連罪
「つまんねえ事ばっかだな。俺を楽しませてくれる奴ぁいないのか」
金乃田 蓮、十三歳。学校へは私服で登校していた。普段学校へなど来ないのに蓮が来たのには理由がある。
あれは、先ほど述べたように家屋を燃やしていた帰りの話だ。
「ねえ君、能力持ってるでしょ。オレの仲間だね」
「……はぁ?」
急に声を掛けられた。振り替えると十五歳程度の男がこちらをにやりとしながら見つめていて、蓮は無視して立ち去ろうとしたのだが強く腕を掴まれ 動けなくなったため大人しくしていたのだが 段々苛立ちが増してゆく。
「君の能力は何?殺す?壊す?オレはね、“戻す”能力なんだ」
「───戻す?」
「そう。でもオレの記憶も消えちゃうからあんまり使わないんだけどね~」
どこまでも胡散臭い彼の発言に表情筋を引き攣らせるが 聞き逃せない一言が発せられた。
「安心してよ、オレ別に君をどうこうしようってつもりじゃないし。あのね、オレはただ単に仲間を見つけたいんだ」
先程から仲間、仲間と繰り返す彼に不服そうに蹴りを入れると、蓮は駆け出す。
「駄目駄目、逃げれないの解るでしょ?能力者は運動神経、頭脳……全部他人より優れるんだ。これで君にもわかってもらえたかな」
先回りされたかの様に強く肩をホールドされ 大きく目を見開いた。
「お前……誰だ、俺に触るな。」