傍にいるから、いつかすべてを乗り越えたその先で、愛してると唄ってほしい
誕生日は、恋人からのとびきりの愛をもらう日だ。
「リアス」
「うん?」
「お誕生日、おめでとー」
「あぁ、ありがとう」
日付が変わった瞬間、クリスティアからの祝いの言葉に感謝を伝え、抱きしめる。
「ずっといっしょ」
「あぁ」
俺からはできない約束を聞きながら、ベッドへ倒れこんで。ハグ以上はできなくとも、抱きしめてくれるのに微笑み。
応えるように、強く、けれど優しく抱きしめた。
「リアス」
「どうした」
一度眠った恋人が起きれば、まどろみながら抜けきらない甘ったるい声で俺を呼ぶ。
ただ、見つめても何も言わない。それには慣れているので、目元をくすぐってやった。
気持ちよさそうに目を細めたクリスティアはまた俺に抱き着く。
ときに頬を摺り寄せて、また抱きしめて。
恋人からの愛に、自然と顔がほころんだ。
「リアス」
「あぁ」
日中も彼女からのあついハグをもらい、夜になれば、再びベッドにもぐりクリスティアは俺を甘く呼ぶ。
見つめあって、どちらともなく微笑んで。
クリスティアから、手が伸びてくる。
「またひとつ、年を重ねたね」
「……あぁ」
少しだけ大人に戻った恋人に、頷いて。
開く小さな口から発せられる音に、耳を傾ける。
「去年、たのしかった?」
「もちろん」
「今年も、いっぱいあそぼ」
「あぁ」
――ねぇ。
「今年もずっと、そばにいさせてね」
願うように言われ、思わず抱きしめた。
朝と違って、思いのままに強く抱きしめながら。
「……俺のセリフだ」
小さく、こぼす。
守ることのできない自分だけど。
いつも見殺しにしてしまうけれど。
愛していて、手放したくないなんて最低だとわかっている。
けれど、今度こそ。
今度こそはと、また心に誓って。
一年に一度、互いに口にする言葉を紡ぐ。
「俺の傍にいてほしい。これからもずっと」
体を離し、目を見て言えば。
愛してるを言えない彼女は、その目にいっぱいの愛情を込めて。
「うん」
頷き。
「ずっと、ずっと。傍にいるよ」
愛してるの代わりを、俺にくれる。
それに、互いに笑って。
日付が変わる深夜零時。
互いの体温を手放さぬよう、強く抱きしめあった。
『傍にいるから、いつかすべてを乗り越えたその先で、愛してると唄ってほしい』/リアス




