あなたたちに、世界でたった一つのプレゼントを
誕生日は、みんなが笑顔になれる日。
一年に一度、悲しい運命から離れて、おねがいができる日。
だから。
「…クリスサンタになりたい…」
一年に一度、おねがいをしてみるけれど。
「……それは難しいんじゃないのか」
今年も断られてる。
思わずむくれたら、すぐにあたたかい手がわたしのほっぺの空気を抜いた。
十二月二十四日、クリスマスイブ。
わたしの誕生日で、みんながお祝いしてくれる日。
そしてその日は、サンタさんの日。
サンタさんはすごい。
みんなを笑顔にしてくれる。これが欲しいっておねがいをすれば、叶えてくれる。
そんな存在がかっこよくて。
「クリスもサンタになりたい…」
そう、毎年言ってみるけれど。
「毎年チャレンジしているがそれは難しい」
こうして、断られてしまう。
なんでよ。
「なんでよ…」
「お前思ったことと口が一緒になってるだろ」
「いいことじゃん…」
「まぁそうだが」
と。
読んでた本を閉じて、リアスはわたしを向かい合わせでひざに乗せた。
「とりあえず、だ」
「うん…」
「お前には言っていなかったが」
「うん…?」
首をかしげたら、わたしをまっすぐ見ておっしゃる。
「サンタには免許が必要だ」
なんと。
「免許とな…」
「そう。サンタ資格もあるし、トナカイというか、ソリに乗るから免許が必要だ」
「じゃあわたしムリ…」
「だろう」
年齢的に免許なんて取れないからサンタさんはムリだ。
少し、しょんぼりしたら。
「ただ」
「んぅ…?」
「サンタみたいに笑顔にしてやれることはできる」
「なぁに」
首をかしげたら、リアスはこつんっておでこ合わせて。
「今日を全力で楽しむこと」
そう、言う。
――今日。
「クリスの誕生日?」
「そう。クリスティアの誕生日。お前が全力で楽しんでくれたら、俺も、レグナもカリナも笑顔になれる」
「…」
そんなことでいいの? は聞かない。
それは、お祝いしてくれる三人に失礼だから。
だから、リアスの音をしっかり頭で理解して。
「…わかった」
ほほえめば。
ちょうど、インターホンが鳴った。
「レグナとカリナだな」
「うんっ」
これから大切な四人の時間が始まるね。
それにぱっとリアスを見ればうれしそう。
こういうのでいいのかな。
まだ、ちゃんとはわかんないけど。
「行くか」
「うんっ!」
わたしも三人のサンタさんになれたらいいなって心で少し目標にしながら。
まずは今日、しっかり楽しもうと、リアスと一緒に玄関に向かっていった。
『あなたたちに、世界でたった一つのプレゼントを』/クリスティア




