最後の一瞬まで
部活なんて辞めてやる。
何度そう思っただろう。
数え切れない。
でも、今まで続けて来て、
泣きたい日もあった。
辛くて、
堪えきれなくて泣いた日もあった。
このメンバーで今までやって来れてよかったとも
思える。
沢山不満もあって、
本気でぶつかって、
数日口聞かなくて。
でも、
何だかんだで仲直りして。
その度、何か学んだ。
仲間の大切さ。
人がそばにいてくれるありがたさ。
これからは、
『しんどい』『暑い』『寒い』って言わなくて、
嘆かなくて良いんだ。
それは、少し開放感とも言えた。
でも、
凄く大きなものを失った気がする。
僕は、性格的にも笑わない性格だったりする。
だけど、この部に居て、
笑う事を学んだ。
それが、そばになくなったら、
どうなるんだろう。
笑わなくなるのだろうか。
……………変だ。
寂しくないのに、
寂しい気がしてならない。
沢山の先輩。沢山の後輩。
支えてくれた先生。最高の仲間。
それは、この一瞬でしか大切さを学べない。
だからこそだろう。
これからも、
仲間は沢山居るだろうけど、
この仲間と離れるのが、
凄く寂しく感じたのだろう。
あっけなく終わった結果だった。
今更ながら、後悔もある。
あの日、もう少し、
先輩らしくしていたら。
リーダーらしく出来ていたら。
はっきり物が言えていたなら。
でも、ずっとずっと、
嫌いになりかけたこともあったけど、
最後までやってた。
最後の一瞬まで、握ってた。
ずっと信頼してた、一番の理解者の手。
誰よりも僕のそばにいた、
部活の大切な仲間。
沢山の思い出。悔しさ。楽しさ。
それは、一生の宝物になる。
そう、信じてる。
『今まで、本当にありがとう。
僕は君達に
なんにも出来なかった。
でも、君達も僕にとって、
とても大切な後輩。
ありがとう。ありがとう。
何もできなかったけど、
先輩って言ってくれてありがとう。
時には先輩と言えど厳しく居てくれて、
本当にありがとう。
僕は君達と仲間たちがいたから
こうして続けることができた。
皆に感謝したい。
僕は本当に情けなかった。
けれど、支えてくれた事に感謝する。
これからも応援しているよ。
壁にぶち当たっても、
必ず解決策があるから。
皆で協力しながら頑張れ。』
僕は小さなメモにそう綴り、それを部屋に置いた。
僕は、一つのことに10年と、長い時間をかけ、続けてきました。
それは、長い長い、辛いこともあった日々でした。でも、続けてきてよかったと思えました。
『理解者』は、いつも練習に付き合ってくれて、時には不機嫌になって、それでも、僕は、手を握り続けたんだと思います。
そんな理解者は、貴方のそばに今もいますか?