259 終わりの始まり40
バルバロイ
「ふおおおおおお」
空で大の字になりそのまま光を喰らい続けてやがて風を失った凧のように地面へと落ちて行った。
慌ててバルバロイさんに駆け寄り声を掛ける。
「バルバロイさん、今回復のクスリを」
急いで薬を取り出そうとするとその手をバルバロイさんが力無い手で制す。
最初はまだ支配から抜けれてないので回復はまだ早いという意味だと思っていたが、
バルバロイ
「聞け」
俺がしゃべりかけようとすることを許さない気迫のこもった目と小さい声
バルバロイ
「お前に嘘をついたこと謝らないといけない」
「え?」
バルバロイ
「洗脳されていたというのは嘘だ、俺の怒りを止めて欲しかったこのまま怒りのままなにもかも破壊し続ける衝動を」
「意味が分からないよ」
バルバロイ
「いいか、俺が死んでも気にするな!俺が望んだことだ…それこそ敵のデータが消えたと思え」
「今回復を」
バルバロイ
「止めろ!……お前に不快な思いをさせるつもりはない、もうじきお前でなく別のものに俺は消される」
「え?」
バルバロイ
「お前の言う通り、作られたものであろうとその世界で足掻くことが出来れば自分の思う日々を送れる」
「だから、これから一緒に前見たい」
バルバロイ
「黙って聞け」
「……」
バルバロイ
「俺は最後に幸せを知りそして自分を止めることが出来たが、奴は違う」
「奴?」
バルバロイ
「いいか!ここで作られた命が足掻きそしてお前たちに反旗を翻すものが」
そこまでいうと突如バルバロイさんが目を見開き俺を全力で投げ飛ばした、
そして、投げる前に
バルバロイ
「お前の世界を護れ!脅威はすぐそこに」
次の瞬間不可侵のはずのフィールドを突き破り光の柱のようなものがバルバロイさんを貫いた。
「バルバロイさん!!!!!!」
光の中で消えゆくバルバロイさんが途切れながら
バルバロイ
「君に幸あらんことを、決して負に屈するな」
光がきえるとそこにはバルバロイさんの鎧のかけらが無数に残っている以外、
何もなくなっていたまるで存在すらしてなかったように綺麗に……
そして、時は遡り俺とバルバロイさんが戦う同時刻もう一つの戦いが始まっていた……




