エピローグ
壊れた船が漂着したのはパンさん達のアジトの島だった。
最後の力を振り絞りなんとかこの島までたどり着いた。
辺りは暗く綺麗に星と月が光っている、そんな中ボロボロの俺達は船のドアを蹴破り
地上へと帰還した。
アクア
「YUTAKAさんは大丈夫でしょうか」
アネゴ
「信じるしかないわ」
ゲンゾウ
「うむ」
イワミー
「……」
YUKITO
「あいつが言ったんだ二度は死なないと」
静かな浜辺をみんな無言で歩きながら
嫌な妄想を踏み消してかのように
砂の音だけが聞こえている。
ジャムさんになんて報告すべきだろうか、
とりあえず怪物は退治したので海を荒らすような事態は鎮圧されたが
YUTAKAさんが復活し、そして行方不明ということをどう説明したら良いモノか、
そんな風に考えていると建物の前まであっという間に辿り着いてしまった。
ウィズ
「とりあえず中に入りましょう」
ゲンゾウ
「立ち止まっても何も進まん」
「ですね」
中に入ると……
D：YUTAKA
「ちゃお！」
えええええ！！！
ジャムさん
「おお、お帰り 見てくれYUTAKAが帰って来たんだ」
D:YUTAKA
「チッチチチ 違うぜ 俺はD：YUTAKAだ」
「無事だったんですね」
D:YUTAKA
「ああ、逃がしちまったがな…すまねえ」
「ジョニーさんは……」
D:YUTAKA
「連れて行かれちまった…だが奴が向かったのはフェアザーリオンの方角だ」
「フェザーリオンか……」
ダーニャの居る国か…いやな予感がするが
ジャムさん
「とりあえず今日はお祝いだ、パンをジャンジャン焼くぞフルコースだ！」
D：YUTAKA
「ほう～シャンパンであぶったミートパンを頼む」
ジャムさん
「おや？前はシャンパンパンが好きだったんじゃ」
D:YUTAKA
「ああ、今の俺は半分ドラゴンだからな」
そういって八重歯を見せて笑った。
ジョニーさんを助けにいかないととアクアさんが言ったが、夜では移動手段が無い為、今日はアジトで一泊することになった、
その日は部下のみんながお祭り騒ぎ、ジャムさんの腕を振るった様々なパンと秘蔵のお酒やジュースが振舞われてちょっとしたお祭りだった。
先生
「なんじゃ？元気が無いな」
浜辺のヤシの木の下で俺は海を見ていたところに先生がフワフワ飛んできた。
「ジョニーさんが」
先生
「あいつの体のことか」
「体？」
先生
「あいつの魂はもうあそこにはない、ホーリードラゴンとYUTAKAを融合するのに使ってしまった」
「それじゃあ」
先生
「体を取り戻してもあいつはもどらん」
「くっそ」
先生
「そう自分を責めるな、あいつは自分の魂のつかい方を決めたんだ、満足そうな顔をしていた」
「でも」
先生
「私たちにはなんの使命も、生きる意味もなかった……だがあいつは最後にそれを手にした」
「……」
先生
「良いか？自分の価値を見出しそれを遂行して逝けた、それは無力でただの残り香のような我等にとってはとても喜ばしいことだ」
「……」
先生
「それにだ、アイツはまだあの体の中で生きている」
そういうと、すごい勢いでパンを食べるD:YUTAKAさんを見つめた
「うおおお！なんかものすごい飯がうまい！」
「ボスってそんな飯食いましたっけ？？」
「うおおおお！ガツガツ」
先生
「な？生きてるだろ」
「先生も」
そう言おうとした瞬間言葉を遮られた。
先生
「この世界の星空も綺麗だな、見てみろ光輝く白い炎のようだ」
