The choice of the moon night ☪︎*。꙳
森を抜けた広場に、満月が静かに輝いていた。
銀色の光が三人の影を長く伸ばし、夜の空気を柔らかく包む。
「……この夜、何かが決まる気がする」
アレンは小さくつぶやく。
チェシャは軽く肩をすくめ、いたずらっぽく笑うが、目は真剣だ。
「ふふ、楽しみにしてるね」
その笑みの奥には、アレンを想う気持ちが隠れていた。
一方、ホワイトは静かにアレンの肩に手を置く。
「君の心が迷うなら、僕は待つ。けれど、君が決める時は、必ず僕は君の側にいる」
胸の奥がじんわり熱くなる。
アレンは二人の視線を順に見た。
チェシャの好奇心と自由さ、ホワイトの静かな真剣さ――
どちらも大切で、どちらも手放せない。
「……俺、どうすれば……」
心の中で葛藤するアレン。
そのとき、月明かりに照らされた二人の手が、自然と自分の手を求めてくる。
「迷っても、逃げてもいいんだよ」
チェシャが耳元で囁く。
その声に、アレンの胸は締め付けられ、同時に温かくなる。
「……でも、ちゃんと向き合わないと」
ホワイトも静かに微笑む。
アレンは二人の手を握り、深呼吸をする。
月夜の広場で、アレンは自分の気持ちを少しずつ整理していく。
選ぶことはまだできないけれど、二人の想いを受け止め、心に刻む――
それだけで、胸のざわめきが少し落ち着いた。
じれじれで甘く、でも少し決意を含んだ夜。
三角関係の揺れはまだ続くけれど、アレンの心は一歩前に進んでいた。




