50.忘却の姫12
ヨッジー
「最後の目撃情報がここら辺だったんだがな」
「もう一時間以上になるんだが」
ゲンゾウ
「うむ、闇雲に動きまわるより近くの街で情報あつめたらどうじゃ」
ポコ
「そうっス!それがいいっス!」
「そうするかね」
俺達は謎の騎士団を探しに現在は彷徨い中なのだが、一向に見当たらない……
ちなみにポコさんは村の代表として俺達と同行している。
アクア
「この近くですと多分この道を真っ直ぐ行ったところに村があったと思います」
ポコ
「くわしいっスね」
アクア
「領内の視察に同行したりしましたから」
ヨッジー
「よし!じゃあ村に行きますか」
そこから暫く歩いたところにアクアさんの言う通り小さな村があったのだが、
なにやらプレイヤーの団体が町の入口に居た。
「あれ?あそこにいるのはステインさん達じゃないかな?」
ヨッジー
「あ、ほんとだ」
「ステインさん」
ステイン
「お?ダイン君達奇遇だね」
「ステインさん達も探索ですか?」
ステイン
「いや、俺達は噂の黒い騎士団を探していてね」
「あ、ステインさん達も」
ステイン
「お?ダイン君達もなのかい?」
「まあ、諸事情ありまして」
ステイン
「ふむ、またとんでもない面白そうなクエストなのかい?」
「面白いというよりも面倒な感じで……話しても良いかな?」
ヨッジー
「いいんじゃねえ?」
ポコ
「事情をいろんな人に知ってもらうのは良い事っス」
とりあえず、アクアさんがこの国の姫だったということは伏せながら魔界の村への進軍を止める為に騎士団に会いに行くという状況を説明した。
ステイン
「魔界なんてまだ誰も行ったことな所に……裏MAPかな」
戦士の男
「なんだ!おもしろそうな話だな」
ステインさんのギルド仲間と思われる人たちが集まって来た。
「ステインさん達はなんで騎士団を探してるんですか?」
ステイン
「それは……俺は止めたんだが」
戦士の男
「戦うにきまってるだろ!」
魔法使い女
「強敵とか燃えるわよね!」
ステイン
「とまあ…うちはバトルジャンキーが多くて」
あんたも結構なバトルジャンキーだと思うが……
ステイン
「! 私は違うぞ!そんな目でみないでくれ」
「はあ」
ステイン
「騎士団を狙ってるのはうちだけじゃないぞ、他にもPKで有名なキルの一味とか様々な奴らが挑もうとしてるんだ」
「ふむ、キルもいるのか厄介な予感が」
ステイン
「とりあえずだ、協力しないか?少なくとも君は今その魔界からクエストを受けてる段階だ、もしかしたら会える確率が上がっているかもしれない」
「ふむ」
ステイン
「俺達もみつけたら連絡するからお互い協力体制を結ばないか?それに君たちのクエストにも全力協力しよう」
「え?良いですか他の方も」
ステイン
「こんな面白そうな事断るヤツはいるか?」
『異議無し!』
綺麗に言葉を揃えて来た!
ステイン
「というわけだ、他のメンツも多分反対する奴は居ないだろう」
「はあ」
ヨッジー
「良いんじゃないか?」
ステイン
「そうときまれば話は早い、フレンドトークしてお互い連絡を取ろう」
その後ステインさんと騎士団を見つけたら知らせる事、クエストで強敵と戦う際は連絡することなどを話し合い、村で一緒に聞き込みを開始したが村では有力な情報はなかった。
ステイン
「やはり、地道にやるしかないか」
「そうですね」
ステイン
「よし、俺達は西側のエリアを探し見るから東のエリアを頼めるかい?」
「わかりました」
ともあれ戦力が増えたことは良いことだなと思いながら散策へと出発した。




