190.忘却の姫 ミキシングミッション 籠の鳥65
再度ログインしてみると状況はかわらなかった、
空に海がある町と未来都市の継ぎ接ぎの世界
とりあえず黒い塊も変化もない為、放置して辺りの散策を開始した。
特にお化け屋敷のような怖い様な建物でもないのに、薄暗いっていうだけで
こんなにも不気味なものなんだろうか、まあ良く考えれば夜の学校みたいなモノかと自分で納得しつつ近くにあったお土産屋さんのような建物に入ってみる。
「ごめん下さい」
返事など返ってくるはずもないが思わず声をかけてしまう、
お店の中を見ても特に変わった様子はないが
銘菓1万石まんじゅう
HP50%回復
満腹度50%回復
アイテムが無造作に置かれていた、
丁度 満腹度も減ってきたことだし1つ頂こうかなと手に取った瞬間
ヴェール
「なんかヤバそうよ」
「大丈夫だよ、ゲームだから賞味期限も無いし」
ヴェール
「そうじゃなくてアレ!あそこ」
「へ?」
指さした先には赤い二つ光、それは良く見ると目のようにも見える……
そしてゆっくりとこちらにやってくる。
「モンスターか?」
ヴェール
「来るわよ!」
……現れたのはおばあちゃんだった。
割烹着を着た気の優しそうな顔だが目が赤く光ってる。
「えっとおばあちゃん話通じますか?」
ヴェール
「どうみてもダメでしょ」
「ですよね」
後ずさりしようとすると手にお土産用の木刀を持って襲い掛かってきた!
「こえーーー!」
ヴェール
「ビビってないで逃げるか戦うかしなさい!」
しょうがなく盾と手槍を構えて臨戦態勢に入るが……
「おばあちゃんを殴るのはちょっと……」
ヴェール
「あれはおばあちゃんじゃないわよ!どこの世界に目赤く光らせて襲ってくるおばあちゃんがいるのよ」
「それは……」
ヴェール
「来たわよ!」
「ごめん!おばあちゃん」
叩こうとする急にエラーメッセージが!
『イベントNPCへの暴力行為は禁止されております、
もし攻撃を実行した場合、運営からのペナルティーがあります』
「えええええ!」
ヴェール
「どうしたのよ!」
「なんか攻撃出来ないみたい!」
ヴェール
「なんでよ!ああああ!もうそれじゃあ逃げなさいよ」
「了解!」
慌て店を出て来た道を走って戻るが、
ありえない速さでおばあちゃんが迫ってくる
それはもう恐怖でしかない!
そんじょそこらのお化け屋敷よりも怖い!!
もう怖さも相まって全力で走ると
ヴェール
「前みなさい!前!」
「え?」
そこにはあの黒い塊が!
「飛び越える!」
全力で飛んだ!いけた!とおもった……が
ドン!!
足が引っ掛かった!!!!!!!
そして塊と一緒に倒れてしまった!
「足が……」
痛みに耐えながら目を開けると目の前には黒い塊!
そして……
ピキピキ
え?




