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妖花  作者: みょんみょん
5/10

特訓(美風編)

「準備はいいわね?じゃあ、始めるわよ!特訓二日目!対戦相手は美風。」

「よろしくお願いします。」

「うん♪よろしくね♪」

毎回光牙が明るすぎる。

「特訓、始め!」

「じゃあ、僕からいくよ?」

言葉と共に、無数の紫色のオーブのようなものが浮かぶ。あれが光牙の基本攻撃なのだろう。この多さでは、体を部分的に動かしてかわすことは難しそうだ。なにしろ、一歩も動いてはいけないのだから。

「…とっておこうと思っていたんですが、仕方ないですね。…操りドール!」

その瞬間、美風の背後にスピアやらレイピアやらさまざまな武器を持った人形たちが現れる。といっても怖いものではなく、黄色のストレートの髪に、大きな赤いリボンをつけた人形たちだ。かわいい。その人形たちが一気にオーブのようなものを落としてしまう。その時、連華が物欲しそうにそれを見つめているのを見つけた。

「紅花様、あれほしいです。」

ぽそっと呟く連華。

「あとで美風に聞いてみるといいわ。」

笑いながら、特訓に集中する。その時、大牙が、

「ちっ。あんた人形使いか?」

「ええ。そうですよ。私の人形たちは一体一体に心がこもっているんです。その子たちと仲良くすることでこんな風に戦ってもくれるんですよ。人形以外にもたくさん仲の良い子がいます。」

美風が丁寧に人形たちの説明をする。メイド長の癖が出ているのがよくわかる。

「じゃあこっちもいくぜ!エリアル・ゴースト!」

大きな白い(…光っていてよくわからないが、多分虎だと思う。)虎が人形たちとぶつかり合う。美風の人形たちが徐々に押されていく。

「危うくなってきましたね…では、反撃に移らせていただきます。…ドール・オブ・リボルバー!」

美風の両手にリボルバーをいつの間にか構えていた。人形たちもバラバラだった武器が、すべてリボルバーへと変わっている。それを一気に撃ちまくった。虎を簡単にとはいかないが、押して引いてを繰り返し、破った。

「!やべっ!」

大牙があわてて逃げる。光牙も何度かささっと逃げた。

「大丈夫!きっと弾が切れるから!」

「無駄ですよ。この弾丸、勝手に装填してるんですから。」

そう。さきほどから人形や美風、館の間を、弾丸がせわしなく動いている。でも、美風には弱点がひとつ。指が細いので、一瞬でいいのだが休憩しないといけないのだ。大牙がそれに気づいたのは、美風の休憩の少し前。光牙にもこっそりとすれ違った瞬間に教え、休憩したとたんに二人同時に突っ込んで来た。

「あら、まんざら馬鹿でもないじゃない。」

「でも、いつもは馬鹿。」

二人が誉めてるのか、けなしてるのかわからない評価をする。その間に美風にたどり着いた大牙と光牙。二人の連携で、光牙は美風の足を狙い、大牙は上半身を狙う。美風はもともとの跳躍力で飛び上がり、レイピアを持った二体の人形をそばに寄せ、人形二体はレイピアを美風に攻撃を避けられて体勢を崩した二人の頭上に降り下ろす。そこで、人形の行動が停止した。美風が止めたのだ。

「負け惜しみのように聞こえるかもしれませんけど、今回のルールでは私の負けです。ですが、影たちが私のように攻撃を止めるようなことをするはずがないので、気をつけておいてください。」

そう言って、美風は私をふりかえる。

「申し訳ありません。なんだか連華よりも早く終わってしまいましたね。」

「いいえ。楽しめたわよ。連華は本気で殺すつもりだったけれどあなたは最初から手加減していたのだから負けて当然よ。」

「あれで手加減してたの!?」

「そのわりには強すぎねえか…?」

二人のマジか…。とでも言いたそうな表情に、クスリと笑ってしまう。特に大牙が…ってこれ完全なるひいきになってるわ…。私の表情苦笑いしてないかしら。

「明日の対戦相手は容赦ないわよ?なんとなくわかると思うけど。」

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