292 終わりの始まり
キル
「ダイン…いやそっちは準備良いか」
赤き獣
「ああ」
お互いの目ですべてを悟ったかのように同時に動き技を放つ……
合技
<紅蓮燈> くれないれんひ
そこには通り過ぎた道に赤い線が残像のように交差したエフェクトが残っている
赤き獣
「せめてこの手、この技で……眠れバカ息子」
目をつむりそれは祈りか悲しみかわからないが、目をつむり振り返ることもなく
ただ前を向き佇む、
キル
「バカ野郎が」
キルも同じく反対側で前を向いて後ろを振り返らず
同時に言葉を発する
「滅」
すると赤い線に沿って岩がずれ落ち、そして崩れて行く。
スレイン
「見事、未来を頼む……そして儂の最後の力で」
崩される岩の中で微かな光が見えたかのように思えた、
ポルカ
「いやーーーーー!」
それを見たポルカが叫び声をあげる……
そしてフラフラしながらではあるが今できる全力でかけよる
GM
「まだそこは空間が安定してないから危険で」
するとGMに向かってゲンゾウさんが
ゲンゾウ
「お前は空気が読めんのか」
GM
「……といわれましても」
触れば砂になってしまう岩の塊をかき分けてせめて父の亡骸をと思っているのだろうか件名に面影を探す。
キル
「……」
何も言わずそっとキルが近づいたとき
ポルカ
「え?どういうこと」
かき分けた砂の中に微かに光るものがあり、そこには小さな赤子がまるで守られるように光に包まれている。
それにポルカが触れると光は弾け飛び赤子突然泣き出した。
ヨッジー
「これは」
ウィズ
「どういうことですか?」
ゲンゾウ
「お主のスキルでポルカの両親に話を聞けんか?」
「それがさっきから探してるんだが見当たらなくて」
キル
「ふんっ、どうせ気恥ずかしさで出てこれんだけだろ」
ポルカ
「違う、この子は生まれ変わり二人の魂がこの子に」
そういうとぎゅっと子供を抱きしめる。
赤き獣の霊
<間違いなくその子からアイツの気配を感じる、まったく子供からやり直しとは……まあ、生きているのはありがたい>
「どうやら赤き獣さんもその子が生まれ変わりだって言ってるから間違いないようだ」
みんなに説明するとみんな一概に少し報われた顔をしていたが……
ポルカ
「私この子の母親になる!」
そう宣言したあと……衝撃の一言を放つ
ポルカ
「頑張ろうね!お父さん!」
キル
「は!?」
文字通り時が止まった、そして固まった。
その沈黙はきっと一瞬だったんだろうが物凄い長い時間虚無という思考停止の中に閉じ込められたような気分であった。
ポルカ
「ね?」
赤き獣の霊
「ほ~まあキルだったら安心して任せられるな」
「えっと赤き獣さんがキルになら安心して団員を任せられると言ってますが」
キル
「はああ!?」
あ、また固まった。
ポルカ
「やった!晴れて公認だね」
キル
「ふ!ふざけるな」
すると手下たちが
え!?結婚
よ!キルパパ
先行きすぎですよ頭
などとはやし立てる。
キル
「俺は認めねええええええ!」
今日1の大声を張り上げるキルの主張は悲しく木霊した。




