアイテムを全部使って洞窟へ向かって急速スピードで突っ込む
ゲンゾウ
「今じゃ!飛び移れ」
全員で船から飛び出て洞窟へとまるでボールでも投げ入れるような乱暴なスピードで入って行く……
バン!と地面に叩き付けられたような感じだけがして痛む体をさすりながら周りをみまわそうとするが真っ暗で何も見えない。
「あいたた、みんな大丈夫か」
……
「おい、みんな?」
声をかけても声が返ってこない、唯一返ってきたのは
もふもピ
というもピーの声だけだった。
「はぐれたか?」
灯りをつけようにも手もが見えず、アイテム欄を出そうとしても反応が無い
「一体ココはどこだ?」
そう考えていると遠くに一つの光が見えていることに気づき手探りに暗闇を歩いていくと急に眩しい光が俺を包んでいく、あまりの眩しさに目をつむり暫くして目を開けるとそこにはどこだかはわからないがそこはゲームではなくてリアルの町のどこかのビルの屋上だった。
「ココは?」
???
「あなたの世界です……」
聞き覚えがある声だった
???
「正確にはあなたの世界の一部を再現したものですけど」
「アクアさん?」
そこには青の基調だった鎧が全部赤色に反転しており、籠手の部分が龍のような意趣へと変わっており、目の部分には赤いバイザーのようなものがあった。
アクア
「そうです、あなたのゲーム上の手駒だったアクアです」
その一言はどこか冷たい刃のような一言だった。