ヤマネコの犯行声明
―お空の上のとある国―
「王子様、夜分に失礼します!」
僕、クーは、王子様の寝室に来た。あることを伝えるために!
「…何だ?…夜這いに来たのか?」
誰がそんなことするかよ…!
「王子様。お城にヤマネコから犯行声明文が届きました!」
「なん…だと…!?」
「僭越ながら読み上げさせていただきます!『変態ブラコン兄貴王子様』…わざとじゃないです!本当にそう書いてあるんですよ!!『あなたの宇宙一可愛い弟の王子様は、私が預かりました。返して欲しければ…』」
「…どうした?早く続きを読みたまえ。」
「はい…。『返して欲しければ…あなたは、今後一切…』」
「…何だ?」
「『息をしないでください!!byヤマネコ』…以上です。」
遠回しに「死ね」って言われてるよ…。てか、王子様、僕を睨まないでください…!!これ書いたの僕じゃなくてヤマネコさんです!!
「そうか…。どうやら、ヤマネコは、私に殺されたいらしいな…!!」
王子様の体が光始めた!?ヤバい…!!これは、王家に伝わる伝説の必殺技…惑星一つを簡単に破壊するほどの『チカラ』!…その名は『バトライドウォータ―メロンソーダ・ルマンドーパミン・スーパーエックスライダー』略して『バ●ス』!!
「王子様、気をお静めください…!!この『セカイ』が滅んでしまいます…!!」
「勅命を出す!!…弟を救出し、ヤマネコを見つけ出し、必ず生かして私の元へ連れてこい!!」
「はい…!」
「それと、鳥籠職人を呼べ!」
「え?何で…鳥籠が必要なんですか?」
「私の可愛い弟が二度と、外へは出られないように…弟を閉じ込めるため…いや、弟を守るための鳥籠を作らせる!」
そんなの…酷い…!!
「王子様…。出過ぎたことを言いますが…それは、やりすぎです!…弟君は、あなたのペットではありません…!あなたの大切な…家族なんですよ!!」
「…そうだ。弟は、私のたった一人の家族だ…!だからこそ…私は、弟を失うわけにはいかない…!!」
―その頃のアパート―
「あれ…王子君?」
俺の隣で寝ていた王子君がいない…!?
王子君は、ベランダに出て…星空を見つめていた。
「王子君…眠れないの?…王子君!どうして泣いてるの!?」
王子君が泣きながら、俺の胸の中に飛び込んできた!
「洸…。怖い夢を…見たんだ…。僕が…鳥籠の中に閉じ込められて…ひとりぼっちでいる夢…!」
「王子君…。大丈夫だよ…王子君は、ひとりぼっちじゃないよ!俺がそばにいるし、もしも王子君が鳥籠に閉じ込められちゃったら、必ず助けに行くし!!ヤマネコさんがきっと魔法で鳥籠を壊してくれるよ!!」
そして、王子君にそんな酷いことする奴は、間違いなくヤマネコさんに殺されるね…。
「本当に…?」
「うん、約束するよ!」
「洸…ありがとう。あと…起こしちゃって、ごめんなさい。」
「いいよ!王子君、もう寝られそう?」
「…ううん。目が覚めちゃった…。」
「それじゃあ…一緒にプ●キュア見よう!」
「えええー!?洸…僕は、もう14歳だよ!」
「王子君のせいで俺も目が覚めちゃったよ!…俺、プ●キュア見なきゃ寝られない!」
「仕方ないな…。」
「やったー!!じゃあ、一話から見よう!」
「はあ…。洸も僕の兄さんも、ヤマネコさんもどうして、みんな僕より年上で、男なのに…プ●キュアが好きなの?わけがわからないよ…。」