表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仲間になったアンデッドを生き返らせたら姫騎士だった!?  作者: 鳳凰院いちご
街の灯は燃ゆる~悠久の時に諍いし者~
212/714

民芸店の昔話18

パネルを操作すると俺達は見慣れない場所へと転送された。


そこは山深いエリアだった。


「ここは?」


ゲンゾウ

「うむ、どうやらココは美し山の山中のようだな」


アネゴ

「どこにいけばいいのかしら?」


「ちょっとまってね」


俺がMAPを確認すると神社にお宝の様なマークが出ている。


「どうやら先ほどの神社にあるみたいだ」


ゲンゾウ

「ふむ、ならば道は任せてくれ」


そういうとゲンゾウさんは先頭を歩き出した。


ゲンゾウ

「それにしても皮肉なモノだな…」


「なにかあったのですか?」


ゲンゾウ

「ふん!」


何も言わず不貞腐れたような態度をとるが…


アクア

「なにかココにあったのですか?」


ゲンゾウ

「…くだらない話じゃが」


…アクアさんだと態度変わるのね、

わかってはいたけどね…


ゲンゾウ

「あの絵に描かれていたクリスという女性と会ったのもココじゃった」


アクア

「そうなんですね」


ゲンゾウ

「クリスは有名なプログラマーだったらしく仕事の関係で日本に来て居たのだが、休暇中でパンフレットを見てココが気に入り遊びに来ておった」


アクア

「それでココで出会ったんですね」


ゲンゾウ

「ああ、彼女はパンフレットと同じ景色が見たいと山に入ったのだが…山を侮って追ってハイヒールなんぞで山に入りおって足を挫いておった」


アクア

「はいひーる?というのは良くわからないですが、その怪我したクリスさんをゲンゾウさんが助けたのですね?」


ゲンゾウ

「ああ、儂は丁度この山に材料を取りに来ていてな、見捨てるわけにもいかないからな」


アクア

「ふむふむ」


ゲンゾウ

「医者まで連れて行ったんじゃ」


アクア

「そうなんですね」


ゲンゾウ

「その後、御礼に来たのだが店のモノをみたら騒ぎ出して…あれはなんだとか、これはどうやってつくるんだとか、このモデルはどこにいったら見れるとかな」


そう言ってゲンゾウさんは少し笑った…


ゲンゾウ

「それからクリスは休みのたびに家に来るようになった…」


アクア

「仲良くなったんですね」


ゲンゾウ

「まあな…人付き合いが苦手な儂が心の許せるのはクリスと幼馴染の貞夫くらいなもんだ」


アクア

「そうなんですか…それであの絵は」


ゲンゾウ

「あれは儂からクリスへのプレゼントの予定だった…内緒で作っていたんだが見つかってな、一緒に作りたいと言い出してクリスの絵と額縁を儂が作って背景などをクリスが塗ったんだ」


アクア

「なるほど」


ゲンゾウ

「クリスはほんと不器用でな、絵の具もまともに塗れなくて終いには自分でパソコンで描いたモノを貼ったりしてたか…」


いつの間にかゲンゾウさんの顔は綻んでいた…


アクア

「クリスさんのことが好きだったんですね」


ゲンゾウ

「…」


アクア

「すみません唐突に」


ゲンゾウ

「好きだったよ…だが実ることはなかった」


アクア

「…」


ゲンゾウ

「アイツが国に帰るとき…これを渡して話をつけるつもりじゃった…」


アクア

「…」


ゲンゾウ

「じゃが、儂の両親が具合が悪くてな…クリスもそのことを知っていたから、何も言わず手紙だけ残して行きやがった」


アクア

「そうなんですね…」


ゲンゾウ

「お互い幸せに行きましょうとだけ書いてあった…それから儂はしばらく忘れようとあの絵を店の奥にしまった…それから数年経ち絵を探したが見つからなかった」


青星

「別れとはつらいものだから…」


先生

「…」


ゲンゾウ

「すまない、湿っぽい話になった」


アネゴ

「なんとしてもあのアイテムは手に入れましょう」


「そうですね!とりあえずあの雑魚を吹っ飛ばして急ぎましょう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ