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王子様知りませんか?  作者: 苺鈴
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クーの任務

―お空の上のとある国―

 どうしよう…!こんな日に寝坊するなんて…。おはようございます、クーです。ただ今緊急事態です!!王子様の弟君とヤマネコさんの捜索部隊が編成され、僕もその一員になることができたんですが…その部隊の対策会議の初日に寝坊するという大失態を犯してしまいました…!!だって…変態ブラコン王子様が眠れるまで毎晩、寝室で話をしたり、手を握ってあげたりしていたから…僕、寝不足なんです!!


 急いで、会議を行う天使宮へと向かう!天使宮というのは、王家の守護神である4大天使様達のお住まいで、この天使様達が捜索部隊の総指揮を担っている。

「失礼します!!遅れてすみません…!!」

 僕が部屋に入ると…そこには…なぜか、おコタツがあって…。正装の上にはんてんを着た王子様と、軍の最高司令官のカービィ将軍、4大天使様のお一人のガブリエル様が入っていて…。みんな、ミカンを食べていて…。

「大遅刻だぞ…クー。もう、会議は終わって皆、軍務に戻ってしまったぞ!」

 王子様…あんたのせいで、寝不足なんです!!

「まあ、クー准尉。君の寝坊の原因は…把握しているから、今日の所は大目に見よう。私が今日の会議のことと、君のこれからの任務について説明しよう。君もコタツに入りなさい。」

 カービィ将軍は、初老の白髪交じりの短髪の男性で、先の大戦で多大な功績をあげた立派な軍人だけど…今は軍服の上にはんてんを着ていて…コタツでくつろいでる隠居ジジイにしか見えない…。

「はい…お心遣い感謝いたします。失礼します。」

 コタツに入る僕。わあ…あったかい…!そして、私の向かいに居るお方は…!

「はじめまして、クー准尉。あなたがこの部隊の最年少なんだね。」

 ガブリエル様…!!4大天使様のお一人で、カールのかかった輝く長い金髪にサファイアのような蒼い瞳の美しい男性で…!!今は、見えないけど、天使様達は、みんな背中に純白の翼が生えているんだ!服装は、白いフリルの付いたブラウスの上に、はんてんを着ていて…。なんだこのアンバランスな格好は…。でも、美人だから何着てても、お美しい…!!

「はじめまして、ガブリエル様…!!お会いできて…光栄です!」

「それでは、先ほどの会議の話をしよう。まず、我々の最優先事項は、弟君を見つけ出して無事に保護することだ。そのためには、まずヤマネコを見つけ出さなければならない!だが、国中を捜索したがヤマネコは、未だに行方知らずだ…。ヤマネコは、下界に降りた可能性が極めて高い。そこで、会議の後、捜索部隊の一部を下界に送り込んだ。そして…ク―准尉にも、ヤマネコの捜索のために下界に降りてもらう。」

「僕がですか…!?」

「ああ。そして、今日の会議でヤマネコの正体について有力な情報が分かった。あくまで、まだ推測の段階だが…。」

「ヤマネコさ…いいえ、ヤマネコの正体ですか!?いったい誰なんですか?」

「それについては、私から説明させてもらうよ。」

「ガブリエル様?」

「クー准尉は、私達4大天使を全員を知っているかな?」

「はい!もちろん。ガブリエル様に、ミカエル様、ラファエル様、ウリエル様の4人のお方ですよね。」

「今はね…。でも…4大天使は、もとは5大天使だったんだ。」

「えええー!?そうだったんですか!それでは5人目の方は、誰何ですか?…なぜ今は、いらっしゃらないんですか?」

「…5人目の名前は、ルシフェルだ。」

「何で、王子様が言うんですか?…ルシフェル様って堕天した悪魔の名前じゃないですか!」

「そうだね…。ルシフェルは、先の大戦でこの国を裏切り…敵国の味方をしようとしたんだよ。それで、終戦後に国外追放処分になったんだ…。まさに堕天使だろ…?」

「…まさか、ヤマネコの正体は、そのルシフェル様なんですか!?」

「この国に対しての恨みが…私の弟の誘拐の犯行動機の可能性が高いからな…!」

「あくまで推測だけどね…。でも、ルシフェルは、国外追放になった時に片翼をもがれて空を飛べないから、二度とこの国に来られないはずだけど…。」

「それで…ルシフェル様は、現在どこにいらっしゃるんですか?」

「下界のどこかにいるだろうね。…それで、下界に降りて君に彼を見つけだして欲しいんだ。」

 ガブリエル様は、一本の黒い烏のような羽を僕に手渡した。

「これは?」

「それは、ルシフェルのもがれた片翼の羽の一本だよ。もともと彼の翼も私達と同じで白かったのに、もぎ取られたら、真っ黒になっちゃったんだ…。彼の羽はその一本以外、全部捨てられてしまったんだ…。その羽がきっと君を彼の元へ導いてくれるよ。」

「そんな大事な任務を…僕なんかで、いいんですか?」

「クー准尉。君が適任なんだよ。ルシフェルは、子ども好きなんだ。君は、この部隊で最年少だからね!」

「ルシフェルを見つけたら、すぐ他の部隊のものに知らせて、部隊が到着するまで奴を逃がさないように引き止めるんだ。それが君の任務だ!」

「はい。了解しました!…それで、ルシフェル様の具体的なご容姿などを教えて頂きたいんですが?写真などは、ないんですか?」

「ルシフェルに関するものは、この国から全て抹消されてしまったからね…。それに、ヤマネコは噂だとオッドアイで10代後半から20代前半くらいの容姿らしいし…姿を変えている可能性もあるね。私が覚えているルシフェルは、准尉の髪よりも暗い黒に近い栗色の髪に黒い瞳をした男でね、そういえば…彼は、誰かに似ていたんだよな…。確か、日本の俳優の…。」





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