59.忘却の姫21
その赤いドームはやがて俺達を完全に覆い尽くした、
そして驚くことに急に体が地面に突き刺さったかのような感覚に陥った。
「これは一体？」
ヨッジー
「体が思うように動かないんだが」
ウィズ
「なんなんでしょうか」
ゲンゾウ
「それはあ奴に聞いた方が手っ取り早そうじゃ」
そういってゲンゾウさんが見た先に居たのは、
白くの中に薄い紅色が混ざる髪を両サイドに束ねた髪、
ちょっと幼さの残る様な顔立ちに巫女の様な服、
そして腰には特大の赤い剣を持っている。
剣聖ターニャ
ターニャ
「うろたえるでないわ、これからみっちり稽古をつけてやる」
アクア
「しかし、時間があまりありません」
ターニャ
「安心しろ、ここは別空間…外の時間は止まっている」
ヨッジー
「どういうシステムになってるんだ」
ターニャ
「細かいことは気にするな、あまり時間もないのでスパルタでいくぞ」
そういうと手を頭上に上げる、
すると赤い剣が無数に出現していく、そしてそれは俺以外の前に一本ずつ移動して行った。
そして、その紅蓮の矛先は各自を捉える。
アネゴ
「これはどういうことかしら？」
ターニャ
「そいつを倒せ、それが修行だ」
「なかなかハードな」
ターニャ
「事態は悪い方へ変わってきている、それぞれが己の力で乗り越えられるようにならねばならぬ」
「こうなったらやるしかないか、アクアさん、ウィズさん支援魔法を」
アクア＆ウィズ
「はい！」
ターニャ
「ならぬ」
そう言葉を発すると各々の目の前に剣が突き刺さり丸で地面が弾けるが如く、
その場所が紅い光が放たれて各自を包んでしまった。
ターニャ
「言っただろ？己の力で乗り越えねばならぬと」
「みんなは一体？」
ターニャ
「安心しろ、あの中で各自戦っている」
「というと、俺だけ球体に入ってないとこを見ると休憩…なわけでないですよね」
そういうと丸で鬼ような形相で笑い出したターニャ、
ターニャ
「面白いことをいうな小僧、お前は特別だ」
「と言いますと…」
ターニャ
「儂自ら相手をしてやる！」
「えええ！」
ターニャ
「さあ、手槍と盾の小娘も出てこい一度に相手してやる」
そういうと大剣を地面に突き立て、俺に睨みを効かした瞬間俺は丸で喉先に剣を突き立てられたような威圧感を感じた。
「俺だけハードなおい」
