深海の華4
その後、アクアさんは泣き崩れ…俺は呆然としていた、アネゴは窓の外をずっと見ている、
YUKITOさんは少し一人にしてほしいと別室へと行った。
しばらくして、俺達が港に戻るとウィズさん達が駆け寄ってきた。
ウィズ
「ダインさん!YUTAKAさんは……」
俺は首を横に振り……
「俺達を助ける為に……」
ヨッジー
「そんな!」
YUTAKAさんの手下
「そんなアニキ!」
「嘘だ!」
「俺達はこれからどうしたら……」
泣き崩れる手下さん達……
ジャムさん、蒼き狼も悲痛な表情だ……
その時……
パンパン!
突如銃声が!
「敵か!」
俺達が振り向くとそこには……
YUKITO
「ふ、YUTAKAは死んだ…これでこの辺りは私のものだ」
!
まさか又洗脳されているのか!?
YUKITO
「ボスが居なくなったお前たちもその有様じゃ、YUTAKAも浮かばれないね」
それを聞いて手下達は立ち上がる。
「なんだと!」
「お前が裏切らなければ!」
「アニキの守ったこのエリアはお前なんかに渡さない!」
YUKITO
「おもしろい……お前たちにこのエリアが守れるか……まあ、今日の所はYUTAKAに敬意を払って引いてやる」
手下
「この野郎!絶対許さない!」
「お前にもう付き従うものはいないぞ!」
YUKITO
「ははは、おバカな奴らだ!私の背後にはスヴァルト王国がついているんだよ…今回の計画も奴らからの案だ」
手下
「あいつら!」
「くそーーー」
YUKITO
「私はいつでもお前たちを潰せる…今のお前たちならすぐにでも」
手下
「うるせー!俺達は絶対に負けない!」
「そうだ!お前なんかには負けない!」
YUKITO
「それは楽しみだ……でわ」
そういうと会釈をした瞬間黒い霧が発生した!
ジャムさん
「前が見えん!」
蒼き狼
「風系スキルで吹き飛ばせ」
風スキルで霧を吹き飛ばしたときにはYUKITOはもう居なかった……
手下
「くっそ!」
「アニキの敵がとれなかった!」
泣き崩れる手下達に……
ジャムさん
「泣き崩れる暇があったら追え!」
ジャムさんが叱咤する。
ジャムさん
「泣いている暇などない!YUTAKA殿が守ったこのエリアを守るんだろ!」
手下
「そうだった…みんないくぞ!」
蒼き狼
「俺達も手を貸そう」
そういって各自が探査へと向かった。
「くっそ、また操られてるのか!俺達も」
俺が走り出そうとした時
先生
「バカもん!」
ポカ!
先生に殴られた。
先生
「奴は操られてなど無い」
アクア
「どういうことですか?!」
先生
「あれが奴の役割りだと思ったから、あのように振舞ったんじゃ」
アネゴ
「やはりそうだったのね…悲しい道ね…」
「?」
先生
「はぁ~わからんかの~、奴は自分が敵になることでYUTAKAさんの組織の再建の生贄になろうとしてるんじゃ」
アクア
「!?」
先生
「奴がみんなを煽って、自分という敵に恨みや怒りをぶつけさせることで組織を奮起させようとしてるんじゃ」
「そんな!」
アネゴ
「それが彼女なりの罪滅ぼしだと思ったのよ」
アクア
「そんな……」
クイクイ
話の最中に俺の袖を引っ張る人が……
ウィズ
「あの~その事情がわからないので説明しもらっても良いですか」
ヨッジー
「うんうん」
すっかり二人を放置してしまった、俺はこれまでの流れを説明すると……
ウィズ
「悲しすぎます!」
号泣するウィズさん……
ヨッジー
「……」
ウィズ
「それならすぐ皆さんにこの事を…」
先生
「ならん!これはアイツが決めたことだ、部外者が口出してはならん」
ウィズ
「でも……」
アネゴ
「彼女の思いを踏みにじってはダメよ…」
それから暫く夕日が沈む真っ赤な海を無言でみんなで見つめた……