46.忘却の姫8
「なんとか帰ってこれたな」
アクア
「ええ、途中はどうなることかと」
トゥシエ
「なんだか疲れたけど、目標は達成できてよかった」
ポコ
「そうっス!村の皆もあんなに鉱石を集めてくれたっス」
指差したところには、入り口周辺に残って採取してくれていた村人が集めてくれた鉱石が山積みになっていた。
「これは凄いですって先生!」
先生
「うおおお!バリバリ」
先生は俺の手から離れると鉱石の山へ飛んでいき貪り尽くしていく。
ゲンゾウ
「ふむ、すごいな」
「もうちょっと感謝しながら」
先生
「バリバリ!」
まったく声も届かないようで夢中に喰らい尽くしていく、
そしてモノの数分で鉱石は無くなった。
「先生、満足ですか」
先生
「ああ、ギリギリセーフじゃ!」
すると先生が紅く光出す!
アクア
「え?!」
ゲンゾウ
「これは」
ポコ
「これは綺麗っス」
トゥシエ
「すごいパワーね」
やがて光は収束していきそこに赤い刀が現れた。
「ふむ六割といったところか」
そこには柄が紅くなり、綺麗な金色の装飾が施され刀身はほんのり赤色が混じったようなモノへと変わっている。
「先生その姿は」
先生
「ふむ、前に言った通り進化した姿じゃ」
アクア
「進化ですか」
トゥシエ
「進化……なるほどね」
「進化って何でしたっけ?」
先生
「バカモンが!」
バシ!
「え?」
いつもの様に殴られたと思ったが次の瞬間、
俺は壁にめり込み、瀕死状態に!
先生
「あ、すまんまだ力加減がわからんでな」
「イタタ……勘弁して下さいよ」
ゲンゾウ
「すごい力じゃ」
トゥシエ
「進化っていうのは武器に蓄積された経験値などにより、性能がアップしたり生まれ変わったりすることよ」
「あ、昔そんな話を聞いたような」
ポコ
「大丈夫っスか?」
「あ、すいません」
ポコ
「いえ!旦那様」
「はっ?」
ポコ
「どうしたっスか?」
「いや、今旦那様って」
ポコ
「あんな恥ずかしいことされたらお嫁にもらってもうしか」
「えええ!」
ポコ
「冗談っス!」
「勘弁して下さいよ」
ポコ
「本気にしてくれてもいいっスよ?」
一同が久しぶりに笑い和やかなムードになった……
取りあえず先生の進化は完了した、あとはウォータリアの軍勢との交渉に備えるだけだ。




