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ワンダーランド・ボーイ  作者: 櫻木サヱ
迷宮と二つの想い

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29/31

The choice of the moon night ☪︎*。꙳

森を抜けた広場に、満月が静かに輝いていた。

 銀色の光が三人の影を長く伸ばし、夜の空気を柔らかく包む。


「……この夜、何かが決まる気がする」

 アレンは小さくつぶやく。

 チェシャは軽く肩をすくめ、いたずらっぽく笑うが、目は真剣だ。


「ふふ、楽しみにしてるね」

 その笑みの奥には、アレンを想う気持ちが隠れていた。


 一方、ホワイトは静かにアレンの肩に手を置く。

「君の心が迷うなら、僕は待つ。けれど、君が決める時は、必ず僕は君の側にいる」


 胸の奥がじんわり熱くなる。

 アレンは二人の視線を順に見た。

 チェシャの好奇心と自由さ、ホワイトの静かな真剣さ――

 どちらも大切で、どちらも手放せない。


「……俺、どうすれば……」

 心の中で葛藤するアレン。

 そのとき、月明かりに照らされた二人の手が、自然と自分の手を求めてくる。


「迷っても、逃げてもいいんだよ」

 チェシャが耳元で囁く。

 その声に、アレンの胸は締め付けられ、同時に温かくなる。


「……でも、ちゃんと向き合わないと」

 ホワイトも静かに微笑む。

 アレンは二人の手を握り、深呼吸をする。


 月夜の広場で、アレンは自分の気持ちを少しずつ整理していく。

 選ぶことはまだできないけれど、二人の想いを受け止め、心に刻む――

 それだけで、胸のざわめきが少し落ち着いた。


 じれじれで甘く、でも少し決意を含んだ夜。

 三角関係の揺れはまだ続くけれど、アレンの心は一歩前に進んでいた。

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