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妖花  作者: みょんみょん
2/10

強大な影の力

一巻から半年の話です。


美風に頼まれて青年妖怪の監視役をしてから半年たった。いままでに出現した影も低級や中級、低級とも呼べないやつもいた。上級になるとさすがにあの二人の青年妖怪にも倒せないのは確実だ。いまのところはでていない。

「紅花様~!支度出来ましたか~?」

「まだ~!もうちょっと待って!」

「は~い!」

今日は美風と人間の里に出ることになっている。麗花と鈴花の世話はパエルに任せた。

私は身軽なブラウスを着ている。頭に妖花と呼ばれるパエルの作った髪飾りをつける。この妖花は私の使う技や魔法で色を変える。治癒魔法なら緑色という具合に。普段はピンクの普通の髪飾りのようになっている。階段を下りて美風のもとへいくと、日傘を持って待っていた。

「待たせてごめんね。じゃあ、いこうか。」

「はい。」

日傘をさしてくれる。ヴァンパイアだから直接日光に当たると灰になってしまう。戦うときは妖花の力で太陽を隠すので問題ない。


人間の里についた。一人で買い物役は楽しくないけれど美風とすると楽しい。

「麗花と鈴花も連れて来たらどうなるかしら。楽しむのか怖がるのか…」

「まだ小さいですし、喜ぶかも知れませんね。」

「ドンッ!」

いつもの影よりも小さいご登場である。一見低級のように感じるが、小さな音で出てくるほど上級なのだ。音はかなり小さかったのであの二人の青年に対処できない影であることを私も美風も瞬時に悟った。その時。

「いくぜ!」

「OK!」

ヤバい。やられる!思った時にはもう遅かった。二人とも首をやられた。素早かったからか少しかすった程度ですんだ。でも。私と美風が本気になるには十分だった。瞬時に太陽を隠し、二人で青年の前に立つ。

「おい!危ねえぞ!下がってろ!」

「援護をお願い。」

「はい。」

短気な青年を無視して美風に声をかける。美風は近くにあった傘屋の傘の先を全て影に向けて飛ばす。影が怯んだときに声をかける。

「ここから出ていきなさい」

「お前のような小娘の話など誰が聞くか。」

「なら実力行使ね」

後ろから青年妖怪たちの止める声が聞こえる。仕方なくそれに返答する。

「こんなのにやられた人たちは黙ってなさい。美風、止血くらいしてやって。」

「なら、お前は倒せんのかよ!」

再び抗議の声。

「倒せる。」

その自分で発した言葉に、ヴァンパイア特有の笑みが浮かぶ。残虐な笑み。でも、ヴァンパイアは何かを殺すとき、苦しめてはいけない。たとえそれが人であろうと、妖怪であろうと。

「いくぞ小娘…」

触手のようなものが飛ぶ。反射的に爪で引きちぎる。といってもタコの触手みたいで気持ち悪い。引きちぎった反動で影の顔まで飛んで技を出す。妖花が黒く染まる。

「ヴァンパイア・ワルツ」

ヴァンパイア・ワルツは自分の仲間の影を呼び出し、拘束すると同時に薔薇のトゲを飛ばす技だ。

一旦離れると、仲間の影も離れる。妖花の色は変わらず、次に私が技を出すことを示している。敵の影もその程度はわかったのか身構える。でも、この技は身構えたって仕方ない技。

「影封印。無限道ヴァンパイア・ロード」

名前の通り影を封印する技だ。ただの封印と違うのは強制的に仲間に引きずり込むこと。身構えたって防御したって封印は私を狙わないと防げない。楽しくないけれど、もう終わりのようだ。ふわりと影が消える。

「ふぅ…」

少し息を吐く。後ろを振り向くと私の戦いに安心したのかどうか知らないが青年妖怪たちが二人仲良く気絶していた。どうしたらいいかわからないのでとりあえず館に運ぶことにした。世話は私と美風がすることになった。なぜか私の部屋に敷き布団が二つひかれた。もう抗議したって遅いことに気がついた。麗花と鈴花も手伝ってくれるようなのでそれは嬉しい。というかいつ目が覚めるのだろう。部屋が狭くて仕方がない。眠いので今日は寝ることにした。

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