表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワンダーランド・ボーイ  作者: 櫻木サヱ
白兎に出逢う日

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/31

flying☆Sky

空が逆さに流れている――

そのことに気づいたのは、ホワイトの手を取った直後だった。


「……え、空……動いてる……?」


「うん。ここでは上も下も、時間の流れも、人の心で変わるんだよ」


「心で……?」


ホワイトはふわりと微笑んだ。

月光を受けて、彼の白い髪がきらきらと光る。

見惚れたのは、たぶんほんの一瞬だったのに――

その一瞬が、永遠みたいに長く感じられた。


「さあ、こっちへ」


ホワイトが軽く引くと、アレンの身体も自然と前へ進む。

草原のように見える地面の先には、不思議な階段があった。

上へも下へも、螺旋を描いて浮いている階段。

なのに、風の音もない。

まるで――夢の中だ。


「これ、登るのか……?」


「ううん、落ちるの」


「は?」


次の瞬間、ホワイトは笑ってアレンの手を強く引いた。

身体がふわりと浮く。

風も重力もない世界。

息が喉の奥で止まった。


「うわっっっっ!!」


「怖がらなくていい。君が信じてくれれば、僕がちゃんと受け止める」


その言葉と同時に、アレンの心臓が跳ねた。

視界がくるくる回る中、ホワイトの金の瞳だけがぶれずに、まっすぐ見つめてくる。


――ドクン。


地面に落ちたはずなのに、痛くなかった。

代わりに、柔らかい腕がアレンをしっかりと受け止めていた。


「……お、お前……」


「ね、言ったでしょ。僕が受け止めるって」


ホワイトの顔が近い。

吐息が触れそうな距離で、瞳の奥が優しく笑っていた。

胸が、どうしようもなく熱くなる。


「離せよ……っ」


「じゃあ、もう少しだけこのまま」


「っ……!」


その言葉に、アレンは言い返せなくなった。

抱きかかえられたまま、夜空を背景に――

ホワイトの腕の中にいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ