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妖花  作者: みょんみょん
3/10

くだらない過去と昔話

二人の青年が目覚めて、これから紅花の生活がどう変わるのか?紅花の言うくだらない過去とはどんなものなのか?

あの上級影との戦闘で気絶した二人の青年妖怪を館で看病しているのはいいものの一向に目をさまさない。いま私はパエルと共にぐったりしている。治癒魔法を魔力を使い果たしてかけ終わったのだ。

「紅花様。大丈夫ですか?」

「いいところにきたわ。私もう眠いからお風呂入って寝ることにするわ。夕食はいらない。」

「かしこまりました。」

美風が出ていってすぐ寝た。


朝。メイドたちも仕えているとはいえど、お寝坊さんが多い。私は早起きだし、歌が好きなので、歌って館の住人を起こしてやる。

「あなたと私のワルツ 朝の美しい光の中で

喜び満ちる白い月。 さあ踊ろう 爽やかな風の中で」

「歌うまいんだな。」

「そうだねー。感動したよー。」

後ろから声が聞こえた。

「別に人に誉められたくて歌ってるわけじゃない」

そう言いながらゆっくりと振り返る。

「まったく…起きるのがずいぶんと遅かったじゃない。魔力使い果たしたわよ」

「悪かったな」

「ごめんね。すぐここでるから。」

出ようと扉に向かう二人の前にふわりと立ちふさがる。

「まだ完治してないから影とも戦えないし、あなたたちの力じゃ上級以上の影とは戦えない。まだこの館にいることをおすすめするわ。人間の味方をする妖怪は嫌いよ?だけどね。人間ほどではないし影との戦いかたや封印の仕方を教えてあげる。悪い提案ではないと思うけど?」

無言で敷き布団の方に向かう二人。そういえば名前を聞いてなかったな…

「あなたたち名前は?私は紅花。」

「俺は大牙。」

「僕は光牙。」

「そう…。よろしくね、大牙。光牙。とりあえずご飯はメイド長に頼んでおくわね。」

「そんなのまでやらなくていいよ?僕ら調達できるし。」

「あなたたち、虎と狼の妖怪よね?だったら食べるもの同じよ?私だってヴァンパイアだし。」

「マジで!?」

まあ、ヴァンパイアなんて滅多に会うことないものね…。というか存在自体がレアである。

「それに朝だから大体サラダに肉程度だろうけど。まあ、私と娘の麗花と妹の鈴花は生肉だけどね。あなたたちの分も追加するように言っておくわね。」

「…なんか勝手に決めてねえか?」

「気にしなくていいじゃない、そんなこと。美風!いる?」

「はい。なにか?」

「この二人の分の朝食もお願い。それからみんなにこの人たちは普通の人間の味方だけではなく私たちの味方もしてくれる妖怪だから、怖がる必要はないと伝えておいてちょうだい。」

「わかりました。」

美風はそう言って部屋から出ていった。

「朝食の時間までまだあるけど?」

「じゃあさ、ひとつ聞いてもいい?」

光牙の質問に、うなずいた。

「紅花はなんで人間が嫌いなの?さっきの会話からもここの全員が人間を嫌ってるように聞こえたけど。」

「そうね…。ここの全員が人間に酷い仕打ちを受けたからかな。私は生まれて5つくらいのときに人間に地下牢に閉じ込められて200年くらいしてやっと逃げたのよ。麗花に鈴花もそう。私よりも牢やにいたのが短くて一年くらいで私に助けられたけれど、やっぱり人間に閉じ込められていた。その他にも蔑まれ続けてここに逃げてきた人や、人間だったけどいじめとかで自殺しようとして私に助けられたひともいる。そういう理由で人間は嫌いなの。」

「そっか…。さすがに僕もそんなことされたら嫌だな。」

「まあ、いまでは誰もそんなこと考えないし、私にとってもくだらない過去なんだけどね。」

「じゃあ、俺からも質問。ヴァンパイアとか妖力の強いのがそばにいたら俺らのどっちかが必ず気がつくはずなのに気づかなかったのはなんでだ?」

「それはたぶん、私のなかに人間の血が入っているから。私はヴァンパイアと召還師のハーフだから。だから影を呼び出せるヴァンパイア・ワルツを使えるのよ。」

「なるほどな。」

「質問は済んだ?だったらちょっと部屋からでてほしいんだけど。」

「「?」」

二人して?マークを浮かべている。とくにいつも冷たい感じの大牙のそんな顔がかわいい。

「着替えしたいんだけど」

「あ、そういうこと。ごめんね。」

大牙と共にでていく光牙。着替えを開始する。今日は館から外に出ないのでドレスを着る。深い紫のドレスに赤いリボンを腰に巻いて背中側で大きなちょうちょ結びをする。そのあとは頭に忘れずに妖花をつける。今はピンクだ。着替え完了。

「終わったわよ!」

「…!」

なぜか部屋に入った二人の行動が停止する。

「どうかした?」

大牙が口を開く。

「いや、なんか影と戦ってた時とのギャップがすごい」

あのときは戦えるようにブラウスの上に黒いコートを着ていた。黒い服だと影にとりつかれにくいからだ。影が影にとりつけない習性を利用している。それに比べて今日はドレスだからまあ、ギャップがあるのは当たり前なのだが。

「そんなことどうでもいいから、食堂にいこ?朝こんなにしゃべることないからお腹減っちゃったわ」

部屋を出て、二人を案内する。今日のご飯はお腹が減っているからか美味しくいただけそうだ

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