230 終わりの始まり11
Eさん
「ここは地上から陥没した木がそのまま生きているんだ」
頭上を見るとぽっかりと空が丸くまるで窓のように空いていた。
Eさん
「とりあえず上がってくれ」
そういうと木にぶら下がっている縄梯子を登っていく、
ゲンゾウ
「ふむ、頑丈そうではあるが一人づつ行った方がよさげだな」
そういって縄を触りながらEさんが登り終えるとゲンゾウさん、ヨッジーといった順に昇っていく、
ウィズ
「お先にどうぞ」
「わかってますって」
なんだろうウィズさんの中で変なキャラが付けされてないか若干心配になりつつ縄梯子を昇っていくとそこにはまるでプレハブのような小さな板張りの小屋があり、中には最低限の家具と小道具制作用の工具、囲炉裏があった。
Eさん
「狭いとこだが囲炉裏の周りに座ってくれ」
そう言うと炭に火をつけて鉄製のポッドに水を汲んで火にかけ腰を下ろした。
Eさん
「さてどこから話したものか……」
そう言って俺たちが去った後の町の様子から話し始めた、
あの後、正義ポイントは廃止されそして悪の組織も解散して町は普通の町へと移行していったが問題が発生していたそれは今まで現金収入ではなくて正義ポイントで生計を立てていた者たちが職にあふれ困窮していたこと、また悪の組織の人間たちも偏見等により困窮してしまった、そして結果として権力は金の持っているもの集中し一旦は落ち着いたようにみえたが、今度は賄賂や不正、貧富の格差が酷くなっていった。
「それが現状で?」
Eさん
「お前は前からせっかち過ぎだ、まだ話は終わっていない」
一同
うんうん
「すみません」
その後、暫くはその状態が続いたがここ最近になり突然インジャスティスが
「なるほど、あの人が」
Eさん
「ごっほん」
一同
じーー
「すみません」
その後、インジャスティスが連れてきたある女性があの『水の理論』という話を演説しそして、不正を行う連中を片っ端から倒して行ったんだ。
ウィズ
「水の理論?」
Eさん
「水はどんな状況においても平を描く歪んだ線を描くモノを許さない」
ゲンゾウ
「ふむ」
そして、その女性は国民に正義ポイントに代わり世の中の不正を裁く法とそれを瞬時に判断できる武器 水の銃を国民に配ったんだ。
「さっき住民が撃ってきたアレか」
その銃に撃たれると水に捕らわれて軽度なら罰金を水の中で没収されて解放されるが、重罪ならそのままどこかに送還されてしまう、
ウィズ
「簡易裁判みたいなものかしら」
さらに、その銃で犯罪を裁いたものにはポイントが加算される、それはまるであの正義ポイントの様なモノだという。
「う~ん、話を聞いてる限り平和になったのでは?」
Eさん
「お互いがお互いを監視して、ちょっとしたことですら裁かれることが平和なのか……世の中グレーって色もあるんだぜ」




