第八十二章 陽子、学校行事で不良と争う
秋になると、学校から旅行に行ったり、クラス単位でレクレーションに行ったりして親睦を深めていた。
学校行事として、学年単位で旅行に出掛けました。陽子の学年は田舎の研修センターに泊まり、親睦を深めたり、自然観察したりする事になった。研修センターですので、他校とも一緒になった。
或る日、陽子の通学する学校と他校の生徒がたまたま、自然観察で一緒になり、他校の生徒とも仲良くなり、自然観察後、道を歩きながら、楽しく雑談していた。
楽しく会話している時に、たまたま地元の不良少年達と目が合った。
不良少年は、「今、俺の顔を見て笑っただろう。何がそんなに面白いんだ!」と脅された。
陽子の同級生達は、怖くて体が硬直して何も言えなかった為に、「お前ら、俺を馬鹿にしているのか?」などと因縁をつけられて、数人拉致された。
何とか逃げ切った、足の速い陸上部の生徒から事情を聞いた両校の教師は、合同職員会議を開き、警察に通報する意見もあったが、穏便に済まし警察ざたにしたくなく困っていると、陽子が通学している高校の教頭先生が、「確か、生徒の説明では、その不良達は、“バックに丸東組がついている。”と言ったそうですが、私は、やくざ、特に丸東組に詳しい人物に知合いがいますので相談してみます。」と発言して、陽子に携帯で連絡した。他の教師達は、その知合いは警察関係者だと思っていた。
電話を終えると教頭先生は会議の場で、「今、連絡して聞いてみました。そんな事実はないそうです。不良のたまり場を調べて、拉致されている場所を捜してくれるそうです。高校生が連れ去られた方向へ向かって下さいと助言されましたので、私が行きます。何かあれば連絡しますので、皆さんは、このままここでお待ち下さい。」と他の先生も同行すると主張する中、振り切って出掛けようとしていた。
他校の風紀担当の先生が、「一校の教頭だけ同行するのは可笑しい。こちらの学校を代表して私が同行します。」とついて来た。
教頭先生は困りましたが、騒ぎになり、多くの教師について来られると困るので、その教師と同行する事にした。
途中で陽子と待合わせして行きましたが、他校の教師は、陽子は、たまたま同じ方向に一緒に歩いている、教頭先生が勤務する学校の生徒だと思っていた。
まさか、丸東組に詳しい人物が陽子だとは気付かずに、陽子が丸東組組長の娘だとは夢にも思っていませんでした。
他校の教師は歩きながら、念の為に教頭先生に、「地元の不良少年が、丸東組と関係ないのは間違いないのですか?丸東組は恐いやくざらしいですので。」と念の為に確認した。
教頭先生は、「東城さん、間違いないですよね?」と陽子に確認した。
陽子は、「大丈夫ですよ、こんな田舎のちんけな不良は相手にしないわよ。」と笑っていた。
他校の教師は、「えっ!?教頭先生、まさか丸東組に詳しい人物というのは・・・」と、その人物が女子高生だと知り心配していると、陽子の携帯に着信があった。
電話を終えると陽子は、「教頭先生、拉致されている場所が解りました。」とその場所へ向かった。
他校の先生は拉致されている場所に向かいながら、「今の電話は誰からなのですか?」と丸東組に詳しい人物が女子高生だと知り、不安で確認した。
陽子は、「勝手に名前を使われた、丸東組の組員からです。」と焦っている他校の先生とは裏腹に陽子は冷静でした。
他校の先生は驚いて、「えっ!丸東組に連絡したのか!地元の不良ならまだしも、丸東組に連絡したら大変な事になるぞ。勝手に名前を使ったのは私達ではないと主張しても通じる相手じゃないぞ。」と血の気が引き震えだした。
陽子が、「ここに生徒達が拉致されています。」と無人の廃工場を指差した。
近くに停車していた黒塗りのベンツ数台から、体中に刺青をした、やくざが数人降りて来たので、他校の先生は真っ青になり、「丸東組に連絡するから大変な事になったじゃないか!どうするのだ!」と益々震え出した。
そこへ、そのベンツから降りて来たやくざが来て、お辞儀して、「失礼します姉さん、例の高校生達は、あそこに拉致されています。」と報告した。
陽子は組員に、「仲間の不良が大勢応援に来ると厄介なので、あなた方は外で待機していて、誰も中に入れないでね。ここは私一人で充分ですので。」と指示した。
組員は陽子の前に立ち、「姉さんを一人で行かす事はできません。姉さんにもしもの事があれば、俺達は組長に殺されます。」と陽子を止めた。
陽子は、その組員の胸倉を捕まえて、「おい、こら、てめえ、誰に口きいているんだ?もう一度言ってみろ!私の指示に従えないのか?もしもの事とは何だ!私がこんな田舎の腰抜け不良にやられるとでも言うのか?いてまうぞ!ボケ!三十分以内にケリをつけます。三十分経ったら中に入って来て。」と組員を突き飛ばして指示した。
その組員は、「すみません姉さん。」と謝り、陽子の指示通り、ベンツに乗って待機した。
陽子は他校の教師の肩に手を掛けて、「先生、震えているわよ。顔も真っ青ね。恐かったら、帰った方が良いのではないですか?」と中へ入ったので、先生達も後からついて行った。
生徒を拉致していた数人の不良達が気付いて、「何だ、お前ら、何しに来た!」と陽子達に向かって来た。
陽子は、「私の同級生が大変お世話になっていると聞いたものですから迎えに来ました。」と挨拶した。
不良達は、「ふざけるな!このガキ!」と殴りかかって来た。
他校の先生は腰を抜かしたが、全員陽子に倒された。
陽子は、「あらあらバックに丸東組がついているのじゃなかったの?情けない丸東組ね。」と馬鹿にした。
地元の不良達は、「今、連絡したからこっちへ向かっている。謝るのなら今のうちだぞ!」と馬鹿にされて怒っていた。
他校の先生は腰を抜かした状態で慌てて、「警察に電話するぞ!」と震えながら携帯を出した。
教頭先生は、「大丈夫ですよ、先生。そんなのは来ませんから。先程外にいたやくざが丸東組ですよ。」と説明した。
それを聞いた地元の不良少年は、「何?てめえ、後で後悔するぞ!丸東組が外にいる訳ないだろう。今、こっちに向かっているのだから。」と怒鳴った。
ドアが開いて、地元の不良が入って来るなり倒れた。
地元の不良少年達は、「どうした!何があった!」とまさか丸東組が、こんなに早く動かないよなと不安そうでした。
その不良は、「ここに応援に来れば、ここの前で、全員丸東組にやられた。」と説明した。
地元の不良少年達は、「何故、丸東組が出て来るのだ!それに何でこんなに早く動くのだ!」と何がどうなっているのか解りませんでした。
陽子は、「可笑しな事を言う人ね、丸東組を引っ張り出したのはあなたでしょう!確かにあなたのいうように、この前にいますよ。そろそろここへ入って来る頃だと思いますよ。」といたって冷静でした。
地元の不良少年達は、「お前!まさか丸東組に連絡したのか?丸東組が出て来たら、只では済まないぞ。丸東組の恐さを知らないのか!ヤバイやくざなのだから!なんて馬鹿な事をしたのだ。」と鉄パイプを振り回して、「早く裏口から逃げないとやばい!退け!」と陽子に襲い掛かった。
陽子が日本刀を抜いて対抗すると、鉄パイプは切れた。
地元の不良少年達は日本刀に驚いて、切れた鉄パイプを見て、自分達の目を疑っていた。
丸東組の組員がドアを蹴散らして入って来て、「おい、こら!うちの姉さんを馬鹿呼ばわりして、只で済むと思うなよ!」と怒鳴った。
地元の不良少年達は腰を抜かして、陽子を指差して、「お前何者だ?」と確認した。
丸東組の組員が、「姉さんは、丸東組の次期組長だ!次期組長に鉄パイプで殴りかかったからには只で済むと思うなよ!」と説明した。
地元の不良少年達や、拉致されていた高校生や他校の教師は、丸東組の組員の言葉に絶句した。
陽子と同じ学校の生徒は、「東城さん、あなた将来、やくざの組長になるの?」と半信半疑で確認した。
陽子は、「確かに何度か進められましたが断っています。先の事は誰にも解らないわよ。ひょっとしたら数年後、やくざの組長として、あなたを脅迫に行くかもね。」と冗談で雑談していた。
その生徒は、「嘘でしょう。東城さんの事は信じていますので。」と優等生の陽子が丸東組の次期組長だとは予想外で信じられませんでした。
陽子は、「こんな時だけ信じられても嬉しくないけれどもね。」と拉致されていた生徒全員を助け出した。
丸東組の組員に、「サブちゃん、後お願い。あっそうだ。サブちゃん、あなたがワンクリック詐欺で脅迫した娘は、この娘よ。二人とも声で気付かなかったの?その罪滅ぼしとして、この娘のボディーガードをして、困っていればサブちゃんが助けなさいね。」と指示した。
丸東組のサブこと本田三郎は、「あの時はすみませんでした。あの後、姉さんに半殺しにすると叱られました。」と頭を掻きながら苦笑いしていた。
教頭先生は他校の教師に、「もう説明しなくても解っていると思いますが、丸東組に詳しい人物は、本校生徒の彼女です。彼女は丸東組組長の娘で幹部待遇です。」と説明して、その後、全員に口止めした。
生徒を心配しながら待っている教師達の所へ戻り、教頭先生の知人で丸東組に詳しい人物が生徒達を救い出した事を説明した。
その人物については、特に説明しなかった為に、他の教師達は、“こんなに素早く解決できるのは、警察関係者しかいない。”と思っていた。
次回投稿予定日は2月27日です。




