291 終わりの始まり
どこまでも黒くブラックホールのような顔の無い顔から声だけが不気味に聞こえる、
GM
「不正プログラム及びデータ破損に伴う違法行為によりデータをデリートします」
……
GM
「エラー…再度トライ……エラー!?なんだこいつ」
今まで業務的な言葉からやけに人間地味た声に途中から変わった、
GM
「空間のプログラム固定にもエラー発生、なんだとどんなプログラムで動いてるんだ」
まるで誰かに話してるような一人でブツブツとしゃべっている、そして
GM
「そこの君 危ないから早速そこから彼女をどかしなさい」
急いでポルカをどかすように指示する
キル
「急に現れて命令するな」
そういって素早くポルカを強引に移動させる
ポルカ
「やめて、あそこに」
キル
「うっせえ!少しは冷静になれガキ」
ポルカ
「……まだ子供だもん、だから」
キル
「どうにかなることと、ならないことがあるんだ」
すると固定されていた岩がその拘束を解き放つように再び動き出し、今度は触手のような先を何本も増やしてこちらを狙おうと蠢き出す。
GM
「もう一度固定をしろ!……エラー無理です……我々のプログラムを超えているのか」
GMは何か慌てるように自問自答している。
ヨッジー
「おっさん!なんとかできないか」
GM
「おっさんではない!GMだ、今やってる最中だ」
ヨッジー
「そんな余裕はないぜ」
迫りくる触手に
GM
「こうなったら一斉ログアウトで」
キル
「あれを放置する気か」
GM
「現段階で対応策が無い以上……」
すると
スレイン
「あれは儂がなんとか抑える……そして完全に止めるにはあやつの関連する先ほどの一撃を2倍以上の威力で放てるか?」
そういってキルの方を見る
キル
「信用できないね、抑えるとみせかけてこちらを」
スレイン
「そんなことはせん!この世界を壊すことなどあの方も望んでない、そして儂個人として今を生きる者たちに迷惑をかけるわけにはいかん」
キル
「良いだろうと言いたいがこの傷とまだ慣れない技で200%以上は保証しかねるが」
「俺もいるぜ、それに赤き獣もまだココにいるようだ、二人分なら余裕で200%は超えるだろ」
ようやく治療が終えて立ち上がることができた
キル
「そんなフラフラで何ができる」
「お互い様だろ」
スレイン
「どうやら算段は立ったようじゃ、山の息吹!」
スレインから優しい風が吹き俺たちを包むとHP、MPともにほぼ全開まで回復する、
スレイン
「土の加護!」
続いて砂煙が体を覆いなにごとかとびっくりしたが、どこにも支障はなく寧ろステータスを確認したとこと各種バフがついている。
スレイン
「それで少しの足しにはなるじゃろ、良いか儂がいまからあいつに飛び込み中から抑える、そしたら儂ごとあやつを粉砕しろ」
ウィズ
「え!そんな」
スレイン
「儂は敵じゃ、そんな目で見ずとも好い……不本意な生き方に終止符をうち未来へと繋げるならば本望……いくぞ!」




