83.忘却の姫44
イワミー
「こっちよ」
ヨッジー
「すごいな、ほんとに敵に会わずに城の近くまでこれたぞ」
イワミーさんを仲間に加え、彼女が調べたというルートを通ると敵に会わず移動が出来た。
ここまで敵に出会わないのも不思議だったが、あのボスのデスマーチに挑まなくて良かったのだから深く考えるのを辞めた。
イワミー
「ここまではこれるのだけど、これ以降は私でも進むことができないわ」
そう言って指さした先には町があり、黒騎士が町を囲い異様な黒い壁の様に周囲を取り囲んでいる、町はまるで時が止まったようになっており生活感が無い状態でその奥に大きな城が聳え立っていた。
アクア
「アクティール城……」
「あれがアクアさんの生まれた城なんですね」
アクア
「ええ」
ウィズ
「しかし、これは厳しいですね」
ゲンゾウ
「中央突破は問題外じゃな」
イワミー
「そんなことしたら一瞬で終りよ」
マリー
「えー楽しそうなのに」
先生
「ぶーぶぶー!(黙っとれ)」
イワミー
「で?どうするの」
アクア
「こっちです」
そう言ってアクアさんは町から離れた森の方へと歩き出す、
ヨッジー
「お!お約束の隠し通路かな」
アクア
「ええ」
イワミー
「……」
やがて大きな岩ようにも見える小さな井戸が見えた。
アクア
「ここです、ココをロープで降りて途中の横穴に入れば通路があるはずです」
ゲンゾウ
「ふむ、では私のこのロープで」
ゲンゾウさんの小道具 丈夫な縄梯子をかけて井戸を降りて行く、
イワミー
「上みたら…」
「大丈夫です、絶対に見ません」
途中お約束もありながら横穴を発見して中に入って行くと、うっすらと灯りが見えた。
イワミー
「どうやらココにも手が回っていた様ね」
アクア
「いえ、多分アレは」
そういってアクアさんが光の方へ走って行く、
「アクアさん!危ないですって」
すると、光の方から一人の男が出てきた。
アクア
「ゴン爺!やはりあなたでしたか」
ゴン爺と呼ばれた男はアクアさんの手を取り
ゴン爺
「アクア様!良くぞご無事で」
アクア
「あなたは無事だったのね」
ゴン爺
「ええ、なんかおかしな奴らが現れまして……私はこの王家の扉を守らなければならないので急いでこちらにやってきました、幸いここは誰にも知られていないとこだったので」
アクア
「そうだったのね」
ゴン爺
「姫!さっそく王家の扉を使って王へ報告へ」
アクア
「父は生きてるのですか!」
ゴン爺
「ええ、国は乗っ取られましたが生きています、現在は部屋に閉じ込められていますが城内に入れば私が案内できます」
そういうと、奥の扉へと歩き出した、
ヨッジー
「ほんと大丈夫なのか?」
「う~ん」
イワミー
「あのNPCだけ影響を受けてないとは考え難いのだけど」
先生
「・・・・・・」
ゴン爺
「さあ、こちらに手を…」
分厚そうな黒い扉に手を触れるが何も反応が無い……
ゴン爺
「なぜ!」
アクア
「やはり私は既に」
ゴン爺
「…アクア姫は死んだともっぱらの噂でしたから、王族から外れてしまった可能性も」
アクア
「……なんとか中に入る方法はないのですか!」
ゴン爺
「ある事にはありますが昔話のような古い話で、こちらの窪みに太古の守りというキーをはめ込み、同盟国に送られた宝玉をその守りはめればと……昔聞いたことが」
ヨッジー
「そんなアイテムあったか?」
ウィズ
「うん~~~」
ゴン爺
「宝玉の一つは…ええとあちらの管理人室に…」
そう言って持ってきたのは薄暗い赤い光を放つ宝玉だった。
「あれ?それって」
昔 ドワ―フのエリアでドラゴンにもらったレリーフと茶色の宝玉、そしてヒーロー種族
のエリアでもらった黒い宝玉、フェアザーリオンで貰った緑の宝玉、海底都市でもらった黄色の宝玉に似ている。
俺がそれを出すと……
ゴン爺
「それだ!」
ゴン爺が俺から宝玉とレリーフを奪い取り、レリーフにはめて行く、
しかし……
ゴン爺
「ダメだ…赤の宝玉意外 力を失っている」
よく見ると赤い宝玉は薄暗く光っているのに対して他の宝玉は発光していなかった。
アクア
「どうすれば力を取り戻せるの?」
ゴン爺
「この宝玉の継承者がその力を取り戻すカギを握ってることしか」
アクア
「そうなると、もう一度各エリアで情報を探しに行くしか……」
「そうですね、一度戻って見ましょうか」
アネゴ
「そうね、このままでは先に進めないし」
ヨッジー
「まあ、一度行った町ならすぐ行けるし」
アクア
「急ぎましょう」
俺達は各宝玉を手に入れた町へと戻ることにした…
先生
「………」




