121. 忘却の姫~ミキシングミッション 雫の涙15
黒い領域の中へ入るとそこは何も聞こえない、何の感覚もないただ黒と海の景色だけが動いて行くジェットコースターに様だ、
ヨッジー
「なんか酔いそう」
「揺れてもいないのに」
ウィズ
「なんか絵で酔いそうなパターンですね」
ジョニー
「ははは、余裕だね」
先生
「まったくじゃな」
ゲンゾウ
「ここは敵の腹の中……」
アクア
「そうですね」
やがて海の色は消え漆黒の闇が支配して行く
否応なしに緊張感が高まる無音と闇の世界、
やがて闇の中に一つの赤いバラの様なモノが見えた。
「あれは…」
アクア
「YUTAKAさんが使った最後の技があんなような色と形を」
ヨッジー
「どうやらあそこのようだな」
アネゴ
「いくしかないわね」
ジョニー
「というかこの船自体があそこにひっぱられてるようだぜ」
船はまるで引き寄せられるようにその島へと誘われて行く、
そしてそこには…
ジョニー
「海底にこんな空間が…」
赤いバラの様な中には不思議な光を放つシャボン玉のような空間が有り、
そこには何もないただ広い地面が広がっていた。
ジョニー
「ちょっと様子をみてくるかな、雷影」
スキルを発動したのかジョニーさんが急に居なくなり気づくとその大地の上に立っていた、そして何かを確かめると手招きした。
ヨッジー
「こっちに来いってことかな」
「ジョニーさんが普通に動いてるとこ見ると空気は有る感じか」
ウィズ
「罠ということも」
先生
「どうせもう帰れん行くしかない」
アクア
「ですね」
意を決して大地に降りると不思議と空気はあり、光のシャボン玉のせいなの妙な明るさもあった。
アネゴ
「ここのどこかにいるのかしら」
ジョニー
「あそこに」
そこには項垂れているように見えた影が…
YUTAKAさん!!!
「YUTAKAさん!!!」
先生
「いや、違うぞ」
するとYUTAKAさんは手をまるでこれ以上来るなと言わんばかりに
手のひらをこちらに向けて俺達を制止してるように見える。
そして……
ゴゴゴゴゴゴ
突如、地面が揺れ始める!!
そして、ゆたかさんがこちらを見た、
その目は不気味に光っていた。




