123. 忘却の姫~ミキシングミッション 雫の涙17
何の音もない、暗い海の上にある小さな大地に蠢くそれはモノノケに近いのかもしれないしかし、その化け物に対しての恐怖は全く感じなくなっていた、
問題があるとするならYUTAKAさんを斬れるのか……
ダインよ、迷ったらお前が死ぬぞ
そうターニャの声が聞こえる、
迷ってる場合じゃないか……
YUTAKAさん今 解放します!
「体ノ型 荒獅子!」
この技は身体を極限まで強化する補助魔法みたいなものだ、
溢れ出てくる力を制御するのが難しいがこれなら!
「うおりゃ!」
渾身の力で斬りつけると固い龍の鱗が剥がれ血が噴き出た、
その状況に不利と見た敵は間合いを開けてブレスに切り替えようとする
今の俺ならその間合いを瞬時に……
その時 微かにYUTAKAさんの目が光ったように見えた、
なにかしてくる……俺の直観がそう叫ぶ
「幻ノ型 霞陽炎」
このスキルは自身の姿を隠して、実体のある分身に攻撃させる技
分身が敵の間合いを詰め斬撃を放った瞬間、頭上のYUTAKAさんの部分から
バズーカが放たれた、やはり一筋縄では行かないか……
予防線を張って置いてよかった、分身の居た所はクレーター状に地面が抉られてる。
隠密状態を解除してYUTAKAさんを見つめると、その表情は微かに笑っていた。
それは俺が生きてた事への安堵の笑みか、それとも純粋に戦闘を楽しんでいるのか、
解らない。つくづく食えない人だ。
あまり遊んでいる時間はないぞ
ターニャが忠告する
わかっているよ先生……
終わらせようこの悪夢を!
「マイミュージック 焔蝶の三稜鏡」
ターニャの力を得て進化したマイミュージック、
体が炎に包まれ更なる身体強化と微弱な攻撃であれば炎で相殺、
そして鏡の羽を持つ赤き蝶が現れブレス系、魔法系の攻撃は全て反射する。
「ここからは俺の力でいく!トゥシエ行くぞ!」
トゥシエ
「呼び捨てすんじゃないわよ!」
左手に盾を構えてそのまま体当たりするように高速移動する、
「いくぞ!」
炎を纏った体で弾丸のようなスピードで敵に突撃する、
敵も実弾射撃に切り替えて攻撃してくるが
「ヴェール行くぞ!」
ヴェール
「なんか行けそうな気がする!」
剣をガラスの手槍に持ちかえる、するといつもと違い先端が炎の様に伸びていく
炎で強化されているのかいつも見たいに折れることはない!
ヴェール
「うおおりゃ!!」
トゥシエ
「こっちも行くわよ!」
「コントラディクションからのシールドムーブ!」
凄まじい肉体強化とスピードさらに防御力を攻撃力に変えそこから放つシールドムーブはまるで大地轟く轟雷の如き凄まじい音を立てて敵に突き刺さる!
今じゃ!変われ
すると体がターニャへと変化する
「ターニャ流 終ノ型 炎十字」
ターニャ流最強の技 体に纏まった炎を剣に集中させる
ターニャ
「安らかに眠れ 斬!」
2発の炎の斬撃がクロスして敵を襲う、それはまるで炎で作られた十字架の様だった、
「俺達も行きます!」
再びターニャから主導権を戻す、
「ヴェールいくぞ」
ヴェール
「待ってました!」
「これで終わりだ!レールスピアガン!」
貯め込んだダメージを一気に開放して放った一撃は炎を纏った美しい
紅色の線を描いて敵を貫いた、
その時YUTAKAさんの手がサムズアップしていた、きっとあれは見間違いじゃなかったと思う。




