暗闇の姫騎士2(改)
沢山の方に読んで頂きありがとうございますm(_ _)m感謝しまくりです
「ただいま!」
母
「お帰り、おやつ有るわよ」
「後で食べるわ!」
母
「お母さん今日は帰り遅いけどゲームばっかりやったらダメよ!成績落ちたら禁止にしますからね」
「はいはい」
いつものやり取りをしながら俺は速攻部屋に戻りゲームにログインすると……
アクア
「主!主が居なくなった瞬間 急に真っ暗になって!そしたら急にまた主が目の前に」
うお!いきなりアクアさんのドアップ!
落ち着かせて話を聞いたことから察するに、
どうやらテイムモンスター扱いになっているので、
ログアウトするとアクアさんもログアウトするシステムなのかな?
アクア
「主あれは主の魔法か何か?」
「まあ、そんなところかな」
アクア
「そうなのですね、で!これにはどんな効果が」
「えっと、あの~俺がいないときにアクアさんの身を守る為の魔法だよ」
アクア
「なんと、そんな効果がありがたいです」
アクアさんにログアウトだと言っても納得しないだろうし……
その後、そんな適当な理由づけ話をしながら吉井との約束の水車のあるとこまで歩いていくと、
???
「お?高木か?」
そこにはヨッジーと名前が表記されているプレイヤーが居た。
「相変わらずどこかの爬虫類みたいな名前だな」
ヨッジー
「うるせぇ!お前こそワンパターンだな」
「考えるのが面倒なだけだ」
ヨッジー
「ああ お前らしいな、それで?そちらの人はフレか誰か?」
「いや、この人は…」
アクア
「主のご友人かな? 私はアクアと申します、以後宜しくお願いする」
時が止まる……
ヨッジー
「主ってお前……一体…ん?」
吉井ことヨッジーがあることに気づいた。
ヨッジー
「その色違いのネーム表記ってテイムモンスター?…嘘だろ、ネットで話題になっていた姫騎士テイマーってお前か」
「え?話題になってるの」
ヨッジー
「ああ、お祭り騒ぎだぜ」
話題になっているのか…嫌だな、取り敢えず俺は今までの経緯を説明すると、
ヨッジー
「ふむ〜それは何というかバグかな?」
「やっぱりそうかな」
ヨッジー
「普通そうだろう、ゾンビ系の敵に蘇生かけても普通はミスとか表記されて終わりだろし掲示板でもそんな報告一つもないぞ」
「だよね」
ヨッジー
「それに、ゾンビ系が全部蘇生して別なモノになるなんて、他のゲームでも聞いたことないし……このゲームにそれが実装されてるなんて公式の話も聞いたことないぜ」
「ふむ」
ヨッジー
「まあ、お前の初期ボーナスの秘薬が引き起こしたバグかもしれんが……そのアイテムもかなりレアなんだろうししそんなことに使おうという奴もいないだろ」
俺たちの視線が自分に向けられていることに気づいたアクアさんは……
アクア
「はい? 」
不思議そうな顔をしている。
ヨッジー
「まあ深く考えもしょうがないんだし、ラッキーだったと思えよ!こんな綺麗な人からご主人様なんて呼ばれること なんて絶対ないからな、 この幸せ ご主人様」
「からかうなよ!」
ヨッジー
「そうムキになるなよ、細かいことは気にせず!さあグランドクエスト行こう!」
吉井のこういう物事を深く考えないとこは割と好きなところだ、
そんな話をしながらクエストが始まる場所に移動したのだが、アクアさんを仲間したエリアだった。
「まさかね……」
すると突然、空に大きな映像が現れ、マスコットキャラ栗丸君が土下座したカッコで現れた。
~プレイヤーの皆さん、グランドクエスト開始前にお詫びと訂正です~
ヨッジー
「なんだ?」
「なんかあったのかな?」
栗丸君
「当初予定していましたグランドクエスト『哀れなる飢餓の姫騎士』ですが、バグ発生の為、『荒れ狂うアンデットナイト』へとタイトル変更致します。大変申し訳ありません」
俺たちは詳細を確認すると……
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亡国の陰謀によって国を追いやられた兵士たちがアンデット化し、森を荒らしてモンスターを次々アンデット化し仲間を増やしている、そこで君たちには兵士たちを鎮圧し、兵士たちのボスを撃破しろ!
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ヨッジー
「姫騎士の文字が消えているな」
俺はそのままアクアさんを見る……
「まさか…ね」
ヨッジーもアクアさんを見る。
アクア
「?」
アクアさんは不思議そうな顔をして首をかしげる。
「まあ…そんなわけないなよな…うん、そうだ俺は悪くない!」
まさか俺のせいでバグが発生したとかないよね!運営とかに後で怒られないようね…
うん!きっと違うだろうという半ば自己暗示を自分にかける。
ヨッジー
「まあ気にしてもしょうがない、さあ行こうぜ!」
ヨッジーもいろんな気持ちを振り払うように先へと進んだ。
~イベント領域~
そこは薄暗い森の中、時々変な叫び声が聞こえる、異様に生ぬるい風がエリアを支配しているような感じの上に、その薄気味悪さに追い打ちを掛けるようにさまざまなモンスターがアンデット化していた、可愛かったラビットも……
アンデッドラビット
レベル2
HP15
スキル HP回復 腐食液
ウサギがデフォルメされてはいるが、目が落ちて一部骨が見えなんか溶けている…
うわ~俺の嫌いなホラー要素を感じる、嫌だこんなのと戦いたくない!
そんな不安な表情を察したのか……
アクア
「主!ここは私にお任せを!」
アクアさんが颯爽と剣を抜きウサギに飛び掛った!
うおお!なんかカッコいいどっちが姫だかわからないくらいだよ~~~
っと思ったのだが……
スカ!
スカ!
おやおや?
アクア
「ぐぬ~~~」
カッコよく剣を振り、華麗にステップを踏んでいるが……
一回も当たってないんですけど!
ヨッジー
「ダイン、アクアさんって装備すごそうだけど…見かけ倒れ?」
「そうなのかな…?」
ヨッジー
「あそこまで当たらないの見たことないぞ」
俺たちの視線に気づいたのか……
アクア
「ま、まだまだ!予行練習です!エイ!」
スカ
スカ
アクア
「ううう~~~~、どうしていつも私の攻撃は当たらないの〜」
半泣きである……
それにしても武器の性能は良さそうなのに?
俺は疑問に思いアクアさんの装備を見ると……
「あ!」
ヨッジー
「ん どうした?」
重大な問題点を発見した、
それは……
姫騎士の剣 アクアローズ
攻撃力150
特殊効果 アクア専用 水防御+50
使用レベル80
レベル不足ペナルティ 発生中命中率1%
姫騎士の鎧 アクアベール
防御力110
特殊効果 アクア専用 水防御+80
使用レベル80
レベル不足ペナルティ 性能減90%
「レベル制限が掛っている!」
ヨッジー
「あの武器がレベルに見合ってないのか、なるほどね…」
「ペナルティで剣は命中率1%だって、防御力は性能90%減」
ヨッジー
「1%って、どこの金槌だよ」
「とりあえず…アクアさん装備変えましょうか、それじゃ攻撃も当らないですよ」
それを聞いたアクアさんは…
アクア
「それはできないです!前にも言ったがこの鎧は私の誇り!それと同じ様にこの剣も私の誇りだ」
また始まった、それから何度か説得したが…
アクア
「無理なものは無理です!!」
もう半泣きではなく、全泣き状態であった為…
最終判断→あきらめた
「ヨッジーすまん、二人で頑張ろう」
ヨッジー
「うん…これ以上やるとうちらが苛めているみたいで…」
アクア
「そんな可哀そうな目で見ないで下さい……」
俺とヨッジーでとりあえずアンデッドラビットを倒しに掛る
ヨッジーは剣を装備して構える。
ヨッジー
「じゃ 俺が先行するからダインは後から」
「了解だ!」
ヨッジー
「じゃ いくぜ!ツインヒット!」
おお!あれは剣技かな?
「ヨッジーすごいな!技覚えているのか」
ヨッジー
「なにもすごいことじゃないよ、武器をつかって戦っていれば勝手に覚えるよ」
そういえば俺も槍の攻撃力UPとか覚えていたな、昨日バタバタしてたからステータスとか、マニュアルの確認とか全然進んでないからな……
それからヨッジーが先行し俺がその後方から追撃を繰り出す感じで 敵を数匹駆逐した。
「さすがなヨッジー!」
ヨッジー
「ダインもなかなか良い感じだったよ」
そんな戦闘の話で盛り上がる後ろで……
アクア
「ううう…」
アクアさんはなんとも言えない距離で若干いじけているような目でこちらを睨んでいる、なんだろ凄く視線が痛いです……
そんなアクアさんを励ましつつしばらく狩りを続けて行くと周りの雰囲気が変わり始めた、只でさえ不気味な森に急に霧が出始めた。
そして……
ガッチャン
茂みから黒く染まった鎧、顔は黒く手は骨の敵が現れた。
アンデッドナイト
レベル20
HP150
MP50
スキル 剣技 痺れの息
状態 飢餓バーサク
ヨッジー
「ダイン、こいつは多分中ボスだ」
「ヤバそうだな」
明らかに格上の敵に足が竦む。
ヨッジー
「ダイン逃げるぞ!せっかく稼いだのにデスペナなんてごめんだ」
デスペナ:死亡時に発生するペナルティ、死亡時に持ち金半額と次のレベルアップに貯めていた経験値の10%を削られる。
「そうだな」
俺たちが逃げようとした瞬間!
アンデットナイト
「ウォォ」
俺達に気づいたのかアンデッドナイトが襲ってきた!
アクア
「主!危ない」
アクアさんがアンデッドナイトの剣を自分の剣で受け止める。
「アクアさん!」
アクア
「攻撃を当てることは出来なくても受ける事なら!それにしてもなんて力……え?!その剣の紋章…私の国の…しかもその鎧のネームは!」
何かに気づき小刻みに震えている。
アクア
「お前はサニアなのか!」
その言葉にアンデッドナイトの動きが止まる。
アクア
「私だ!アクアだ!」
アンデットナイトの瞳に光が蘇ったように見えた瞬間……
アンデットナイト
「ウォォ!」
アンデッドナイトは急に反転して森の奥へと走り出した。
アクア
「待って!」
アクアさんもそのまま追って森の中へ入って行ってしまった。
「アクアさん待って!チクショーやっぱそうなのかよ!」
ヨッジー
「おいおい、これは嫌な予感が当たってるんじゃないか」
俺たちもアクアさんを追う、もし俺達の予想が当たっているなら冷静になれっていうのも酷か…
そして舞台は深き森の奥へ…
さらなる暗闇の中へと続いて行くことを俺達は知らなかった。
次回のタイトルは
「あなたへ捧ぐステップ」
となる予定です