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妖花  作者: みょんみょん
4/10

特訓(連華編)

今日は館の主なメンバーが庭に集まっていた。今日から二人の特訓を開始するからだ。今集まっているのは、連華、麗花、鈴花、美風、パエル、そして私。

「じゃあこれから特訓を始めるわね。やり方は簡単。今ここに集まっているメンバーとあなたたち二人で戦ってもらうわ。ただし、麗花と鈴花は一緒じゃないと不安になるみたいだからタッグで戦ってもらうことになるわね。対戦相手を一歩でも動かせたら、勝ちよ。」

「おー。やっと特訓?待ってたんだよね♪」

光牙が明るく言う。

「最初の対戦相手は、連華。頑張ってね、連華。私たちは上の窓から見ておくわ。この庭より外に出ても負けよ。わかったら、始めてちょうだい。」

「おいおい、こんなボーッとしてるチビで大丈夫か?」

「大牙、そういうこと言わないの。かわいそうだろ?」

その時、視界の端のほうで連華がいつも持っているぬいぐるみを普段からは考えられないような力で握りしめているのが見えた。

「あの二人、連華を怒らせたようね。大丈夫なの、紅花?」

パエルが呟く。にこりと笑って、うなずく。その後に自信なさげに

「多分。」

と呟いてしまったが。連華は自分や仲間を侮辱したものは許さない。例えそれがなんであろうと。

「さあ、始まるわよ?」

窓から庭をのぞく。特訓の始まりだ。



庭から窓は近いので、声もしっかりと聞こえた。

「じゃ、いくぜ?チビさん!」

大牙が氷の塊を飛ばす。それをナイフで払って簡単に止めた連華。すでに切れ気味だったのが、今の言葉で完全に切れたようだ。それを悟ったのか美風が

「連華を怒らせるなんて…。あの人たち馬鹿ですか?」

と私に話しかける。

「まあ、危なくなったらバリア使って守ってあげるから大丈夫でしょう。ほら、久しぶりに連華の技が見れるわよ?」

連華が技を出す。

「ナイフ・ザ・エンド」

ナイフ・ザ・エンドは、ナイフを体の周りに出現させ、相手に降り注がせる技だ。が、これもなんとかかわした大牙たち。また大牙が挑発する。もうよせばいいのに。

「その程度しかできねえのか?だったらチビさんの負けは確実だな。」

「ちょっと待って大牙。今のかなりきつかったじゃん…!」

連華がさらにぬいぐるみを握りしめる。というかそんなに握ったら破れちゃう。

「もう許さない…!刃蝶の舞…!」

連華を胴体としてナイフでできた蝶の羽が出来上がる。それが一度ゆっくりとはばたく様子は、見ていてとてもきれいだ。大きさははんぱないけれど。

「殺してやる…!」

連華が呟く。そして、大牙と光牙を包み込むようにナイフの羽がドームへと姿を変える。そして、刃が一気に中心の大牙と光牙へと向く。そして、ナイフが飛んだ。

「ダーク・ファントム!」

光牙の声が響き渡る。

「ふう、危ない危ない。大牙、あんまり僕まで巻き込まないでよね。道開けたから、行って。」

闇のドームが包み込む。連華のナイフを食い止め、道をつくって大牙が連華のもとへ行けるようにしたのだ。そこを大牙が駆け抜ける。手の爪をだし、連華に降り下ろす。それをひらりと連華がかわす。

「私の…負け。」

そう。一歩動いたから、連華の負け。でも、よくやったと思う。

「おう。あんまチビとか言って悪かったな。」

二人とも何かあっさり仲直りしてるんだけど…。

悪いことはないけど何かあっさりしすぎてる。

「何かあっさり仲直りしてますね…。」

美風も私と同じことを思ったらしい。

「一回目の特訓終了!今日は各自しっかり休んで明日に備えてね。」

一回目の特訓の幕を閉じ、館に戻る。後ろで大牙と光牙がギャーギャーいっているのが聞こえる。

「あのね!こっちも焦るからもうちょっと考えてよ!あれ死んだと思ったよ!?」

「うっせーな、俺が突っ込んでお前が援護すりゃいいだろ!?」

「…うるさい。」

あくまでも連華は静かだ。明日も特訓がある。またこんな勝負が見られるかと思うと楽しみだ。



「…はい。」


次の巻では誰との勝負か楽しみにしておいてください!


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