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1話 目覚め

5/16 サブタイ改稿


脳内嫁を文章にしたらそれはこの世に存在するのと同義ではないか・・・?

という謎の考えからじゃあ書いてみようと思った次第です。

こういったものを書くのは初めてです。勉強させていただきます。

 体の痛みで目を覚ますとそこには見慣れない景色が広がっていた。周囲に生える木以外には、ひび割れた地面と岩。今いる場所は標高の少し高い位置であるようで、遠くに小さく町のようなものが見える。端的に言って、俺は山の中にいるようだった。時間はおそらく夕方。もうニ時間もすれば日が暮れるだろう。


 正直、全く意味がわからない。昨日はいつものように布団に入って眠りについたはずであるし、まして山で寝るようなサバイバル精神は持ち合わせていないつもりだ。


 となると、誘拐されたと考えるべきか。寝起き特有のもやもやとした頭で想像してみる。しかし、俺を誘拐して誰に何の得があるのだろうか。両親はすでに他界していて身代金を出してくれるような親族もいない。臓器売買という線もあるが、地面で寝ていた体の痛み以外には特段どこかが痛むわけでなく出血もなさそうだ。知らぬ間に誰かの恨みを買っていて、連れ去って殺すつもりだというならば見張りがいるかすでに俺は死んでいると思うが、周囲に人はいないし毒を盛られた感じもない……。いよいよわからなくなってきた。


 状況を整理しよう。こういう時は冷静になることが大切だ。

 俺の名前は――相馬ソウマ八千代ヤチヨ。今年大学に入学し、現在は夏休みのはずだ。少々事故に遭いやすい体質のようで、週に一度は何かしらの事故や事件に巻き込まれる。お陰で必要な時以外は家に引きこもるのが常になってしまった。学校は仕方がないが……夏休みに入ってからはほとんど家から出ていない。両親はその関係で他界している。尤も、物心付く前に逝ってしまってほとんど両親の記憶はないのだが。


 などと自分の記憶を確かめていると、遠くから足音が聞こえて来た。人がかけ足で走っているような、ザッザッという音である。状況の整理はほとんどできていないが、この場に訪れた変化のほうが重要だろう。

 これがもし熊だったりすると絶体絶命だな、などと悠長に考えていると足音の主が見えてきた。

 走ってきたのは熊などではなく、



――――血まみれのずた袋を背負った人間だった。

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